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小学生の頃、私は『西遊記』が好きでした。(今も好きです。)
孫悟空や三蔵法師・猪八戒らが数々の苦難を乗り越えて、
はるか天竺まで取経の旅をするという、中国のお話です。
私が何度も読み返した『西遊記』(もちろん児童文学の平易なもの)には、
ただ一箇所“柿”が出てくる場面がありました。
しかしその場面だけは、子供心にも釈然としないものを感じていました。
※ ※ ※
その場面は、ざっと下記のようなものでした。
『旅を続ける三蔵法師一行が、ある道に差し掛かった。
道端には柿の木がたくさん生えていた。
たわわに実った柿の実が大量に道に落ち、腐って悪臭を放ち、
とても通れるものではない。
そこで孫悟空は嫌がる猪八戒に命じて、道に落ちた柿を掃除させ、
ようやく一行は先へ進むことができた。』
この場面、子供の私にはまったく理解できませんでした。
(今なら一応理解できます。)
柿は日本にも中国にもたくさん自生していますが、
日本人と違って、中国人はほとんど柿を食べないようなのです。
食文化の違いといえるのかも知れません。
特に“猪八戒に…掃除させ…”という一文は、
『中国では、柿は豚(=八戒)の餌にしかならない(人が食べるものではない)』
と解釈できそうです。
※ ※ ※
柿に対する日本人の態度は、これとは全く正反対といえます。
たわわに実った柿をひとつひとつ干し柿にして、冬の保存食とするのは、
先人から受け継がれた智慧です。
干し柿にして美味しいのはむしろ渋柿であるというのも、感慨深いものがあります。
患者さんには農家の方も多いのですが、この季節は干し柿作りに忙しいようです。
特によく出来た干し柿は皇室に献上されたりする程、柿は大切にされます。
※ ※ ※
ちなみに、柿を食べると便秘をしやすくなります。
これは柿に含まれるタンニンの作用によります。
この点に、柿の木の、生物としての戦略を見てとれます。
それはこういうことです。
柿の実を食べた動物(猿や鳥)が排便する時、柿の種が蒔かれます。
その間便秘をしているということは、種がその分遠くまで運ばれることを意味します。
柿の木が、子孫を残すチャンスが増すわけです。
なかなかやるなあと感心してしまいます。
以上のような“便秘しやすくなる”という点を大目に見られるならば、
柿は栄養学的にも優れた食べ物です。
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ほほぉ〜なるほど!!さんちゃごさんの記事って、いつもながらお勉強になりますねぇ〜。さすが!!
日本の食文化の豊かさと申しますか、食べ物に対する気持ちというのか、自然の恵みを大切にする心を感じました。
2008/12/12(金) 午後 5:08
私はちなみにりんごでもって下痢しますぅっ。失礼しました!!王林ですと快便ですが。。。笑。
2008/12/12(金) 午後 5:09
長年の疑問が解けました。小さい頃から「柿を食べ過ぎると便秘するよ」と言われ、大好きなんですが大量に食べないようにしていました。長じてタンニンの影響だと知りましたが「何故タンニンを取りすぎると便秘するのか」疑問に思っていました。生物学的戦略だったのですね。便秘が治ったように爽快です。
2008/12/12(金) 午後 5:10 [ プーサン ]
roseさん、こんにちは。恐れ入ります。
私は、柿もりんごも大好きです。まさに、秋から冬にかけての自然の恵みですね〜
2008/12/12(金) 午後 6:12
プーサンさん。
私は生来便秘気味な体質でして、柿を食べるとてきめんに便秘してしまいます。
それでも構わず頂いています。何せ美味しいですから(笑)
2008/12/12(金) 午後 6:14
柿で便秘とは!驚きました。
いつもサツマイモと柿をセットで食べているので、全然気づきませんでした。
柿は大好きで、最盛期には1日6個も食べてました。
タンニンの取り過ぎですね、気をつけます。
2008/12/12(金) 午後 11:27 [ - ]
ごろりんさん、こんにちは。
wikipediaによると、タンニンは渋味のもとになる成分なのですね。
お茶やワインにも多く含まれているみたいです。
2008/12/13(土) 午後 2:17
タンニンですか。
最近、お腹が緩いので、家にある干し柿を食べることにします。。。。
低脂肪乳をいつも飲んでいたのですけれど、そうですか。お茶やワインにも・・・ワイン・おいしい☆ おいしいお話ありがとうございます☆
2008/12/17(水) 午前 0:29
こんばんは。
今日は患者さんから“あんぽ柿”を頂きました。
渋柿を硫黄で薫蒸して作る、干し柿の一種です。地元の名産のようです。
2008/12/17(水) 午前 0:43
さんちゃごさん、こんばんわ。今はどうかわかりませんが、中国は柿を食べものとは考えていなかったのですね。なんと勿体無い。自分も柿は好きです。(干し柿をよく食べます)
2008/12/18(木) 午後 5:56
azumaira2さん。
やはり中国の物語ですが『水滸伝(すいこでん)』を読んだことがあります。(途中で飽きて止めましたが…)
その本の中では『ごちそう=肉・酒』のワンパターンでしたよ。
梁山泊に集まる無頼の徒の話ですので猶更なのでしょうが、文化としての食は案外貧しいのかも…と感じました。
2008/12/19(金) 午後 0:32