還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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ニューヨークジャイアンツの「スーパーボウル」での快勝は、近年の慶事。
などといっているうちに、大統領予備選挙が煮詰まってきた。
ただ、その煮詰まり方が、予想とは大きくずれている。
半年前、大方の予想はこうだった。

民主党
「ヒラリー.クリントンが先ずリードするだろう。 黒人候補のバラック.オバマは、途中で息切れして
 脱落。 クリントンもしかし独走は難しい。 ジョン.エドワーズが善戦するだろう。」
共和党
「前ニューヨーク市長のルドルフ.ジュリアーニが本命。 俳優で元上院議員のフレッド.トンプソン
 が人気を集めて対抗馬になるか。 アリゾナ州上院議員のジョン.マッケインは、資金力と年齢
 (71歳)に問題あり。途中で脱落の公算大。」

で、今はこうだ。
民主党
「ジョン。エドワーズは前線離脱。ヒラリーとオバマの一騎打ちになって来た。オバマがかつての
 ジョン。ケネディのような旋風を起こしている。レースは最後までもつれそうだ。」
共和党
「ジュリアーニは、正念場と思われていたフロリダで惨敗し、脱落。 それより前にトンプソン
 は棄権。勢いを快復したマッケインが先頭を走り、実業家上がりのロムニー前マサチューセッツ
 州知事と、牧師で前アーカンソー州知事のハッカビーが追随している。」

選挙の予想は難しいと言われるが、この状況をぴたりと予想しえた人はいなのではないか。
私などは、
「あれよあれよ」
と事の成り行きにただ呆然としている。
最大の番狂わせは二つ。
先ず、ジュリアーニの脱落だ。

2001年の「9。11同時多発テロ」の時のニューヨーク市長。
冷静沈着な陣頭指揮で、タイムの「その年の顔」に選ばれ、「Ameica’s Mayor (アメリカを代表する市長)」とも称された。
早くから次期大統領に擬せられ、本人も自信たっぷりだった(と思う)。
作戦として、あまり人気の無い予備選挙の最初の2州、アイオワとニューハンプシャーを捨てて、人気の高い
フロリダで一気に盛り上げて行く予定だったらしい。
だが、そのフロリダの予備選挙以前に、風向きが変わってしまっていた。
「対テロ」が彼の売り物だったが、サブプライム問題から大統領選挙の焦点は経済にシフト。
さらには、2番目の妻との離婚時のスキャンダルまで引っ張り出された。
現在の妻、ジュディスとの交際が「不倫」ではなかったか、というもの。

さらに、彼の先妻との間の2人の子供が、父親の選挙の応援をしていないこと。
そして、彼の腹心と言われた元ニューヨーク市警察のケラック長官の数々の金銭スキャンダル。
全てこの予備選挙前から問題視されていたことばかり。
だが、ジュリアーニはそのどれも大きな問題ではない、と軽視していたふしがある。
そういう火種を抱えてもなお、勝てると読んでいたようだ。
だが、形勢不利と見た彼の行動は素早かった。
あっさり撤退を宣言し、同時にマッケイン支持にまわった。

この素早い離脱も、些か奇妙に見えた。
本命と言われた候補が、まともに戦わず敗北宣言。
もっとも政治評論家の間では、それほど奇異には映らなかったようだ。
「ジュリアーニは、自分への逆風をいち早く感じ取っていた。だから彼は、如何に傷つかずに撤退するか、
を考えていたようだ。候補者同士の醜い戦いに巻き込まれず、離脱後の余力を残すことを念頭に
行動したのだろう。」
あっさりと撤退しマッケインを支持することで、ジュリアーニは共和党内での力を温存した、ということらしい。
確かに、あのままでニューヨークの予備選挙で惨敗したならば、彼の評価は地に落ちていたかも知れない。

番狂わせ、その2.
バラック。オバマの大健闘。
「泡沫」とまでは言わないまでも、
「黒人大統領には、未だ30年はかかる」
そう言われていたし、誰もがそう考えていたはずだ。
それが、今ではヒラリーと5分に渡り合っている。
エドワード。ケネディやジョン。ケネディの遺児キャロラインの支持も取り付けた。
最早堂々たる大統領候補の貫禄。

ヒラリーも初めは軽くあしらう風だった。
しかし、アイオワをオバマが取ったことで、真剣勝負に変わった。
「経験より、変革を」
このオバマのキャッチフレーズは、効いている。
ホワイトハウスに8年住んだヒラリーの誇示する、経験の豊かさ。
それをばっさり切り捨てている。
このレース、どこで決着がつくのか。
恐らく最終ラウンドまでもつれ込むだろう。

正直に言えば、私はオバマ大統領は歓迎しない。
別に人種差別を容認しているのではない。
ただ、時期尚早と思っている。
黒人社会は、残念ながらそこまで成熟していない。
「黒人であるが故に、大統領に選ぶ」
このスタンスがある限り、大人とは言い難い。

オバマの支持者には、白人もいる。
とくに若者が多い。
「何か新しい波を感じて、それに乗っている」
全部ではないが、そういう姿勢が感じられる。
「Momentum (弾み、勢い)」
という言葉がアメリカ人は好きだが、これはまさにそれだ。
「ヒラリーはもう分かった。未知のオバマに賭けたい」
そういう感覚が潜んでいるような気がする。

1990年、ニューヨークは初の黒人市長を選んだ。
デイヴィッド.ディンキンス。
選挙で負けたのは、ルドルフ.ジュリアーニ。
「人種間の融和」
これが彼のスローガンであり、選挙民もそれを信じた。
が、事態は決してそうはならない。
黒人街での暴動と、それを強く取り締まれない市警察。
街に氾濫する、車の窓拭きや物乞い。
結局、ディンキンスの市政は1期、4年で終わる。
次の選挙で市民が選んだのは、ジュリアーニ。
それ以来、共和党の市長が続いている。

オバマは、黒人ではあるが、黒人ではない。
彼の父はケニア人。
母は、スエーデン系アメリカ人。
つまり半分は、白人である。
そして生まれたのは、ハワイ。
2歳の時、両親が別居。
彼は、6歳で母の新しい夫の故郷インドネシアに移住する。
さらに10歳でハワイへ帰り、母の両親、つまり白人の祖父母に育てられる。
つまり彼は、アメリカの中流白人家庭で成長の過程を経験していることになる。

それ以降、ロスアンゼルスの大学、さらにニューヨークのコロンビア大学。
何処にも、所謂黒人家庭の匂いは無い。
もっと端的に言えば、ただ肌だけが黒い少年が、白人社会で育てられたということになる。
それが、多くの黒人の支持を受けて大統領を目指している。

オバマは、黒人社会を知悉している訳ではない。
黒人特有の言葉遣いもしないし、少年時代に法すれすれの悪戯をした経験も無い。
だから、その部分は彼の妻、ミッシェル.オバマが補っている。
彼女は、シカゴの黒人地域の育ち。
プリンストンからハーバートで学んだ優等生ではあるが、れっきとした黒人ということになる。
だから今や、彼女が前面に出て来るケースも多い。

単に皮膚が黒いという理由で、黒人層の支持を受ける。
目新しさを「変革」と捉える若者の、広汎な後押し。
つまり、オバマの人気にはそれほどの実態が見えない。
加えて、3年足らずの上院議員歴。
周囲にも有力なブレーンは少ない。
「イラクから即時撤退」
スローガンは良いが、その後の収拾策は不明。

では、私はヒラリー大統領を望むのか。
それはそれで、悩ましいものがある。
ヒラリーが選ばれた時、アメリカは彼女の夫、ビル.クリントンの復帰を望んだことになる。
「ヒラリーはヒラリー、ビルはビルよ」
そう言う人もいない訳ではないが、そう簡単ではない。
ビルが大統領の時、彼はヒラリーに幾つかの仕事を与えた。
社会保険、女性の権利。
まあ、大統領夫人としては大きな仕事だったが、それほど突出したものではなかった。

が、ビルがホワイトハウスに戻れば、彼の仕事は多い。
外交、国防、経済。
どれをとっても、ヒラリーより経験を積んでいる。
「ヒル、僕は口を出さないから、自分でやってごらん」
そんな、ホームドラマのような展開にはならないだろう。
口角泡を飛ばす議論が白熱する。
傍でおろおろする、副大統領と国務長官。
彼らが最終的にどちらにお伺いを立てるか、興味深い。
興味深いが、それでは困る。
だから、ヒラリー大統領は、私にはあまり好もしくない。

「だったら、マッケインしかいないじゃないか」
消去法で行けば、そうなる。
ベトナムで5年半の捕虜生活。
それに耐え抜いた、強靭な精神力。
無駄を省いた率直な語り口。
波乱にとんだ人生も、なかなか魅力的ではある。

が、彼にもウイークポイントは多い。
先ず、祖父、父と代々の海軍軍人一家。
海軍士官学校時代から知られる、気短かさ。
2004年の大統領選挙では、民主党のジョン.ケリーから副大統領候補を打診されている。
断りはしたが、思想的には民主党寄りの部分も見え隠れする。
さらには、既に71歳という年齢。
もし2期勤めれば79歳の大統領。
高齢と言われたレーガンよりも1歳上。
軍人時代に受けた数多の負傷を考えると、健康問題が浮上して来る。

民主党のオバマ、ヒラリー。
共和党のマッケイン。
どの候補を見ても、
「これで決まり!」
そういう雰囲気は無い。
まだまだ幾度かの曲折があるだろう。

まあ、私には選挙権が無いから、高見の見物ということなのだが。


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