還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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30年ぶりの…

とうとう…。
「死ぬまでこれは使わない」
堅く信じていた「もの」を使うことになった。
30年ぶり、いやそれ以上の年月かも知れない。
触ることすら、無かった。
気にしたことも、無い。
生涯無縁、と思っていた。

この1,2年、肌に異変を感じていた。
髭を剃ったあとが、赤くなる。
ローションをつけると、ひりひりと痛む。
2,3日かみそりを使わないと、良くなる。
その代わり、無精髭は伸び放題。
そんなに髭が濃い方ではないが、やはり見苦しい。
止む無く、かみそりをあてる。
その夕方には、てきめんに痒みがやって来る。
その部分が、ぽっと赤くなる。

剃ったり剃らなかったり、1年くらいが経過。
とうとう意を決して、「電気かみそり」を購入することにした。
日本に住んでいた頃、使った記憶がある。
メーカーなど、勿論覚えていない。
幾らで買ったか、さっぱり忘れている。
だが、あの頃から30年以上経っている。
性能も格段に良くなっているだろう。
考えていると、だんだん楽しみになって来るから不思議。

買うと決めたが、何処で買えば良いのか分からない。
第一、何と呼ぶのだろう。
「Electric shaver (エレクトリックシェイバー)」
で良いのだろうか。
電気製品の店だろうか、化粧品の店か。
価格は、どの位するのだろう。
余り高かったら、痒みを堪えて今のカミソリを使おう。

それは、呆気なく見つかった。
フラッシングにある、中国人経営の電気製品店。
だが、置いてあるのは2種類だけ。
50ドル少々と30ドル。
「何処が違うの?」
この質問は、お粗末だったかも知れない。
店員は、如何に50ドルの方が優れているか、とうとうとまくし立てる。
まるで、30ドルの方は欠陥品のようにさえ聞こえる。
だが、そうなると意地でも50ドルの方は買いたくない。

「OK, I take this. (これを貰うよ)」
私は、Schick 社製の安い方を買った。
「Oh, it is a good choice. (いやぁ、それも良い物ですよ。)」
店員は、掌を返すように30ドルを誉める。
コミッションはちょっと低くても、とにかく商談成立。
かくして、30年ぶりの「電気かみそり」を手にした。

帰宅して、早速バッテリーに充電。
新しいおもちゃを貰った子供の心境だろう。
頃は良し、とスイッチオン。
「痛っ…。」
いきなり、延びた髭が引っ張られる痛み。
どうも2,3日伸ばした髭は、長過ぎるらしい。
慎重に、もみ上げから再スタート。
「あ、痛っ。」
ここでも、上手く行かない。

一休みして、考えた。
一体何処が悪いのか。
1日伸びた分程度なら、大丈夫なのかも知れない。
もっと高価な機種なら、問題無いのかも知れない。
それにしても…。
いくら安物とは言え、天下のSchickが製造している。
それが、この程度。
ブラウン社なら大丈夫か。
フィリップ社のなら、痛くないか。

私はこの問題の根本は、使用する側にあると見た。
つまり男の道具、という点。
一度買えば、数年は新しい機種には手を出さない。
新型、新デザインには興味を示さない。
さらには、普通のカミソリを使用する人も多い。
市場は、余りにも限られている。
つまり、改造や新デザインに多くを投資出来ない。

「電気カミソリを買い換えたいんだけど…。」
「あら、まだ充分使えるじゃない。もうちょっと我慢してね。」
こういう会話は、珍しくないだろう。
男は、言い合いを好まない。
切れ味の落ちた電気カミソリを使っている夫の数は、決して少なくはない。
が、流行遅れの化粧道具を使い続ける妻は、非常に少ない。

以前、こういう話を聞いたことがある。
「年寄り用の品は、高級品は売れません。」
「男物も、高級品はなかなか売れません。」
「その代わり、子供用と女性用は高いほうが売れます。」

確かに…。
男性用の衣料品は、十年一日の如く同じデザインが並んでいる。
スーツは、2つ釦か3つ釦か。
ズボンの裾がストレートか、折り返し付きか。
あとは大して変り映えもしない。
唯一彩りを添えるネクタイ。
これも、細くなったり太くなったり。
その繰り返し。
つまり、基本的に流行は無い、と言える。

女性の場合は、こうは行かない。
流行は繰り返しているようで、少し異なっている。
「以前買った物と、同じじゃないか。」
なんて言おうものなら、大騒ぎだ。
何処が違い、何故前のものは着られないか。
延々その解説をされる。
で、結局は買う。
それを知っているから、男は黙っている。
「沈黙は金」
なのである。

で、電気カミソリだが…。
今でも使っている。
少し手馴れて来て、それほど痛い思いはしなくなった。
一応は、綺麗に剃りあがる。
とは言え、カミソリで剃った時のようには行かない。
ローションを手の平に垂らし、剃りあとにすり込んでみる。
あのビシッと突き刺さる、快感は無い。
一口で言えば、髭剃りの醍醐味は皆無。

だから私は、今でもカミソリを使う。
常に、とは行かないから、ジムへ行った時だけ。
ジャクージィで、充分毛穴を開く。
そこに泡立てた石鹸を塗りたくる。
おもむろに、カミソリで上から下へ剃り下げる。
次に、下から上へ所謂「逆剃り」をする。
髭が、毛穴から切り取られて行くのが分かる。
そり終わったら、顔を洗う。
そして、ローションを手の平一杯に取る。
ジムのローションだから、思い切り取る。
それが手の平から流れ落ちるのも構わず、顔に叩きつける。
「ジーン…」
鋭い痛みとローションの香り。
良くぞ男に生まれけり。

で、翌日赤くなった頬に、痒み止めを塗りこむ。
これで、また当分は電気カミソリのご厄介になる訳、だ。

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安物はいけません。次回帰国時にぜひNationalの新機種試してください。ぜんぜん違いますよby素なふきん(彼は1万円前後のを使ってます。シェーバーに関してはビバ日本製らしいです)

2007/3/11(日) 午前 2:13 [ ふわり ]

顔アイコン

そう仰いますが、「安物」が幾らなのかも分からなかったんですよ。30年前の記憶をベースに考えて、$30なら悪くないと思ったんですけどね。次回は日本製にしましょう。

2007/3/13(火) 午前 3:08 [ Masterswimmer ]


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