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日本では、小泉首相の後を誰が引き継ぐか、喧しい毎日だ。
日本の場合、誰がなっても同じ、と昔は言われていた。
自民党の各派閥の意見を集約し、それに各官庁の主張をミックスすれば法案が出来た。
それが、このところ変化して来ている。
トップダウンのスタイルが定着しかかっている。
小泉さんは、首相というより大統領に近い存在だったのではないか。
ワンマンと言われた吉田茂だって、長期政権を担った佐藤栄作だって、此処までの強権は
持っていなかったろう。
跡目を相続する人は、どういうスタイルを採るか。
と言うより、どういう形式の政権になるか、誰が決めていくのか。
選挙に強い、唯我独尊の専制君主になれれば、小泉方式だろう。
でなければ、再び派閥の意見を取り入れる調和型のリーダーになるか。
安部普三が人気にものを言わせるか、福田康夫が反対派閥の後押しでミラクルを起こすか。
何となく、昔の体勢に戻っていく予感がしないでもない。
海の彼方のアメリカでも、ブッシュの任期は後1年半足らず。
レームダックの期間を考えれば、1年というところか。
候補に名乗りをあげる者は、そろそろ旗幟を鮮明にしなければならない。
突然、彗星のように現われて指名を受けるケースも無いではないが、それはまれだ。
特に強力な候補の名前は、既に取り沙汰され始めている。
民主党は、ヒラリー.クリントンがダントツのトップと見られている。
特に、民主党支持の女性の人気が凄い。
対抗になりそうな名前が出て来ない。
前回負けた、ジョン.ケリー。
「再度挑戦する。」
そう言っていたが、とんとニュースに出て来なくなった。
2000年に、すったもんだの末ブッシュに負けたアルバート.ゴア。
彼も有力な候補と見られがちだが、既に出遅れている、と言う。
ヒラリーの強みは、女性であること。
弱みは、これまた女性であること。
なんだか判じ物みたいだが、強みは弱点にもなり得る。
女性の熱狂的な支持は、男性の反発を招く、ことにもなりかねない。
特に保守的な層は、女性大統領にそっぽを向く可能性大である。
「ヒラリーは、上院議員を1期勤めただけだ。未だ経験が足りない。」
という意見もある。
確かに、彼女は大統領夫人ではあったが、所謂官職は、現在のポストだけ。
「女に危機管理が出来るか、どうか?」
危ぶむ人も少なくはない。
アメリカの大統領は、世界最高の権力者だ。
ミサイルのボタンを押して、核戦争を始めるパワーを持っている。
よほど沈着で冷静な人間でなければ、その判断を任せることは出来ない。
ウオーターゲートで四面楚歌だったニクソンが、突拍子もないことを仕出かすのではないか、
とCIAが彼の動向を見張らせていた話は有名だ。
KGB上がりのロシアのプーチンと、5分に渡り合えるのか。
ヒラリーは有能な弁護士として、名は高い。
スピーチも、夫のビルほどではないにしても、上手だ。
だが、それはあくまで法廷内のやりとりである。
負けて失うものは、弁護士としての名誉だけだ。
国際政治の世界は、もっともっと生臭く、したたかだ。
そのいやらしさは、サッカーの比ではない。
ヒラリーは、未だその世界を十分に経験しているとは言い難い。
彼女の、最大のウイークポイントは、そこら辺ではないだろうか。
対する共和党は、未だ抜け出た候補はいない。
相変わらず人気の高い、アリゾナ州上院議員のジョン.マッケインは有力な一人だ。
しかし、彼の時としてリベラルにさえ見える主張を嫌う共和党員もいる。
だが、ベトナムで捕虜となり、幾年もの虜囚生活を送った彼への潜在的人気は無視出来ない。
民主党員にも、彼のファンは多いと言う。
今、共和党は多士済々の様相を見せている。
ルドルフ.ジュリアーニ。
前ニューヨーク市長。
9.11を果断に処置し、名声を高めた。
市長になる前は、州検察官。
マフィアとの対決で、大きな実績がある。
早く言えば、やり手の実行派。
民主党が圧倒的に強いニューヨークで、市長を2期務めている。
今のところ、トップランナーと目されている。
だが、ここへ来てトラブルが起きている。
彼自身の、ではないが、彼の腹心だったバーナード.ケラック。
ニューヨークの警察長官時代の汚職で起訴されている。
彼を平の警察官から抜擢し、退職後の事業のパートナーとして来たジュリアーニには、
痛いトラブルだ。
この難関をどう切り抜けるか、彼の手腕が注目の的。
ジョージ.パタキ。
現ニューヨーク州知事である。
3選不出馬を既に表明。
大統領に野心ありと言う。
惜しむらくは、全国的知名度が低い。
9.11の時、
「ジュリアーニ市長のコートを持って、立っていただけ」
と酷評された。
もう一人、出馬を否定し続けている有力候補。
国務長官、コンドリーザ.ライス。
もし彼女が大統領になれば、初物づくし。
女性であり、黒人である。
だが、現段階では「?」が多すぎる。
だれかの副大統領候補になる、可能性はある。
大統領選挙には、意外なダークホースが出る可能性はある。
しかし、来年の選挙に彗星は無い、ように思える。
あるとすれば、民主党。
ヒラリーが予備選挙で敗退するか。
「まさか…。」
が起こるのが、選挙。
実のところ、ヒラリーを嫌う女性も多い。
ビル.クリントンのスキャンダル。
彼女は、裏切られながら夫を許す妻を、完璧に演じた。
その完璧さを嫌悪する階層も、アメリカには多い。
「ヒラリーは、糾弾者としては実に有能だ。」
最近の彼女の。共和党に対する対決姿勢を評して。
「だが、何も解決策を提示していない。」
なんだか、どこかの野党を彷彿させる。
「もう、批判は聞きたくない。何をしたいか、それを聞きたい。」
つまり、国政の実行者としてのプランを聞きたい、ということだろう。
アメリカは岐路に立っている、と言われている。
超大国として、世界に君臨し続ける道。
一歩下がって、他国との協調路線を主張する政治家も多い。
国民は、その選択をしなければならない。
が、「選択」に参加しているという自覚、自負は何物にも代えがたいだろう。
「安部」か、「福田」か。
「自民」か、「民主」か。
日本人だって、選択はある。
ただ、自主性があるかどうか、それが問題だ。
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