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世に、「禁酒、禁煙、ダイエット」は、実行が難しい御三家と言われている。
秘訣を書き記した本の発行部数で言えば、「ダイエット」「禁煙」「禁酒」の順だろう。
「ダイエット」が断然のトップである理由は、それが「美容」に関わって来るからに違いない。
その方法論も、多種多様。
「禁煙」と「禁酒」には、そんなに大仰な秘策はない。
単純に「煙草」や「酒」を、口にしなければ良いだけだ。
「それが難しい」と言うかも知れないが、あとは意思の力だけ。
その点、「ダイエット」が至難になっているのは、「人は食べなくては生きていけない」からだろう。
1日に2食あるいは3食、人は必ず食事をする。
一人で黙々と食べることもあれば、大勢で賑やかに食べる時もある。
痩せようと思えば、その摂取量を自分でコントロールしなければならない。
摂取したカロリーを溜め込まないためには、ある程度の運動もこなすことも必要。
親しい友人たちと、語らいの合間にスナックを摘むだろう。
それだって、取り過ぎない注意が肝要だ。
そもそも「ダイエット」の難しさは、「煙草」や「酒」の比ではないのだ。
健康的に痩せる方法をきちんと示せる本を出せば、億万長者は間違いない。
役に立たない「ダイエット」本で富を築いた人だっているから、美味しいジャンルであることは疑いもない。
私は3年ほど前に突然少し痩せて、それ以来痩せるように心がけた。
当時の体重は、73kg前後を行ったり来たり。
身長が170cmくらいだから、立派な肥満体だった。
それ以前にも痩せようと考えたことはあったが、実行は出来なかった。
それが7月初めの日本の暑さで、短期間で2kgほど減った。
ニューヨークに戻ってからも、暑さもあってあまり食欲がなかった。
9月に入って70kgを切り、何となく面白くなって来た。
10月に体調を崩したか、とうとう68kgの声を聞いた。
何とかこれを維持しよう、という気持ちが芽生えて来た。
毎朝シャワーを浴びるたびに、体重計に乗るのが習慣になる。
別に記録をつけるわけではないが、微かな一喜一憂も生まれて来た。
少しでも減ると、何とかそれを最低ラインにしようと考える。
そのためにも、計量のタイミングを決めることにした。
朝起きて洗面を済ませ、身も心も一番軽い時点でタニタの体重計に乗る。
この3年ほど、そういう毎日を過して来た。
最近、体重は66kgを下回るようになった。
一度だけだが、63kg台にまで落ちたこともある。
これは、高校時代以来のこと。
それはたった1回のことだったが、小さな驚きだった。
同時に微かな不安がもたらされたのも確か。
一体どういう理由で、そんなに体重が減るのか。
何事によらず人生初めての経験だから、単純に喜んではいられない。
それでもそれ以降は、65kg前後で落ち着いたようだ。
体重が減り始めて、日課として体重計に乗るようになり、自分の中で変化が生まれて来た。
(折角減った体重を、出来るだけ維持して行きたい)。
すると、食事の形態にも変化が起きる。
遅く昼を食べた場合、従来なら少し遅めに夕食を摂った。
だが今は、夕食を抜いて寝てしまう。
当然朝起きた時は空腹だから、朝飯を少し多めに摂るようになる。
全ての食生活が、減った体重を維持するように廻り始めた。
こういう状態を、古人は「淫する」と呼んだらしい。
つまり、本来の目的から外れても、その習性を続けようとすること。
「耽溺する」「のめり込む」、今風に言えば「ほとんどビョーキ」という辺りか。
例えれば、充分豊かであっても1銭を惜しむ金持ち。
書を読んで学び人生の糧にするはずが、ただ読むことだけに耽ってしまう。
いずれにせよ、少しく道を踏み外していることに他ならない。
健康のために始めた減量ダイエットだが、ただ減ることを追い求めるのは如何にも愚か。
と、頭では分かっているのだが、なかなか本来に戻れない。
拒食症というのは、こういう状態が突き進んだ場合を言うのだろうか。
理想体重を表わすのに、「BMI (Body Mass Index)」という計算式がある。
体重(kg)を身長(m)の2乗で割った数字。
私の場合は、「65(kg)/{1.7(m)X1.7}=22.4」 という数値になった。
測定表で見ると、20〜24未満は「普通」で、20未満が「痩せ気味」、24以上が「太り気味」とある。
ひとりで心配しているようだが、何のことはない、丁度「普通」らしい。
計算してみると、57kgを下回ると初めて「痩せ気味」になるそうだ。
未だ8kg以上の余裕があることになる。
少々頑張って痩せても、57kgまでに減らすのは容易ではない。
「拒食症」とは、程遠い世界にいることが分かった。
安心はしたが、気抜けもした。
こうなったら、思い切って17歳以前の世界に挑戦してみようか。
50数年ぶりの62kg台に下げることが出来れば、それなりの達成感が味わえるのではないか。
ただその場合、顔の皺が目立つそうだ。
右せんか左せんか、悩ましいところだ。
まあ、人の悩みなんて大体その程度のものと、相場は決まっているのだが。
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体重は健康のバロメーター。
定期的な体重測定は「いつの間にか太っていた!」を防ぎ、体調の変化を感じ、健康状態の感知につながります。
つい飲みすぎ、食べすぎ、が続いた時も、体重測定をしていると意識が働きやすくなります。
更に『その日食べた物や体を動かした内容』と『体重の動き』を結びつけて振り返ると、「これが原因かな?」と思うちょっとした習慣が見つかるかもしれません。
良い習慣は無理なく続けて、体重増加の原因になっている習慣は控えめにできたら、達人の域ですね!
2014/12/27(土) 午後 1:00 [ 公徳心やコンプライアンス ]