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「The biz that ate Detroit」
今朝のデイリーニュース3面の大見出し。
「デトロイトを食った企業」
とでも訳せば良いか。
この「デトロイト」はGM、ゼネラルモータース、を指している。
「The Biz」
これは、トヨタ。
つまり、「トヨタがGMを食っちゃった」
ゴジラがGMのスポーツカーを咥え、両手にハマーとキャディラックを握っている合成写真。
この日が来ることは、早くから予測されていた。
毎年赤字を垂れ流すGMと、巨額の黒字を堆積していくトヨタ。
アメリカ人の感情に訴えるコマーシャルを打ち出したGM。
それも及ばなかった。
76年間守って来た、「世界一の自動車メーカー」の地位から滑り落ちた日でもある。
「おもちゃのような小型自動車」からスタートしたトヨタが、世界のトップに立つ。
まあ喜ぶべきことなのかも知れない。
「これを成功とは、まだ呼べない」
トヨタの社長の談話も載っている。
「最終的な数字が出るまで、分からない」
ある意味、慎重に選んだ言葉だろう。
「トヨタにとって、ナンバーワンになったことは良いニュースであり、悪いニュースでもある」
そう言う人もいる。
「それは、この業界で目標になることを意味している」
GMは今、売上トップの奪回を目指してはいない。
それよりももっと大きな当面の課題があるのだ。
それは、利益率の向上。
年々垂れ流してきた巨大な赤字を、如何にしてプラスに転換するか。
2、400億円。
これが昨年1年の赤字だ。
対するトヨタの黒字は、その約6倍。
1兆4千億円。
些か気が遠くなるような大差である。
「だが、首位をトヨタに奪われたことの意味は、決して小さくない」
ビッグ3と呼ばれる3社で堅持して来た、「アメリカ イズ ナンバーワン」の象徴。
それが60年前の敗戦国に、奪われた。
国民感情は、どう動くか。
「乗るなら、日本車よ」
と澄ましていたアメリカ人。
日本車を捨てて、アメ車に戻るか。
「とんでもない」
あるアメリカ人は、あっさりこう言う。
「アメリカ人は、良いものを択ぶ」
その国籍は無関係。
もっとも、アメリカで売られているトヨタ車は殆どこちらで作られている。
こちらで人を雇い、こちらの法人として税金を納めている。
半分以上、アメリカの会社だ。
逆に言えば、他国の会社を飲み込んでアメリカは大きくなって来た。
ソニー、パナソニック、キャノン、ニコン、シャープ。
皆、本籍日本、現住所アメリカ(若しくはイギリス、フランス Etc)。
イチロー、松井、松坂…。
これも、本籍日本、現住所アメリカのスポーツ選手。
スシ、スキヤキ、テンプラ…。
これは言うまでもない。
国籍、肌の色、言語、習慣、宗教。
何でも受け入れる国、アメリカ。
人は、トヨタとGMの角逐をそんなに大きな問題と考えていないのかも知れない。
いや、そもそもトヨタの国籍を知っている人の方が少ないとも考えられる。
オランダのシェル石油やフィリップス電機、スイスのネスレ、ドイツのバイエルン薬品やシーメンス。
フランスのダノンヨーグルトだって、出自を知るアメリカ人はごく僅か。
要するに、品質が良くて価格が妥当であれば、何処のものでも構わない。
これが、アメリカ流。
頑固なアメリカ主義の一部の人たちを除けば。
トヨタ、ホンダに蒼い眼の社長が来る日もそう遠くない、かも知れない。
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