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<将棋>初めて「後手」勝ち越し 08年度公式戦
3月30日23時1分配信 毎日新聞
将棋の2008年度の公式戦は、後手番が勝ち越した。
日本将棋連盟が1967年度に統計を取り始めて以来、初めてのケース。
主導権を取りやすい先手番が少し有利という状況が40年余り続いてきたが、
この1年は逆の結果が出た。
08年度の公式戦は30日までに2323局あり、後手番の1167勝
1156敗(勝率5割2厘)。31日には1局しかなく、勝ち越しが確定した。
これまで後手番の勝率は68年度の4割9分5厘が最高、
04年度の4割6分4厘が最低だった。
羽生善治名人は「角道を止めないゴキゲン中飛車など、近年は後手番の
作戦の幅が広がった。棋士が序盤で工夫を重ねてきたことが勝率アップに
つながったのでは」と話している。【山村英樹】
☆ ☆ ☆
何のことか全然分からない人も多いと思いますが、
このニュースには少し感動しました。
私が医大の山岳部の部室で先輩と将棋を指していた十数年前、
時代はまさに『先手が絶対有利』でした。
“先手(せんて)”とは、将棋で、先に第一手目を指す方をいいます。
よく『先手必勝!』と言ったりしますが、
実際には“先手”の勝率はせいぜい5割1分程度でした。
それを5割4分(2004年度)にまで押し上げた立役者は、
他ならぬ羽生善治名人(写真)だと言われています。
その傾向が顕著だったのは1989年度でした。
この年、羽生さんが先手番を持った時の勝率は、なんと0.9355!
同じ年の、羽生さん後手番での勝率は0.6154でしたから、その差は歴然です。
(データはこちら⇒http://www.rayraw.com/index.php?type=top)
どんな戦法でも指しこなすオールラウンドプレイヤーな羽生さんですが、
彼が『先手番が得意』なのは間違いなさそうです。
☆ ☆ ☆
それが今年度(2008年度)、将棋界全体では『後手有利』であったとは…。
将棋の戦法・考え方が、この十年間、絶えず進歩していた証です。
それは一方で、羽生さんが一人勝ちできる時代ではなくなったことを
意味しているのかも知れません。
ところで記事の中に、『ゴキゲン中飛車』という、軽いノリの言葉が出てきます。
これは、後手の勝率アップに寄与している最新の戦法の名前なのです。
また最近、後手番では、『一手損角換わり』も人気がある戦法です。
ともに昔は“非常識”と言われた指し方でした。
かつての“非常識”が、今では“最新戦法”“常識”なのです。
これが進歩というものなのですね。
(昔の常識に囚われた私には、ちょっと指しこなせませんが…)
いずれにせよ、少し嬉しいニュースでしたので、紹介させて頂きました。
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