還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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ゴルフの将来

大手のスポーツ用具メーカー、ナイキがゴルフ用品の製造販売から撤退するそうだ。
20数年前に大々的なパブリシティを打ち揚げてこの業界に乗り込み、多くのスター選手を傘下に抱え込んでゴルフ界を席巻していたことを思い出せば、些か驚かずにいられない。
確かにここ数年のゴルフ界は、沈滞気配だった。
テレビ放映の視聴率は以前と較べれば低下の一途だし、スポンサーの撤退で試合数も減少気味。
例えれば、20数年前からが日本のバブル時代のようであり、今がそのバブル終了の時、と言えそうだ。
別に凡戦が続いているわけではない。
新しい実力者も生まれて来ているし、若いスターも少なからず登場している。
ゴルフ人口も急増とは行かずとも、それなりに安定した数を維持しているはずだ。
だが何処かぱっとしない。
ぱっとしないと言えば日本のプロ野球界が想起されるが、そこまでお粗末でもない。
ある意味では、個人プレー主体のゲームであることの持つ宿命かも知れない。
他の人気スポーツ、例えば野球、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーなどに較べれば、ひとりひとりの選手の集合体でしかない。
主力選手であっても、誰と契約を結んでいるわけでもないし、逆に誰に生活を保証されているのでもない。
トーナメントに参加する資格はあっても、交通費や宿泊料は個人負担。
2日までで最終戦に残ることが出来れば、初めて幾らかの賞金の保証が発生する。
優勝すれば100万ドル近い賞金を獲得出来るが、それは総参加選手100人以上のひとりだけ。
常に上位にいる選手は飛行機でトーナメントの行われる都市に行けるし、良いホテルにも泊まれる。
だが賞金獲得高が低ければ、バスを利用したり自分の車でドライブし、その中で寝たりもする。
それが第一線のプロの現実であり、それ以下のクラスともなれば更に厳しい。
野球の3Aに相当するトーナメントツアー(Web.comTour ウエブコムツアー)があるが, 此処にはかつてPGAでプレーしていた選手や、ビッグトーナメントを勝った選手も混じっている。
このツアー辺りで優勝賞金は10万ドルクラス、もっとささやかな州単位のようなものになれば、2,3千ドルの賞金を目指して、大きな夢を抱く若者や夢破れたベテランがしのぎを削ることになるわけだ。
面白いことに、このクラスの選手でも用具メーカーからの援助が無いわけではない。
有望な若手であれば当たり前だが、昔鳴らした選手にもクラブやウエアの支給があったりするようだ。
だが、それだけが彼らの拠り所という現実は、聞けばなかなか厳しい。

私はかつて、フロリダでトーナメントプロを目指している選手を自宅に呼んで食事を共にしたことがある。
既に30歳を越していたが、大勢のプレーヤーの中で呻吟しているという雰囲気はなかった。
ただゴルフが好きだから、やれるところまでやってそれでダメなら別の道へ、ということのようだ。
それでも近在のゴルフ場なら、プロテスト合格者は何時でも無料でプレー出来るという優遇措置はあるという。
とは言え、その数は数万人を越えるらしい。
だから、第一線のPGAでプレーする可能性は、野球選手が大リーグを目指すよりもっと難しいだろう。
20数年前からのゴルフ人気の上昇で志望者は増えただろうが、第一線の枠に変わりはない。
だが此処へ来てナイキのような有力な用具メーカーが撤退するということは、やはり影響は大きい。
はっきり言えば、ブームの終焉という捉え方も出来そうだ。
新しいコースの建設計画なども、めっきり減少しているという。
まあそういう点では、日本の方がもっと顕著かも知れない。
一体、何が起こったのか。
「タイガー ウッズ」という不世出のプレーヤーの凋落は、確かにその一因にはなっているだろう。
20数年前、ゴルフには一定の人気があったが、白人の娯楽という見方もされていた。
そしてタイガーの出現は、その環境自体をがらりと変えてしまったと言える。
沸騰した人気に、優勝賞金はそれまでの20万ドル前後から、瞬く間に100万を越えた。
テレビ放映には大型の企業が争ってスポンサーに名乗りを挙げ、選手にも多くの後援者がつく。
プレーする人は多くても、「観る」スポーツとしては迫力不足の観があったゴルフが、一転してスリリングな見るものを興奮させる要素を備えたビッグスポーツに変貌した時代だった。
その全ての功績がタイガーに帰するとまでは言えないだろうが、過半はこの多様な異人種の血を引き、主としてアフリカ系アメリカ人と看做されている20歳そこそこの若者の存在であることは認めざるを得なかっただろう。
そして同じ理由で、近年のゴルフ人気が下降線を辿っているのは、タイガーが惹き起こしたスキャンダルに続く不振、さらには身体的故障がほぼ決定打となった、と看做しているのではないだろうか。

タイガー個人の愚かな行為でゴルフ界を揺るがせ、メディアの好餌となったスキャンダルも、今回のナイキの動向と無関係とは言えないだろう。
だが、それだけを理由として長年タイガーを庇護して来た彼らが、突然の撤退を決めるだろうか。
若しタイガーの不調が理由であれば、2009年のスキャンダルの後、2012年と2013年に挙げたそれぞれ3勝と5勝をどう考えれば良いのだろうか。
メジャーの勝利こそ無いが、賞金獲得高では2位と1位だ。
彼の本当のスランプは、その後から始まっている。
膝と背中の故障での長期欠場は、多くのファンのみならず同僚のプレーヤーをも失望させた。
2009年の全英オープン勝者スチュアート シンクは、
「タイガーの出てないトーナメントは、何処かぴりっとしないんだ」、と告白している。
ギャラリーやテレビで観るファンだけでなく、戦う相手までも惹きつける魅力が彼にはあったのだろう。
タイガー以前のゴルフは、「静かな大人のスポーツ」という印象が強かった。
アーノルド パーマー、ゲィリー プレーヤー、ジャック ニクラウスという所謂「ビッグスリー」が競り合うという見せ場はあったが、それでテレビの視聴率が大きく跳ね上がるということは無かったように思う。
静かに淡々とプレーするほとんどが白人の選手たちには、ファンが熱狂する要素は少なかった。
そして時代は、アイドルを身近に感じて身も心も捧げる、という信奉者タイプに変わっていたのだ。
その場面にぴたりと嵌る千両役者がタイガーだった、と言えなくはないか。
派手なリアクション、愛嬌のある輝く双眸、そして今までのゴルファーにはない浅黒い肌、そしてタイガーにはスタンフォードという一流大学に迎えられる知性も加わっていた。
その上、彼にはスターに不可欠な「物語性」までちゃんと用意されていたから鬼に金棒だ。

彼の父アール ウッズは軍人だったが、戦闘場面で同僚に命を救われた。
その命の恩人の愛称が「タイガー」だったところから、除隊後生まれた息子に「タイガー」と名づけた。
消息の絶えた恩人が、この話を聞きつけて会いに来てくれるかも知れない、という望みをかけて。
さらにまた、この息子はゴルフの天才でもあった。
既に2歳でテレビ番組に登場し、12歳でコースを60台で廻った。
15歳から3年間、全米ジュニアアマチュアチャンピオンの地位を守り、そのまま更に3年間、全米アマチュアのチャンピオンであり続けた。
20歳で大学を中退してプロ入りした時、彼は既にアメリカで最も有名なゴルファーのひとりだった。
それからの快進撃は、いまさら羅列する必要もないだろう。
デビューからの10年近く、誰もがタイガーが全てのゴルフの記録を塗り替えることを疑わなかったはずだ。
「近代ゴルフは『Before Tiger (タイガー以前)』と『After Tiger (タイガー以後)』に分けて表記されるようになるだろう」、そう言ったのはジャック ニクラウス。
だが、その彼を大きなトラブルが見舞う。
女性関係からの数々のスキャンダルと離婚訴訟。
そういう信じられないトラブルが、彼の父の死後から始まっていることは興味深い。
父アールは、タイガーにとって絶対の存在だったと言われている。
幼い頃の練習計画や、トーナメントの出場などは全て父の指示のもと。
アールの死に拠ってその枷から外れたタイガーの行動が常軌を逸したものになったのは、身近の人たちには理解出来るものだったかも知れない。

最大のスポンサーだったナイキの撤退は、これからのタイガーにどう影響するだろうか。
彼の復活を信じ待ち望んでいるファンは、未だに数多い。
プレーヤーたちだって、タイガーのカリスマ性がゴルフ界に与えるインパクトを信じているという。
デビューから20年、「Reborn Tiger (タイガー復活)」が成るかどうか。
既に幾人かの若手が「タイガーの後継者」に擬せられ、もがき続けている。
そのひとりJordan Spieth ジョーダン スピースが22歳の若さでマスターズとUSオープンを連覇した時、彼をタイガーと比較するメディアがあったが、多くのプレーヤーから一笑に付せられてしまった。
「Are you kidding? (冗談だろ?)」、と答えたのは当の本人だったそうだ。
「Come back カムバック(復活)」はスポーツの世界では、常に賞賛の対象だ。
様々なスポーツが、その年の「Come back player award (カムバックプレーヤー賞)」を設けている。
復活はそれが難しければ難しいほど、大きな話題となり永遠に語り継がれるのだ。
だが私の知る限り、そんなに奇蹟的なカムバックは世界を騒がせていないはずだ。
2,3年後にタイガーがメジャーの最終ラウンド18番ホールで高々と手を空中に突き上げることが出来たなら、それはスポーツ界最大の奇蹟として長く記憶されるに違いない。

今のところ、それが一番可能性の高い「奇蹟」かも知れない。
私が観ることが出来るとすれば…。

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はじめまして!よこびーと申します。
現役時代は無名でしたがある方法を取り入れて練習をした所、3ヶ月でインターハイ5位まで成長する事ができました。
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2016/8/14(日) 午後 3:33 [ 水泳のベストが更新できる方法 ]


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