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私の住んでいるアパートは、ニューヨーク市の東の外れにある。
ちょっと歩けば小さな湾があり、湾の向こうはグレートネック町というナッソー郡の一部である。
此処に有名人がいる。
日本は荒川静香で大騒ぎだが、こちらは4年前に大騒ぎだった。
そう、金メダリスト、セイラ.ヒューズが育った町である。
今は、その妹のエミリー.ヒューズの育った町でもある。
エミリー.ヒューズは、今回のトリノのオリンピックに、ピンチヒッターとして出場した。
大スター、ミッシェル.クワン出場辞退の代役として。
話を、元に戻す。
私の住んでいるベイサイド(海のほとり)からすぐ近くに、フラッシングという繁華街がある。
台湾人中心のチャイナタウンである。
韓国人も多い。
彼らのスーパーも沢山ある。
中国語で、「超級市場」、と言う。
訳せば、「スーパーマーケット」となる。
分かり易いことこの上ない。
レストランも「飯店」もあちらこちらにある。
私は、週末はたいてい此処で昼食をとる。
飲茶、粥麺もよく行くが、韓国レストランも頻繁に訪れる、
昔日本にいた頃も、朝鮮料理屋にはよく行った。
もっぱら焼肉を食いに。
最後に冷麺が来ると、
「もう腹一杯だよ。」
などと言って、ほとんど食べずに残していた。
今は、その冷麺を食べに行く。
それだけを食べると、しみじみと旨い。
昔は、悪かった。
そう謝りながら、すすり込む。
「ユッケジャン」
「スンドーフ」
なども新しく、ニューヨークで仕入れたレパートリーだ。
「ユッケジャン」
これは、牛肉と葱、さらに春雨を辛いスープで煮込んだものだ。
真っ赤なスープに、最初はたじろいだ。
急いで飲み込むと。咳き込むほど辛い。
だが、少し慣れて来るとスープの滋味と、辛さのハーモニーが病みつきになる。
「スンドーフ」
漢字で書くと、「純豆腐」だ。
所謂、「おぼろ豆腐」をコチジャンのスープで煮込んである。
この料理には、土釜で炊き立ての飯がついて来る。
実は、この飯と、副菜として来る「キムチ」や、名前の分からない朝鮮小皿だけで、十分なのだ。
なんせ、たいていの店で、少なくとも5,6皿、多い場合は7.8皿やって来る。
主に、キムチを中心とする朝鮮風家庭惣菜、といった風情のものばかりだ。
正直に言えば、旨いものもあれば、「?」という不味いものもある。
旨いものを食べ終わると、又持って来てくれる。
だから、無理して不味いものは食べない方がいい。
「まあ、これが好きなのね。」
と、又それが来る破目になる。
今は、多少大人になったが、初めの頃はこの小皿に悩まされた。
なんせ、周りはほとんど韓国人客たち。
それとなく窺うと、彼らの方の皿数が多いような気がする。
あちらは8皿、こちらは6皿。
「これは差別ではないか。」
などと憤慨していると、追加の2皿が来て、
「妙な邪推であった。」
と思い、逆にそのままだと、
「日本人を見くびっているのか、それとも竹島故か?」
などとあれこれ考え、
「もう、韓国料理は精神衛生に悪いからやめよう。」
と暫く遠のいたこともあった。
今は、もうそういう邪念は無い。
なるべく他のテーブルは見ないようにしているし、もっと大事なことは、
「この多くの皿で、食べられるのは精々3,4皿しか無い。」
ことに、やっと気付いたからである。
年を取ることの意味は、こういうところにもある。
松井秀喜は手術を無事に終えたようだ。
最低3ヶ月、下手すると今シーズン一杯の「故障者リスト」滞在らしい。
マスコミは、
「松井の代りは、いない。」
というトーレ監督の談話を載せた同じ紙面で、
「ミネソタのトリー.ハンターを獲得か?」
「ケン.グリフィー、ヤンキースと関係修復。」
「アルフォンソ.ソリアーノは、喜んでヤンキースに戻って来るだろう。」
観測記事を、書きまくっている。
節操が無いのは、何処かの国のマスコミに限らない。
まあ、読む方も、話半分どころか、精々十分の一で考えているが…。
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