還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

全体表示

[ リスト ]

満ち潮 引き潮

私の住んでいるアパートから北へ10分ほど歩くと、海岸に出る。
大きな橋がかかっていて向こう岸に続いているので、一寸見には大きな川のように見える。
こちらの海岸は護岸で固められているため、ますます川岸のようだ。
だが、これは紛れも無く海であり、名称は「ロングアイランドサウンド」という。
対岸はニューヨークの「ブロンクス区」であり、その右にはコネティカット州が長く東に伸びている。
丁度日本の瀬戸内海のような按配で、常に穏やかな内海状態。
とは言え、海だから魚もいればロブスターもいる。
この海で飯を食っている漁師もいる。

私はほぼ毎日、この海を右に見ながら車を走らせる。
何の変化も無い景色のようだが、毎日変わっているものはある。
それは、「潮位」。
潮の干満は、結構目につく。
大潮の満潮ともなれば、橋を支えている支柱が短くなったように感じる。
そして、海が迫って来るようだ。
干潮時には、逆にその支柱が急に伸びたよう見える。
その差は最大で4、5mはあるだろうか。

日本にいた頃、私は毎日のように新聞の「潮位」欄を見ていた。
その日の、満潮時干潮時を知るためである。
何のためか。
釣に好適な時間を探っているのだ。

ほとんどの魚は、潮の動きに合わせて餌を求める。
潮の動きが止まると、魚の食い気はパタリと止まる。
「そんなバカな」
釣をしない人にそう言うと、きっとこう答える。
科学的ではない、と反論した人もいた。
だが、釣をする人は、ほとんど同意する。
「そうなんだよな。潮が止まると全然食わないんだよな」
だから、釣り人は潮位を確かめて出漁する。
それが出来ないのは、日曜しか休めないサラリーマン。
潮が悪いのを知りつつ、日曜日に海岸に出かけて行く。

「上げ七分(しちぶ)、下げ三分(さんぶ)」という言葉がある。
干潮から満ち始めて七分、大体4時間くらい。
満潮時から下げ始めて三分、約2時間。
この時間帯が釣には一番適している、と言われている。
「大潮、朝まずめ(午前6時前後)、上げ七分から下げ三分の間」
こういう条件が揃えば、釣れなきゃ可笑しい、ということになる。
勿論、それでも釣れない人は山ほどいる。
まあ大体「釣とは釣れないもの」、というのが常識になっているのだが。

干潮満潮は、日に2度訪れる。
そして「大潮」は月が「満月」か「新月」の時と一致する。
数十万年繰り返されている営み。
そして海幸彦の昔から、釣り人には「潮の大きさ、干満の時間」が何より大事だ。
ところが、釣り人でなくとも関心を寄せる人はいる。
「人は満潮時に生まれ来て、干潮時に死んで行く」
そう信じている人も結構多いが、真偽は不明。
太陽、月、地球が作り出す潮の満ち干という現象は、何か人知を越えたものに見えるのだろうか。
「潮の満ち干で分かる、万馬券の取り方」
こんな奇天烈な本の題名を、昔見た憶えがある。

「大潮」ともなると、日本では干満の差は2mを越えるくらい。
だが、世界は広い。
カナダの東海岸、「Bay of Fundy (ファンディ湾)」の最大潮位差は実に15mに達すると言う。
日本から見ると、想像を絶する満ち引き。
漁船は、干潮時の避難港をあらかじめ決めていると聞く。
この近くで荷揚げを見たことがあるが、海面から水揚げ場までの10m近い段差に驚いた覚えがある。
干潮に近い時間。
遥か下方の漁船は、魚が入った大きな籠にウインチのロープを巻きつけている。
合図と同時に、陸上のウインチが唸りを上げてロープを巻き揚げ始める。
日本では先ず見られない光景。
「もたもたしていると、潮が引きすぎて船が砂地に乗って動けなくなるんだ」
そういうことも珍しくないそうだ。

磯釣りに好適な場所は、色々ある。
この釣は、沖にいる魚を岸近くにおびき寄せて釣り上げる。
だから何と言っても、沖に突き出した岩場が人気の場所。
稀には、干潮時にしか渡れないような岩もある。
干潮時に渡り、次の干潮時に戻って来るという仕組み。
岩場にいる間に海が荒れだしたら、事は面倒だ。
腰や胸まで水に浸かるのを覚悟で、戻ることもある。
戻りきれないと、遭難ということで新聞記事になることもある。
だから、「潮位表」と「天気予報」は釣人には必須。

今日もまた、何時もの道に車を走らせている。
橋の支柱が、中ほどまで水没している。
今は、潮が上げている時刻。
もう少しで、「上げ七分」になる。
良い釣が出来そうな潮だなあ。
「Armchair angler (肘掛椅子の釣師)」は、日本の磯を想い描く。

閉じる コメント(1)

顔アイコン

アラスカのアンカレッジに行った時、日本にいる時のように船から岸壁に出て外出しました。
夕方帰ってくると船がいない。大きな船だからいないのは直ぐ分かる。岸壁の端まで近寄ると下の方に船がいました。

2011/9/29(木) 午前 7:26 フクロウの宿


よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

お肉、魚介、お米、おせちまで
おすすめ特産品がランキングで選べる
ふるさと納税サイト『さとふる』
コンタクトレンズで遠近両用?
「2WEEKメニコンプレミオ遠近両用」
無料モニター募集中!
話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事