還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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滞米30年。
その間日本からの客も、かなりの数になる。
仕事の客から、友人、身内まで。
「どんな暮らしをしているか、見に来たよ。」
、という人も勿論いるが、まあ大体はニューヨーク見物。
お陰でエンパイアーステートビルにも3,4回登った。
今は無いワールドトレードセンターにも、数回上がった。
何故か「自由の女神」には未だ見参していないが、何時かは行くだろう。
大勢の男性軍とトップレスバーにも行き、怪しげな映画にもお供した。
土産物屋で値切らされた、貴重な経験もある。

まあ、東京だって見物客の多い街だから、そんなに異ることは無い。
だが、一つだけ此処ならではの苦労はある。
「よろしかったら、お手洗いに行かれませんか?」
全ての行動に先立って、必ずこう言う。
「いや、今は未だ大丈夫です。」
と言われても、
「なるべく行っておかれた方が…。」
しつこいくらい勧めることにしている。

ニューヨークは、驚くほどトイレの少ない街でもある。
例えば、高級デパート、サックス5thアベニュー。
お父さんがちょっとトイレ、と思ったら6階の紳士服売り場に行かねばならない。
それ以外には、男性トイレは無い。
38丁目の「ロードアンドテイラー」では、7階まで行かされる。
これも、紳士服、紳士用品売り場。
営業方針でもあるのか。
「メイシーズ」はもうちょっとましで、たしか2つ3つある。
いずれにせよ、危急の時に間に合う距離とは言い難い。
「転ばぬ先の杖」
こういう心構えが必要な所以。

デパートは、それでも最低一つはある。
普通の店で、
「トイレを借りたいんだけれど…。」
丁寧に頼んでも、
「We don’t have. (ありません)」
で、お終い。
まあ、千ドルくらい買い物してから頼めば、奥の従業員用のトイレに案内してくれるかも知れないが。

なぜ、かほど左様にトイレが少ないのか。
幾つか理由は考えられる。
先ず「安全」。
トイレは、犯罪の起こり易い場所だ。
後をつけて行って、トイレで強盗。
頻発と言うほどでないにしろ、結構ある。
女性客のバッグを、隣から釣り上げる手口は日本にもある。
昔は、「グレイハウンド(長距離バス)のターミナルのトイレは危険」
そう聞かされていた。
デパートは、店内の犯罪を極度に嫌う。
トイレが無いことで客が不便を感じることより、店での犯罪を報道されることの方が、業績に響く。
万が一殺人でもあったら、客足はがた減りする。

次に考えられるのは、売り場のスペース。
マンハッタンの一等地にあれば、売り場は広いほど良い。
トイレが無くては困るが、スペースは最小に留めたい。
まあこんなところではなかろうか。

そういう訳で、
「出来れば此処で行かれておいた方が…。」
よく飲み込めていない人たちを、トイレに急がせた憶えがある。
それでも、
「あのー、何処かにトイレは無いかしら?」
ホンの30分もたたないうちに、この台詞を聞かされること幾たびか。
「だから言ったじゃないですか。」
親しい人なら言える愚痴も、相手によっては飲み込まねばならぬ。
頭をぐるぐる巡らして、最寄のトイレを思い出す。
図書館、ターミナル駅、デパートがあれば良い。
無ければ、コーヒーショップで飲みたくもないコーヒーを飲む破目になる。

日本で感心するのは、トイレの多さ、である。
デパートは、だいたい各階にある。
その代わり、数は少ない。
だが、一つ階を降りれば又あるから、それ程困らない。
しかし、不思議なのは和式トイレの多さ。
3つあれば2つ。
2つなら1つは、和式である。

昨今の日本、ほとんどの家庭が洋風トイレだ。
昔は知らず、田舎の民宿だって、ちゃんと洋風ウオッシュレットだったりする。
なのに、東京のど真ん中のデパートで、和式トイレ。
一体誰のために?
私は、新宿のデパート(確か小田急)で、洋式を求めて7階から2階まで階段を下ったことがある。
無いのではない。
和式は、ちゃんと空いている。
だれも使っていない。
洋式は、全て塞がっている。

「じゃあ和式を使えば?」
そう言われそうだが、長年の異国暮しの悲しさ。
今や和式には、身体がついていかない。
生活は人間の身体を進化もさせ、退化もさせる。
車のハンドルの右左には、すぐ慣れるのだが。

南米時代。
友人の下宿を訪ねた。
下宿と言っても、畳20畳ほどの広い1部屋。
ただ、トイレは他の下宿人と共同。
「ちょっと、トイレを…。」
と言う私に、
「大? 小?」
質問の意味が分からず、目で問いかけると、
「いや、大ならこれを。」
彼が取り出して来たのは、何やら丸い物。
よく見ると、それはトイレに乗せる枠。
簡単に言えば便座。

一応それは遠慮してトイレに行くと、確かに便座が無い。
「あれはどういうこと?」
聞いてみれば、便座が持ち去られること幾度か。
結論として、各住人がそれぞれの便座を持ち各自で管理することに。
「マイ ベンザ ってことか?」
二人で大笑い。
考えて見れば、車を止めた後ウインドワイパーを外して持ち去るのが一般的なこの国。
何だって仕舞い込む風習なのだろう。
いや、世界は広い。


話は急転直下、ヤンキースのトーレ監督の続投が決まった。
「明日にもクビか?」
「後任はルー.ピネラか?」
散々騒いで、一夜開ければ一見落着。
もっとも、水面下では色々あった、らしい。

オーナーのスタインブレナーは、トーレを解雇したかった、ようだ。
なんせ、2000年以来ワールドシリーズに出たのが2回。
そのどちらも負けている。
一昨年は、チャンピオンシップシリーズで、ボストンに3連勝の後4連敗。
あとの3回は、プレーオフの最初で敗退。
普通のチームなら立派な成績だが、生憎これはヤンキース。
213ミリオン(255億円)の年俸を払っている。
次がボストンの120ミリオンだから、如何にそれが破天荒か分かるだろう。

面白いことに、ワールドシリーズで3連勝した2000年くらいまでは、年俸総額はそれ程でもない。
大金で大物選手を取り出してから、勝てなくなった。
勿論、好選手揃いだから、ペナントレースは勝つ。
だが、短期決戦に勝てなくなった。
とくにここ3年。
ジアンビ、松井、A−ロッド、ジョンソン、デーモン。
片っ端から獲得。
よく言えば、綺羅星のごとき顔ぶれ。
悪く言えば、お山の大将の集まり。
まとめる監督も並みの人間では務まらない。

ジョー.トーレは、選手としても成功者である。
セントルイス.カージナルスの捕手として、首位打者。
MVPにも選ばれている。
ただ、監督としてはなかなか花が咲かない。
カージナルス、ブレーブス、メッツ。
どれも大した成績は上げていない。
「素晴らしい人間、良い仲間、でもそれだけ。」
そういう評価が定着しかけていた。

1996年、ヤンキースから声がかかる。
前任者バック.ショウオルターが、オーナーのスタインブレナーと衝突、辞任。
後任トーレに肯定的な人は、あまりいなかった。
だがその年、ヤンキースはワールドシリーズを制覇。
ジーターは新人王、バーニー.ウイリアムスは中軸打者。
マリアノ.リベラはセットアッパー、ポサダは控えの捕手。
そして彼らは、98年に花開く。
怒涛の3連覇。

「ヤンキースが雇った時、トーレは只の失業者だった。」
こう言ったのは、スタインブレナー。
よくも言ったり、だがこれはある程度当たっている。
だがそれからは、彼の本領が発揮された時代。
ジーターが、ポサダが、バーニーが彼の周囲に集まってくる。
その選手たちが、トーレを一層大きくする。
スタインブレナーは、一層いらいらする。
自分の言うことに忠実な監督が、オーナーの求める姿。
トーレは、そこからどんどん離れて行く。

「金は出すが、口も出す」
スタインブレナーは、そういうオーナーだ。
大物になったトーレの存在は、面白くない。
オーナーの周囲にいる「ベースボールピープル」。
フロリダ州タンパが本拠地。
そのピープルがトーレの敵だ。
幾度と無くぶつかっている。

昨年、トーレはオーナーに要求を突きつけた。
「グラウンドのことに、余計な口を挟まないで欲しい。」
普通ならこれでクビだが、今のトーレは大物だ。
オーナーはこれを飲んだ。
勿論条件付き。
「ワールドシリーズ優勝」の担保。

で、結果はプレーオフ緒戦敗退。
普通なら、トーレは辞任。
でもそうはならなかった。
何故か?

一つは、彼の契約の残り1年、7ミリオン。
次は、誰が来ても、ワールドシリーズに勝つ確約は出来ないこと。
更には、スター軍団を統率できる人材の少なさ。
そして最後、これが一番大きい要素だが。
スタインブレナーも老いた、ということ。
麒麟も老いては、という言葉もある。

来年のヤンキースに期待、できるかな。


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