還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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私は、料理が嫌いではない。
と言うより、どちらかと言えば「好き」の方に分類されると思う。
だが、嗜好がかなり偏っている。
米飯好きで、魚好き、そして酒好き。
どうしても、和食の方に傾いて行く。
それも、あまり手がかからないもの。
料亭よりは居酒屋の「品書き」にありそうなものが多い。
最近は「切干し大根」や「干筍の炒め煮」、「ほうれん草の胡麻和え」などを拵えた。
「なんだ、本当に簡単なものばっかり」
そう言われても仕方がない。

昔は、もう少し手の込んだものも作っていた。
「卵豆腐」「茶碗蒸」「白和え」「南蛮漬け」「ぶり大根」「鴨せいろ蕎麦」…。
それも、「出汁」をとるところから始める。
上手く出来れば良いが、失敗した時は悲惨だ。
「すのたった茶碗蒸し」「辛すぎるぶり大根」「びしょびしょの白和え」
捨てるわけにもいかず、独り黙々と食べる。
だが、上手く出来れば半分はさらわれる。
「ふーん、結構美味しいじゃない」
お言葉を賜る。

洋風ものにチャレンジしたこともある。
「タンシチュー」「オックステールシチュー」「ビーフシチュー」
「シチュー」ばっかりだが、一頃凝っていたのだ。
だが、この手のものは量を多く作り過ぎて、最後はいやいや食べることになる。
それに気づいて、遠ざかった。
「ドリア」や「グラタン」はオーブンを使うので暑くてたまらず、一度で止めた。
そもそも西洋料理は、カロリーの高いものが多い。
そのことも、頭にあったことは確かだ。

中華関係は、あまり食指が動かない。
それに、中華には熱量の大きいガスレンジが必要だ。
一般アパートのガスでは、とても料理出来ない。
「野菜炒め」くらいは作るが、水っぽいのは避けられない。
だから、精々「チャーハン」程度になる。
この「チャーハン」だが、私の作り方はこうだ。

1.先ず、葱を微塵に切る。
2.次いで、卵を割って容器にとる。
3.具材(海老、ハムなど)を食べ易いサイズに切っておく。
4.中華なべを熱し、ごま油を鍋肌から入れ満遍なくまわす。
5.微塵切りの葱を投入、色が変わり始めるまで炒める。
6.具材も入れ、しっかり炒める。
7.飯を入れて、なるべくバラケるように炒める。
8.塩、胡椒で味をつける。
9.卵を箸でかき混ぜながら、上にかけまわす。
10.卵が行きわたるように、鍋を揺すりながら炒める。
11.最後に醤油を少量ふりかけ、火を止める。

この手順なのだが、必ず異論が出る。
「卵は最初に鍋に入れてかき混ぜてそれから飯を入れる、筈よ」
どうも10人中9人までが、そう信じているようだ。
テレビなどでたまたま「チャーハン」を作るのを見ていると、なるほど卵を先に鍋でかき混ぜている。
料理の本などにも、そう書いてあるらしい。
有名シェフがそのように作り、本にも書かれていれば、信ずるのは当然だ。

「邱 永漢」という作家がいる。
「金儲けの神様」とも言われ、専ら金融投資の指南役で有名だ。
彼は中華料理にも造詣が深く、幾冊かの「食」の本を著している。
「食は広州にあり」は、その中でももっとも有名な1冊として、出版以来40年、未だに書店に並んでいる。
その中で、彼は「炒飯の造り方」に言及している。
その作り方を、私が踏襲しているという訳だ。
「卵は、飯を包むように絡まりつくのが最上」と、この本にはある。
となれば、先に炒めてはならない。

ところが、調べてみるともう少し違う調理法もあるようだ。
「ご飯と卵を先に混ぜ、それを鍋に投入する」、というもの。
言わば、「卵かけご飯」を炒めるようなやり方。
これなら、飯粒と卵は間違いなく絡まりあう。
充分考慮に値する、と思う。
更にもう一つのアイデア、というか、これがひょっとすると本命のような方法も現れた。
「熱した鍋に油をまわし、そこに溶き卵を入れ、かき混ぜながら飯を投入する」
これも、米粒に飯が絡みつくだろうと、想像に難くない。

これで、4つの「炒飯における卵の投入時期」が出揃った。
1.最初に卵をかき混ぜ別の皿に取り、改めて飯を炒め、最後にもう一度卵を合わせる。
  (これは、本来の「チャーハン」とは異なる)
2.先ず熱した鍋に卵を入れ、すかさず飯を投入し混ぜつつ炒める。
3.先ず飯を炒め、完成の一歩手前で溶き卵をかけまわす。
4.飯と溶き卵を冷たいうちに絡ませ、その状態で熱した鍋に投入する。

一般家庭の主婦は、1)の方法が多いらしい。
そして、中華料理店では2)が主であり、稀に3)もある。
4)は、あまり一般的ではなく、一部の人に信奉されていると言う。

どれが正しいか、判断するほど「チャーハン」を数作って来たわけではない。
数を食べて来たわけでもない。
店で「チャーハン」を食べたことなんか、この数十年ない。
稀にコースで中華料理を食べると、最後に「チャーハン」が登場する。
だがその頃は、もう腹は一杯で、食べたり食べなかったり。
だから、私は「正しいチャーハン」を云々する資格もない。

唯一つだけ言えることがある。
それは、家庭の「チャーハン」と料理店の「炒飯」の違い。
いや、技術を比べるのではない。
使う飯の問題。
家庭で「チャーハン」に使う飯は、ほとんど「冷や飯」。
そのまま熱した鍋に入れれば、ごろごろとカタマリが幾つも出来る。
もし、溶き卵を流し込んだ鍋にすかさずこの「冷や飯」を投入したら、どうなるか。
溶き卵の絡まった飯の塊が、鍋の中に幾つも転がっていることになる。
それを杓文字で潰していくのは、あまり利口な方法とは思われない。
やはり先ず鍋に「冷や飯」を入れ、バラケさせながら炒めるのが正しい、と思う。
テレビで一流シェフが使用するのは、未だ暖かい飯だ。
あれなら、すぐにほぐれる。
だが、普通の家庭で暖かい飯で「チャーハン」を作ることは、滅多にないだろう。
そういう事情に合わせた料理法でなければならない。

そう考えて来ると、方法は二つしかない。
2)か4)か。
2)は私が長年やって来て、それなりに正しいと考えている。
4)は未だ一度も試したことはない。
「冷や飯に溶き卵を混ぜておく」という前段階は、どうなのだろう。
炊き立ての飯なら、溶き卵は上手く絡まる。
それが「冷たい飯」の場合、どうなるか。
あまり、試したいとは思わない。
かくして、家庭で「チャーハン」を作る場合は、
「先ず飯を炒めて、パラリとなった段階で溶き卵を投入し更に炒める」
、のが間違いない料理法だということが、確立された。
ちょっと、無理があるかな。
でも、所詮たかが「チャーハン」のことだしぃ。

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勉強になりました♪

2011/8/11(木) 午前 5:02 Johnny B.Bad

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恐れ入ります。

2011/8/11(木) 午前 5:07 [ masterswimmer ]


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