還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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昨日は7月4日、アメリカの「独立記念日」だった。
この日は色々な催しが行われるが、「ホットドッグ早食い競争」もその一つ。
ところは、ブルックリンの南端、コニーアイランドという海水浴場。
ここの「Nathan's (ネイサンズ)」という、有名なホットドッグの店が主催している。
始まりは1916年というから、なかなか歴史がある。

この競技、ここ10年ばかり、日本人が優勝を続けている。
それもけた違いの強さ。
過去5年連続でチャンピオンの座を維持しているのは、小林尊(たける)という26歳の青年。
一昨年彼が作った12分間で53個半という記録は、今までの最高記録。
何処にそんな多量のホットドッグが入るのか、分からないような小柄で細身の若者だ。
50kgそこそこ。
今年も、マスタード色のベルトを再び日本に持ち帰るべく、乗り込んで来た。

この10年、アメリカ人は口惜しい思いを重ねて来た。
ホットドッグと言えば、アメリカの国民食のようなものだ。
小さい頃から慣れ親しんでいる。
そのホットドッグの「早食い王」が、海の彼方の日本人。
自信満々でやって来て、あっさり優勝する。
何とか奴を負かせる大食漢は、いないのか。

昨年までは、ほとんど勝負になっていない。
いつも10本以上の大差。
アメリカの選手も、色々工夫はしている。
ホットドッグが、すんなり胃袋に納まるように、小さく撥ねたり跳んだり。
あまり空腹なのも良くない、と朝飯を軽く食べてみたり。
何にも役に立たなかった。

小林青年の食べ方は、「ソロモン方式」なる仰々しい名前がついている。
ホットドッグを二つに折って、ソーセージを先ず食べ、次いでパンを食べる。
これは、2000年に優勝した新井和響選手が考案した食べ方で、当時は「東京スタイル」
なる名前で呼ばれていた、らしい。

今年、アメリカ人は大きな期待を彼らの選手に寄せていた。
ジョーイ.チェスナット、22歳の大学生。
彼は、今年50本のホットドッグを、12分で食べた記録を持っている。
夢の50本台。
期待が膨らむのも、故無しとしない。

競技は、12時丁度に始まる。
体重100kgのチェスナット選手は、最初から飛ばした。
小林に差をつけて行く。
周囲の声援も次第に大きくなる。
小林は、マイペース。
「ソロモン方式」で、確実に食べ続ける。

40本を過ぎた辺りから、チェスナットのペースが落ち始める。
「勝てるかも知れない。」
はやる気持ちが、ペースを乱したのかも知れない。
マイペースの小林が、追いつき追い越して行く。

12分の勝負は、それでも際どかった。
小林53本4分の3、大会新記録。
チェスナット52本、自己新記録。
小林は、6年連続で王座を死守。
3位は37本を食べた女性、ソニア.「ブラックウイドウ」.トーマス。

「湿度が高すぎて、やりにくかった。」
これは、チェスナットの弁。
「……。」
チャンピオン小林は、敢えて語らず。

サッカーの屈辱を、ホットドッグで晴らした。
とは、言えないだろうが。

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