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大学時代、私は山岳部に所属していました。
いわゆる“冬山”にも行っておりました。
もちろん比較的易しい山域を選んで行くわけですが、
それでも冬の北アルプスや八ヶ岳の寒さは半端ではありません。
当時(20〜15年ほど前)は今よりも寒さ・降雪量とも厳しいものでした。
その冬山においても“手袋はウール(羊毛)がいい”というのが本日のお話です。
☆ ☆ ☆
上の写真は、我が家にある手袋を集めて撮ってみたものです。
右端から順番にご紹介します。
右端の手袋は、アウトドアショップで買ったものです。
二重構造になっていて、外側は薄手のウールで編まれてますが、
内側はシンサレート(Thinsulate)という保温繊維でできています。
真ん中のグレーの手袋(2本ラインが入ったもの)はデパートで買いました。
これはウール100%で、生地の厚さは中くらいです。冬の街を歩く時にしています。
左側の明るい灰色の手袋は、登山の専門店で買ったもの。
ウール100%である点は同じですが、生地の厚さは1.5倍ほどです。
編み目もみっちり詰まっています。
☆ ☆ ☆
私が冬山にしていくのは、この厚手のウールの手袋です。
いくつか試してみましたが、結局これが一番温かいです。
単に保温力だけで比べると、シンサレートの方がウールより温かいかも
知れません。
しかし実際の山は、実験室とは状況が違うのです。
山では、雪を掻き分けたり汗をかいたりしますから、手袋はどうしても濡れます。
ところがシンサレートは、濡れると途端に保温力が下がってしまうのです。
その点ウールは違います。
ウールには撥水(はっすい)性があり濡れにくく、
さらに「水に濡れると発熱して、乾こうとする」という性質があります。
ですから指先が冷たくなりにくい。
ウールは、いわゆる“発熱繊維”の元祖なのです。
☆ ☆ ☆
登山は、その時代その時代の最先端の技術や道具を要求します。
ですから登山用衣類の素材も日進月歩なのですが、
少なくともシャツと手袋に関しては、ウール(羊毛)に優る素材を私は知りません。
ちなみに、下の青い手袋はゴアテックス(Gore‐tex)製のオーバーグローブです。
ゴアテックスは、防水性と透湿性を併せ持つというたいへん優れた素材です。
厚手のウールの手袋に、ゴアテックスのオーバーグローブ。
この組み合わせで、国内の山ならほとんど対応できると思います。
☆ ☆ ☆
(蛇足)
ちなみにゲレンデ・スキー程度なら、このウール手袋だけで十分です。
(ブリザードが吹けば、ゴアのオーバーグローブも着けます。)
ところがゲレンデに同行する友人は、私の手袋を見て、
「毛糸の手袋では寒くないかい?」
と心配してくれたりします。
彼らは「ウール(羊毛)の手袋」と「アクリル毛糸の手袋」とを混同しています。
ウール(羊毛)とアクリルは見た目は似ていますが、温かさが段違いです。
また彼らの多くは「外側:合成皮革、内側:合成繊維」の手袋をしています。
それを見て私は、
「(雪や汗で濡れた場合)そちらの方が寒いのに…。おまけに高価だし…。」
と内心思うのですが、まあ口には出しません。
なかなか信じてくれませんから…。
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先生のように繊維製品の本質的機能まで理解している人は少ないでしょうね。
全く御指摘の通りです。
傑作^^
2009/1/26(月) 午前 9:54 [ 敬天愛人 ]
ウールは偉いですね!
買うならウールにしましょう!
ユニクロのヒートテックというのも、バカ売れしてるそうです!
2009/1/26(月) 午後 0:32
その通りですね。アクリルは、静電気も呼ぶので、雪が着くでしょう。ホルムキラーを振りかけておくと、雪が着きません。自然発熱素材も、優れた技術ですね。以前ワンコ様にどうか、営業しました。電気毛布とかは、水分を無くしてしまいます。
2009/1/26(月) 午後 2:00 [ touwasangyou55 ]
ダブルポチ!
2009/1/26(月) 午後 2:01 [ touwasangyou55 ]
ウールがこんなにいいとは思いませんでした
子供のころは今のように優秀な化学繊維がなかったのでウールを母の手編みで着ていたのを思い出しました
羊毛、アンゴラは本当に暖かいですよね、自然の素材は素晴らしいですね。。
2009/1/27(火) 午前 7:58
ウールは温かいのですが、ちくちくするのに耐えられません。
雪の降る地方に住んでいるので、普段の雪かきにもスキー用手袋を使っています。
スキーは全然しなくなったけど、手袋だけはすっごい使えます。
2009/1/27(火) 午後 0:28 [ - ]
登山用品は機能的に優れていますし、丈夫で長持ちしますよね。
私が普段身についているものは登山用のものが多いです。
2009/1/27(火) 午後 8:51
プーサンさん、こんにちは。バイクに乗られるのですね。
仰るとおり、靴下・帽子もウール製品が最良ですね。
2009/1/28(水) 午後 4:52
敬天愛人さん。どうも、恐縮です。
小学校の家庭科の知識も、役に立っています。
2009/1/29(木) 午後 6:18
Letgoさん、こんばんは。
考えてみれば、ウールは“羊さんが、雨風から身体を守るために進化させたもの”です。
優れているのも道理ですよね。
2009/1/29(木) 午後 6:21
東和産業55さん、はじめまして。
私自身、山岳部に入部するまでは“アクリル毛糸”と“羊毛”と混同しておりました。
ほんのちょっとしたことですが、知らないって悲しいです。
2009/1/29(木) 午後 6:24
マリエルさん。
やはり手編みは特別です。心身ともに温かくなりそうです。
2009/1/30(金) 午前 10:40
ぴぃさん、こんにちは。
そうですね。チクチクするのがウールの泣き所ですね。
直接肌に触れるアンダーウェア(山用)などは、ウールの保温性・速乾性を模した化学合成繊維が主流になっています。
寒がりの女房は普段から愛用しています。
2009/1/30(金) 午前 10:48
Bokkaさん。
私は冬になると“PENDOLETON(ペンドルトン)”のシャツばかり着ています。
シャツなのに、セーターを着ているくらいの温かさですものね。
2009/1/30(金) 午前 10:55
山にジーンズで行く危険を知らない人が案外と多いですよね
2009/1/31(土) 午前 1:28 [ たかの ]
さんちゃごさん、こんばんわ。勉強になりました。ウールは優れものなのですね。
2009/2/2(月) 午後 8:25
鷹野さん、お久しぶりです。
私が山岳部に入部して、先輩から最初に指導されたのが、まさに“ジーンズ禁止”でした。
その1年後、私は後輩に、まったく同じ指導をしていました。
2009/2/4(水) 午後 4:46
azumaira2さん、こんにちは。
コスト・パフォーマンスの面でも優れた素材です。
2009/2/4(水) 午後 4:48
アクリルは燃やすと有害物質が出ます。全然違う物質です。明日、それを研究していた元帝人の部長さんが見えます。それで、帝人は、アラミド繊維を開発されました。
2009/2/19(木) 午後 2:48 [ touwasangyou55 ]
帝人もいろいろ工夫して、頑張っているのですね〜。
2009/2/21(土) 午前 4:26