還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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信長は、謡曲「敦盛」を舞う。
舞い終わると、
「湯漬けを持て」
湯漬けを食い終わると、
「具足を持て」
甲冑をつけ具足を整えると、
「者共続け、目指すは桶狭間なるぞ」
こう叫んで、単騎敵を目指して馬を駆り立てた、そうだ。

真偽は別として、有名なシーン。
僅かの軍勢で、桶狭間に陣する今川義元を打ち破る。
小説に、映画に、テレビドラマに、数え切れないほど登場する場面だ。

私も中学生の頃、この場面を読んで興奮した憶えがある。
が、大人になると筋立てに疑問を覚えはじめる。
そんなに上手く行くもんじゃぁないだろう。
後世の講釈師の創作ではないのか。
で、次第に懐疑的になり、いつしか忘れてしまう。

忘れないのは、「湯漬け」である。
謡曲を舞うことも無く、勿論合戦に赴くこともない。
だが、「湯漬け」は好物だ。
信長は、何を菜にして湯漬けをかっこんだのか。
まさか、飯と湯だけではあるまい。
味噌漬のきれっぱしでも添えたか。
沢庵かも知れない。
つまらないことだが、興味はある。

「湯漬け」は、今では一般的ではない。
「茶漬け」に取って代わられている。
だが、本質はそんなに変っていないだろう。
冷や飯に白湯か茶をかけ、僅かな菜で飯を流し込む。
貧乏くさいといえば、実に貧乏くさい。
だが、人気は高い。
デパートやスーパーの食料品コーナーへ行けば分かる。
数十種類の「お茶漬けのもと」が陳列されている。
そしてよく売れている、らしい。

私は、頻繁に茶漬けを食べる。
朝昼晩を問わない。
酒の後も、茶漬けをかきこむことはしばしば。
「身体に良くない」
というのが通説らしいが、なんのその。

私にとって一番の茶漬けのタネは、鯛である。
「そんな贅沢な…」
と思われるかも知れないが、これは幼い日の味でもある。
福岡市の西郊、姪の浜。
我が家は、この海辺に近かった。
休日、父は散歩がてら浜辺を歩く。
漁から帰った舟が、獲物を陸揚げ中。
中から、手ごろな鯛を1尾譲ってもらう。
それは、その夜の家族の夕餉に上る。

擂り鉢で、胡麻を多めに擂り下ろす。
そこに醤油を注ぎ入れ、さらに擂る。
その胡麻醤油に、鯛の刺身を漬けておく。
ややあって後、その鯛の切り身を炊きたての飯に埋め込む。
熱い番茶を注ぎ、茶碗の上に皿をかぶせる。
言わば、蓋代わり。
待つこと3,4分。
蓋代わりの皿を取ると、一瞬胡麻の香りが立ち上る。
後は、一気にかき込むだけ。

やがて一家は、父の転勤と共に東京へ。
それは、「鯛茶漬け」とのお別れでもあった。
東京では、鯛は超高級品。
「鯛茶漬けが食べたい」
せがむ子供たちに、母は辛かっただろう、と思う。
食べられない子供たちも辛かった、とも言える。
まあ、それにはすぐ慣れてしまったが。

食べ盛りの頃も、茶漬けはついてまわる。
水泳の練習の後は、とにかく空腹。
帰宅して、晩飯が待ち切れない。
冷や飯を丼によそって茶をかけ、漬物でかき込む。
これで、晩飯までの一時を凌ぐ。

北大路魯山人と言えば、陶芸、書、篆刻、絵画、可ならざるもの無し、という天才。
その彼は美食家としても著名だが、「魯山人味道」という本を出している。
その中に、「十大茶漬け」と言う項があった。
茶漬け好きとしては、見逃せない。
「まぐろ茶漬け」「海苔茶漬け」「はも茶請け」「天麩羅茶漬け」などの中に、
「納豆茶漬け」なるものが、目に止まった。
「納豆をとことんかき回して粘りを出し、少量の辛子と醤油を足す」
ここら辺までは、普通の納豆の食べ方と変りがない。
「茶碗の縁から熱い煎茶を注ぎ、突き崩しながら食す」

早速試してみた。
粘りッ気が口に纏わりついて、あまり心地よくない。
流し込むには、納豆の粒が気になる。
お茶と納豆が、一体にならない。
食べ終わって、釈然としない。
言ってしまえば、それほど旨いものではないように思う。
米や納豆、醤油や辛子、お茶まで気を配れば違うのかもしれないが。

私は、色々な茶漬けを試みている。
漬物はどれでも合うが、「キムチ」は駄目。
魚の干物もいけるが、「くさや」はいけない。
食べる前に、匂いに負ける。
冷えた魚の煮付けは、案外旨い。
だが、あまり大型の魚は向かない。
脂っこいのも、お薦めできない。
つまり匂いの強いものや脂ッ気の強いものは、お茶漬けには不向きなようだ。
ところが、「うなぎ茶漬け」は人気というから、分からない。

私は、冷たい麦茶の茶漬けも好きだ。
夏の暑い日、食欲の無い時などに好適。
ただ、冷蔵庫にあった飯は頂けない。
炊いた飯をそのまま冷ましたものが好ましい。
冷蔵庫の飯しか無い場合は、軽く電子レンジで暖める。
そこへ、冷やした麦茶をなみなみと注ぐ。
菜は、少量の味噌漬や佃煮が良い。
細かく刻んだザーツァイも合う。
この場合は、ウーロン茶でも悪くない。

湯漬けの歴史は、かなり古いようだ。
「源氏物語「にも登場するし、「今昔物語」にはダイエット食品として紹介されている。
「水飯」と呼ばれ、飯に冷たい井戸の水をかけただけのものらしい。
それでも、「お茶漬けなんて」と眉をひそめられるようなものではない、ことは分かった。
「お茶漬けの味」という、小津安二郎の名画もある。

「茶漬け」と一口に言うが、実は2つに分かれる。
飯の茶をかけて、菜は横に添えるタイプ。
飯の上に菜を置き、その上から茶をかけるタイプ。
現在は後者が主流だが、こ洒落たお店などでは、飯と菜を別に出すこともあるようだ。
まあ、その方がスッキリと見えるかも知れない。

「とんかつ茶漬け」なるものを、耳にした。
「民芸茶房すずや」という店が元祖だとか。
新宿駅東口から、歌舞伎町へ渡る角にある。
名前の通りお茶やコーヒーが主の店だったが、時代とともに寂れていた。
それが、「とんかつ茶漬け」で一躍息を吹き返した、そうだ。
が、この「とんかつ茶漬け」、まだ所謂名代のとんかつやでは出していないらしい。
専門店の意地もあるのだろう。

歴史もあり、万人に愛されている「茶漬け」だが、存在を大きくしたのは江戸期だと言う。
忙しい大店では、奉公人の食事時間さえ惜しい。
そこで取り込まれたのが、「茶漬け」。
これなら一気に流し込めるし、お菜も少なくて済む。
飯に香の物。
時間は10分足らず。
食事というより、「餌」。
ろくすっぽ味もしなかっただろう。

と言っても、あんまりゆっくり時間をかけて食うのも考え物。
だいいち飯ががふやけてしまう。
「よく噛んで食べるんですよ」
子供の頃の、母の言いつけを守っていては、茶漬けが旨くない。
多少の親不孝は覚悟で、さらさらとかき込む。
この微かな自責の思いが、お茶漬けの味をさらに引き立てているのかも知れない。


ブログを暫くさぼっているうちに、ヤンキースは首位に1.5ゲーム差に迫って来た。
仮に東部地区の優勝を逃しても、ワイルドカードは間違いないから、プレーオフは堅い。
しかし、ここまで来たら地区優勝で華を添えて欲しい。
そうなれば、1978年の再現。
162試合を終えて、100勝62敗のタイ。
決定の1試合をボストンで戦った。
ヤンキースの投手は、ロン.ギドリー。
今の投手コーチだ。
その年、24勝3敗、防御率1.73。
ほとんど負け知らず、という観があった。

対するボストンは、マイク.トーレス。
前年は、ヤンキースで投げていた。

レッドソックスがギドリーから2点を奪ってリード。
ヤンキースは、トーレスを打ちあぐねて無得点。
7回の表。
走者を2人置いて、バッターはバッキー.デント。
テレビを見ていた私は、
「ピンチヒッターを出せ!」
思わず知らず、叫んでいた。
それくらい、デントは打てない。

そのデントがトーレスから打った一打は、高く舞い上がった。
レフトへ。
あの有名な「グリーンモンスター」をかすかに越えた。
この一打でバッキー.デントは、歴史になった。
ボストンファンが、決して口にしない名前だ。
逆に、彼らをからかう時には最高の材料になる。
「Bの呪い」とも言われる。

Babe Ruth (ベーブ.ルース)
 1920年、ボストンは好投手だったルースを金銭トレードでヤンキースへ。
 その後のルースの活躍は、あまりにも有名。
Backy Dent (バッキー.デント)
Bill Buckner (ビル.バックナー)
 好守強打のレッドソックスの1塁手。1986年のワールドシリーズで、あと1死で優勝という場面で、平凡
 なゴロをトンネル。 瀬戸際のメッツはこれで息を吹き返し、優勝。 
Arron Boone (アーロン.ブーン)
 2003年ヤンキースの3塁手。 レッドソックスとのリーグ優勝決定戦で、劇的なサヨナラホームランを打つ。
 翌年、禁止されていたバスケットボールで負傷。契約を解除され、アレックス.ロドリゲスのヤンキース入りを
 もたらした。

1978年、ヤンキースは14ゲーム差をひっくり返した。
今年のゲーム差は、最大で14.5。
まさに、1978年の再現、かも知れない。

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2007/9/22(土) 午前 4:59 [ コロ助 ]


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