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イチローがヤンキースに移籍した翌日。
松井秀喜が、タンパベイ.デビルレイズを解雇された。
今まで日本に現れた、最高の2人の打者。
ほぼ同年代の二人に訪れた、選手生活の黄昏れ時。
人間の肉体は、誰でも衰える。
30代後半であれば、それは避けがたいものだ。
ごく稀に40代まで活躍するプレーヤーもいるが、ほとんどはこの年代で引退する。
衰えは、先ず視力から始まると言う。
野球のように動いている球を追うスポーツは、動体視力の衰えは致命的だ。
投手の方が打者より長持ちする理由も、それで分かる。
イチローは、恐らく「精神力」が衰えて来たのだろう。
「モチベーション」の低下、ということになる。
あの全身バネのような彼の肉体は、強靭な意志力で支えられていたのだと思う。
毎日試合開始3時間前から始める、準備運動。
それ以前に、肉体の維持のために費やされた膨大な時間。
10年連続200本安打が途切れた時、彼の緊張も途切れたのではないか。
「強烈な意志力で支えられた緊張感」が途切れれば、イチローはただの小柄な選手に過ぎない。
移籍先にヤンキースを指名したのは、彼の持つダンディズムの最後の「ひと振り」。
かなり知られていることだが、イチローが最初に希望したのはヤンキースだった。
だが、イチローの小柄な肉体に疑問を抱いたヤンキースは、入札でマリナースに負けた。
「2割8分程度の打者」「長打力は無く、打点は期待出来ない」
これが当時のヤンキース首脳陣の、イチローへの評価。
その後のイチローの活躍は、ヤンキースにとってある意味「悪夢」だったと言う。
松井の衰えは、両膝の故障であることは周知だ。
その原因は、東京ドームの人工芝にある。
ドーム球場は、経営者にとっては「雨天順延」の無い夢の球場。
そして選手にとっては、膝に恐ろしいほどの負担を与える「悪夢の球場」。
30球団を持つアメリカには、人気芝の球場は現在3ヶ所しかない。
一時はその簡便さから多くの球場に取り入れられたが、1990年代に天然芝回帰が行われた。
今では人工芝の球場は、2ヶ所しかない。
一方日本では13球場のうち、10球場が人工芝を未だに使っている。
理由は色々あるが、全て経営的見地から。
「雨天順延」が少ないのが、最大の魅力と考えられている。
選手の膝は、一顧だにされていない。
体重が軽い日本の選手にとって、人工芝の硬さはそれ程影響を与えないらしい。
下半身が強靭だということもあるかも知れない。
だが松井のような重量級の選手にとっては、それは命取り。
彼がヤンキースに来た10年前、既にかれの膝は痛めつけられていた。
そして2度にわたる、膝の手術。
さらには骨折した手首。
当時の監督ジョー.トーレも憂慮した、松井の連続試合記録へのこだわり。
諸々のことが相俟って、今の松井がいる訳だ。
松井のこれからは、どうなるのか。
解雇はされたが、再びレイズとマイナー契約の可能性は残されている。
9月に1軍の選手枠が25人から40人になった時、復帰する可能性も無いわけではない。
だがこの増加枠部分は、普通若手に1軍の雰囲気を味合わせるために使われる。
プレーオフを賭けた接戦を演じていればともかく、引退間近の選手を引き上げる意味はないだろう。
となれば、他球団からのオファーを待つことになる。
とは言え、この2ヶ月の松井の不調を見たチームが。興味を持つかどうか。
唯一の望みは、彼が夏場に強く又大試合に慣れていること。
3年前、ペドロ.マルティネスを彼一人で打ち崩したワールドシリーズは、未だに鮮明だろう。
何処からも誘いがなかったとしたら、松井は日本へ復帰するのか。
ゼロではないだろうが、可能性は薄いようだ。
プレー出来て精々2年。
悪い両膝を庇いながらの松井なら、ファンも見たいとは思わないのではないか。
「指名打者」でのプレーなら、パシフィックリーグに限られる。
「欲しい」と何処のチームも言うが、実際に動くかどうかは分からない。
「巨人」「ヤンキース」とエリートチームでプレーして来た、松井のプライドもあるだろう。
今日の新聞では、アスレティックスがマイナー契約で交渉に乗り出すかも知れない、と言う。
ゼネラルマネージャーのビリー.ビーンは、安く契約し上手く活躍させるのが得意だ。
彼が交渉に乗り出すとすれば、松井を「まだ使える」と踏んだのだろう。
松井にもイチローのように、「有終の美」を飾るチャンスを願うや切。
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WBCまでは、松井を応援していましたが、松井が意味も無く辞退し、イチローが主導権を取り、見事優勝した。日の丸を背負って、熱くなれるかなれないかの違いは大きかった。松井は、世渡り下手。
2012/7/29(日) 午前 8:45
言われることは分かりますが、松坂は「WBCで壊れた」とも言われています。
参加してもしなくても、試練は待っているということでしょうか。
2012/8/1(水) 午前 3:42 [ Masterswimmer ]