東北の田舎で内科医さんちゃごがたまに書く日記

悲観主義は気分によるもの、楽観主義は意志によるもの。楽観主義で参りましょう!

歴史

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本日は、ヨーロッパの宗教改革について
ひとつの側面をみてみたいと思います。

本日のキーワードは“”です。


  ☆ ☆ ☆


まず、紙の歴史を振り返ってみましょう。

紙(製紙法)が発明されたのは、紀元2世紀の中国です。
その製紙法が、中国からイスラム世界に伝わったのは8世紀。

ヨーロッパで初めて製紙工場が作られたのは、ようやく12世紀になってからです。
製紙法が発明されてから、すでに1000年の年月が経っていました。
その場所は、スペインでした。

この頃のスペインは、イスラム王朝の支配下にありました。
この点、注意が必要です。

多くの学問・技術が、イスラムからキリスト教世界へと伝えられていました。
中世では、アラブ・イスラム世界の方がヨーロッパ・キリスト教世界よりも、
様々な点でずっと進んでいたのです。

ちなみに英語のPaperは、エジプトのPapyrus(パピルス)が
語源になっていますが、現在の紙とパピルスは全く違うものです。


  ☆ ☆ ☆


さて、ここで“聖書”というものに注目します。

紙が普及する以前、聖書は羊皮紙に書かれていました。
(その前はパピルスに書かれていましたが、材質として脆く、製本に適しません。)

羊皮紙は、文字通り「羊の皮」でできた紙です。
加工に手間がかかり、非常に高価でした。

また印刷という技術もまだなく、聖書はすべて手書きでした。
修道士らが、一冊一冊、一文字一文字、書き写していったのです。

さらに聖書は、ラテン語で書かれておりました。

ですから一般庶民には、聖書はとうてい手の届かないものでした。
たとえ手に入っても、読めるものでもありませんでした。

中世は、キリスト教が徐々に広まっていった時代です。
しかし中世は、こと聖書に関しては、教会が独占していた時代でもあったのです。


  ☆ ☆ ☆


中世が終わる頃の教会は、十字軍の失敗もあって、その権威は大きく失墜。
教会の内部は腐敗・堕落しつつありました。

カトリック教会の堕落の象徴が、“免罪符”でした。

免罪符は、15〜16世紀にローマ教皇の名のもとに発行されました。
金銭を支払ってこれを得れば、(宗教的な)罪の償いが軽減されるというものです。

ちなみに免罪符の流布には、紙の普及活版印刷術の発明(グーテンベルク・
15世紀)が大きく寄与していることを付け加えておきます。

(中世が終わるのは1453年(15世紀)です。思い出して頂けたでしょうか?
 http://blogs.yahoo.co.jp/twomothers1452/38837784.html
グーテンベルクの印刷術発明とほぼ同時期です。とても偶然とは思えませんね。)


(続く)

※冒頭の写真は、14世紀のラテン語聖書写本。(Wikipediaから拝借しました。)

閉じる コメント(9)

聖書一冊を羊皮紙で作るには、500頭分の羊の皮が必要だったそうです。http://www.shiroki.com/paper/bible/index.html

2006/8/22(火) 午前 10:14 さんちゃご

500頭も必要だったなんて、驚きました!今、DVDで「ノートルダムのせむし男」を少しずつ観ていますが、国王らしき人が、紙に聖書を印刷しているのを見て、驚くという場面があります。すると側近の者が、「これはまずい、印刷職人を皆殺しにしましょう」と言いました。時間が無くて、まだ半分も観てませ〜ん””

2006/8/22(火) 午前 10:35 letgo

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Letgoさん、面白そうな映画ですね。原作はヴィクトル・ユーゴーの小説ですね。☆「聖書の印刷」、当時では衝撃的な出来事だったのでしょうね。

2006/8/22(火) 午前 11:37 さんちゃご

聖書一冊に500頭分の羊ですか・・・。免罪符の流布に、紙の普及・印刷術の発明が寄与しているとは知りませんでした。

2006/8/22(火) 午後 7:11 あずまいら

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凄い数ですね。。びっくりです。続きを読みます!!

2006/8/22(火) 午後 9:53 はなみち

azumairaさん、こんばんは。私も、今回初めて知りました。何か記事にすると勉強になります。

2006/8/23(水) 午前 1:35 さんちゃご

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はなみちさん、こんばんは。羊皮紙で作られた祈祷書などを、博物館で見たことがあります。確かに綺麗なのですが…思わず、そっと手を合わせてしまいました。

2006/8/23(水) 午前 1:38 さんちゃご

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こんにちは。紙の文化に育って幾久しい我々には、改めて興味深いお話でした。考えてみたら、あんなにやわい紙なのに、1000年以上もしっかり保存している日本って、自画自賛みたいですが、すごいと思いますよ・・・。関係ない話ですが、私が所持する江戸時代の経本なんですが、裏には何故かいっぱい髪の毛が混入していて、紙漉職人のものなのかな・・・と思ったりしています。中世、最も進んだ文明を持っていたのはイスラム世界だったんですよねェ・・・。

2006/8/26(土) 午後 5:36 Rev.Ren'oh

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Ren’ohさん、こんにちは。日本に伝来したお経(仏教)はすでに紙に書かれていたのでしょうね。☆一方日本の紙の品質も相当高かったと思われます。日本の水彩画(水墨画や浮世絵)もこの紙(和紙)の品質があったればこそ…と思います。(西洋で水彩画といえば、フレスコという壁画ですものね。)☆経本に髪の混入、不思議ですねえ。強度を上げるための工夫だった(?)のでしょうか…。

2006/8/27(日) 午前 7:52 さんちゃご


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