東北の田舎で内科医さんちゃごがたまに書く日記

悲観主義は気分によるもの、楽観主義は意志によるもの。楽観主義で参りましょう!

理系

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赤血球は偉大だ!

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赤血球(せっけっきゅう)   (写真 上:ヒトの赤血球、下:鳥類の赤血球)

聞いたことがある方も多いと思います。
ヒトの血管を流れる細胞のうち、95%以上を占めます。
肺で取り込んだ酸素を体の隅々にまで運ぶという大切な働きをしています。

ヒトの血液が赤いのは、まさに赤血球の色です。

赤血球は、真ん中がすこし窪んだお皿のような形をしています。(写真(上)をご覧下さい。)
大きさは直径約8μm(マイクロメートル;1μmは1000分の1ミリメートル)。
血液1μl(マイクロリットル;100万分の1リットル)の中に、400〜500万の赤血球が含まれます。

赤血球をはじめ、白血球や血小板などは骨髄(骨の中心部)で造られます。
血液細胞は皆兄弟です。
これらは造血幹細胞(かんさいぼう)というたった一種類の細胞から分化し、成熟します。


赤血球には「核(かく)」がありません。
10年以上前に習ったことですが、最近ようやくこの事実の凄さを実感できるようになりました。
(写真(上)をみても、「核」がないことがお分かりになるでしょう。)

一般に、細胞の「核」には遺伝子DNAが納められています。
「核」は、細胞の中で最も大きな最も大切な器官といえます。

赤血球は一個の細胞ですが、この「核」を持たないのです。
そんな赤血球も、骨髄の中で成長する過程では核を有しています。
しかし成長し終えた赤血球が骨髄から血管へ移る段階で、その「核」は忽然と消えてしまうのです。

なぜでしょうか?

「核」がないことは、赤血球の働きを考えると非常に合理的です。
なんといっても身軽です。
血液の中をさらさらと流れていくのに、これほど大切な要素はありません。

また「核」がないことで、赤血球は変形しやすくなります。
直径8μmの赤血球が、どうして直径5μmしかない毛細血管を通ることができるのでしょうか?
それは赤血球の「変形能」がなせるわざです。

とても身軽で、体が柔らかいのですね。赤血球。


聞くところによると、(ニワトリなど)鳥類の赤血球には「核」が残っているそうです。(写真(下))
一方(ヒトを含む)哺乳類の赤血球には、前述のように「核」がありません。

「どちらの赤血球が進んでいるか」…などと比べることには意味がなさそうですが、
あえて言えば(この点では)哺乳類に軍配が上がるのではないでしょうか?

(哺乳類の)赤血球は、成長の最後の段階で、細胞として不可欠とも思える「核」を捨て去るのです。

この潔さ(いさぎよさ)…



昔どこかで「生命は、DNAを乗せて運ぶ箱舟に過ぎない」というような文を読んだことがあります。
なんて軽薄かつ愚かな見解でしょう。

ご自分の血液を御覧ください。赤血球の姿をよく見てください。

赤血球は、生命を育むために自らのDNA(核)を捨て去っているではありませんか?
「生命」を繋ぐために「遺伝子(DNA)」が在るのであり、その逆ではないのです。


一時も休むことなく、ひたすらに酸素を運び続ける赤血球……何かを感じずにはいられません。


※追記
鳥類の赤血球の写真も追加しました。核を有し楕円形をしています。
下のHPより転載させて頂きました。
http://www.odagawa.jp/bard/to.html

閉じる コメント(10)

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おはようです。つい読み入ってしまいました(笑)朝から頭フル回転w

2005/7/27(水) 午前 7:38 [ ra7**3 ]

おはようございます。少し難しかった(専門的すぎた)ですね。

2005/7/27(水) 午前 7:43 さんちゃご

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人の体をつくっているすべての細胞のひとつひとつが生きているからこそ、この大きなひとつの固体=人を作り上げているかと思うと壮大が力が働いていると感じてしまいます。しかも、人が睡眠・休息しているときもも一時も休まずに心臓・呼吸もするように働きかけてくれている。これて、一人で生きているようだけど、何兆・億単位の細胞のお陰ですよね。 本当に驚くことばかりです。

2005/7/27(水) 午後 4:30 [ rose ]

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現在では「細胞」は常識になっています。しかしかつては、「ヒトの体も細胞からできている」という発見は、人々の世界観を大転換させるものでした。小さな生命が寄り集まって、大きな生命を形つくっています。

2005/7/27(水) 午後 9:13 さんちゃご

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釈尊が入寂の際に、自分の肉体諸器官に感謝をしたという話しを聞いた事があります。その真偽はともかく、さんちゃごさんの説明によっても、随分と偉大なものだと思います。自分が意識をしてなくても、赤血球や他の細胞も、一生懸命に自分の仕事をして、私を支えてくれていたんですね。

2005/7/28(木) 午前 7:47 letgo

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仰る通りです。人の肉体も尊いものです。精神の働きを「体現する」ための器ですから。

2005/7/28(木) 午後 1:24 さんちゃご

赤血球はより自分の使命をまっとうするために進化(変化)したということですか?

2005/7/31(日) 午前 11:03 姉さん

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さらさん、こんばんは。細胞にとって「核」を消失させるのは、人間で喩えると記憶や記録(の大部分)を捨てることに匹敵する捨て身の行動と言えるでしょう。どんな「使命感」が赤血球を駆り立てるのでしょうか?

2005/7/31(日) 午後 11:06 さんちゃご

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さんちゃごさんのトラックバック、ありがとうございました。これが、ブログの良いところなのですね。ところで、鳥類に核が残っているというのは、例のトリ・インフルエンザを想起し、少し怖い感じがします。

2006/2/18(土) 午前 9:44 [ 無知 ]

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進化の過程で、そのような違いが生じたのでしょうね。この点、私も驚きました。☆鳥インフルエンザの上陸には要注意です。日本の行政は危機感をもって監視して欲しいです。

2006/2/19(日) 午後 9:30 さんちゃご


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