還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

昨年の末から今年の2月まで、私は大いにエキサイトした。
ご贔屓のフットボールチーム、ニューヨーク.ジャイアンツの奇跡的なスーパーボウル制覇である。
プレーオフ3試合全て、予想では不利。
それを着実に勝ち上がって、スーパーボウルへ。
そこで今シーズン負け知らずの、ニューイングランド.ペイトリオッツとまみえた。
試合前の予想は、当然ながら圧倒的にペイトリオッツ。
だが、ジャイアンツは此処でも奇跡的な逆転勝利。
野球でボストン.レッドソックスのワールドシリーズ優勝を見せつけられたニューヨークは、大いに溜飲を下げた。

例年スーパーボウルが終わると、私は軽い虚脱感に襲われる。
バスケットボールとアイスホッケーは、現在進行中。
が、私はどちらも熱心なファンではない。
つまり野球の始まる4月初めまでは、週末のゴルフくらいしか観るものが無い。
そしてゴルフという競技の性格上、それほど興奮はしない。
淡々と観るだけで、溜め息も無ければ、罵声も無い。
精神衛生には良いかも知れないが。

しかし、この2、3月は様相が変わった。
応えられないほどの、熱戦が続いている。
民主党の大統領予備選挙だ。
誰もが認める大本命、ヒラリー.クリントンが大苦戦。
泡沫に毛が生えた程度の認識だった、バラック.オバマが首位を走っている。
そしてどちらが正式候補になっても、史上初めて。
黒人大統領か、女性大統領か。
どちらも歴史を塗り替える快挙ではあるが、どちらにも不安がある。
それがこのレースを、更に興味深くしている。

今、3月6日現在、オバマがリードを保っている。
負ければ終りというところで、ヒラリーはオハイオとテキサスで勝った。
ボクシングで言えば、カウント8で立ち上がったボクサー。
勿論、未だ劣勢ではある。
しかし、戦いを続行出来る。
つまり、未だ逆転のチャンスがある、ということ。

この2週間、ヒラリーは作戦を変えたように見える。
先ず、夫である元大統領ビルが表面から消えた。
その為、オバマの標的はヒラリー一人になった。
攻められる箇所は、2つより1つが楽だ。
つまり、オバマと完全に一対一で対決出来る。
ビルは強力な味方ではあるが、敵の標的になり易い。
些か遅きに失したが、この作戦は奏功しているようだ。

一時控えていたオバマ個人への攻撃も再開した。
「演説だけで、行動は伴わない」
「国家の危機に、迅速に的確に対処出来るのか?」
こういう攻撃は時に両刃の剣だが、今回はタイミングが合ったようだ。
テキサスの調査では、多くの民主党員が最後に考えを変えてヒラリーに票を投じている。
「本当に、彼で良いのか?」
ヒラリーの問いかけが、投票動向を変えさせた、とも言える。

流れは確かに変わった。
逆流とまでは行かないが、一頃のオバマ熱は冷えかけている。
つまり、Momentum(勢い)が弱まった、若しくは失速しかけている、ということ。
これがこのままヒラリーへの追い風になるか、オバマが再び勢いを盛り返すか。
その辺は未だ判断出来ない。

民主党内にも、様々な思惑が渦巻いている。
指名が決まった共和党のジョン.マッケインは、じっくり本選挙の作戦を練っている。
彼には、半年以上の準備期間がある。
翻って、民主党はどうか。
この二人の戦いに早期決着がつかなければ、7月まで続く可能性がある。
それは長期戦であり、かつ泥試合になりかねない。
最悪の場合、両者の支持陣営に大きな亀裂を残す可能性もある。
反ブッシュの世論をバックに、民主党は大統領選の勝利を確信していた。
それが揺らぎかけている。

オハイオ、テキサス予備選挙の前には、
「ヒラリーに自主的に撤退させる」
という案が囁かれていた。
それは、ヒラリーの巻き返しで反古になった。
では、その逆はあり得るか。
依然リードを保っているオバマが、ここで撤退することはあり得ない。
現在のところ、4月のペンシルヴァニア予備選挙までは、大きな変化は無いだろう。

両者ががっぷり四つで戦っている最中だが、興味深いアイデアが生まれている。
「ヒラリー − オバマ」で大統領選挙を戦う、というもの。
「ゴールデンチケット」と呼ばれている。
確かに人気の高い二人の組み合わせならば、「ベトナムのヒーロー」マッケインと五分以上に戦える。
だが、
「素晴らしい案だわ。 でもどちらが大統領候補かは、オハイオの人たちが教えてくれたわ。」
ヒラリーは、大統領職以外眼中に無い。
「ヒラリーは素晴らしい副大統領になるよ。」
これは、オバマ陣営のスポークスマン。
両者がこの案を真剣に考慮する時期は、まだまだ遠そうだ。

面白い調査がある。
どちらが対マッケインで、勝算があるか。
ヒラリー 対 マッケイン
僅差でヒラリー。
オバマ 対 マッケイン
小差でマッケイン。

何でも「賭博」にするラスベガスはどう見ているか。
オバマ        1:1
マッケイン      7:5
ヒラリー       5:2
此処では依然、オバマ有利という予測が出ている。
ヒラリーは、「穴狙い」といった感じ。

私は、私なりに予想してみた。
で、どちらが相手でもマッケインが勝つ、と考えるに至った。
何故か。
ジョン.マッケインは、ベトナム戦争のヒーローである。
別に華々しい戦果を上げた訳ではない。
パイロットだった彼は、乗っていた戦闘機が撃ち落され捕虜になる。
有名な海軍提督を父に持つ彼は、敵に執拗に「アメリカ批判」を強要される。
拷問もされた、と言う。
それを拒否し続けて5年間。
パリ和平会議による停戦協定で、釈放される。

帰国した彼は、一躍「英雄」になった。
ホワイトハウスに招かれ、ニクソン大統領とも会う。
海軍を退職後、政治の世界へ。
下院議員を経て、1987年に上院議員に当選。
着々と地歩を築いて、2000年には大統領予備選挙を現職ジョージ.ブッシュと争う。
この予備選挙は、中傷、非難乱れ飛ぶ、「まれに見る汚い」争いと言われた。
マッケインは、此処で苦杯を舐めている。

彼は、「異端児」と呼ばれている。
共和党員でありながら、民主党員と政策の共同提案をする。
2004年には、民主党候補ジョン.ケリーから副大統領候補を打診された、と言われている。
悪く言えば「一匹狼」、良く言えば「独立独歩」。
共和党保守派からは胡散臭い目で見られ、民主党の一部からは好感を持たれる所以。

ヒラリーは、オバマとの論戦で、
「夜中の3時、世界平和の危機を告げる電話が鳴ったら、即座に対応出来るのは誰か」
そう問いかけて、自分のホワイトハウス経験を誇示してみせた。
だが、もし本選挙になったら、この問いかけは出来ない。
逆に、
「貴女は、全軍を率いて敵に当たれるか」
マッケインの問いにどう答えるか、が問題になるだろう。

今の段階で、オバマの主張は「絵空事」に近い。
故キング牧師の、 「I have a dream. (私には夢がある)」
を彷彿させる言葉の羅列。
響きは良いが、後で考えると中味が少ない。
一方、ヒラリーはもう少し具体性がある。
国民皆保険の主張などは、ファーストレディ時代からの持論。
1期半の上院議員経験も、伊達ではない。
「アメリカの100人の弁護士」の一人にも選ばれた経験がある。
それだけに、議論にも破綻が無い。

来る11月の大統領選挙の争点は何か。
マッケインは当然、「テロとの戦い」を眼目にするだろう。
対するオバマは、「イラクからの撤退」「世界の敵たちとの対話」
辺りがセールスポイントになる。
ヒラリーならどうするか。
「健康保険を全国民に」
スローガンは良いが、インパクトに欠ける。
「イラクとアフガンの戦線縮小」
などを併せて売り込むことになる。

マッケインの支持者は、中高年が多い。
オバマを危惧すれば、彼らはマッケインの為に投票所に行くだろう。
「民主党支持だが、今回だけはマッケイン」
そう考える人が、案外多いかも知れない。
黒人大統領にも女性大統領にも、拒否反応を示す人は少なくない。
その票は、唯一正統派(プロテスタントの白人男性)候補のマッケインに流れる、と言われている。
そして、その票は決して馬鹿に出来ない力を持っている。
私が、マッケインが勝つ、と予測する所以だ。

選挙権の無い私にとって、大統領選挙は「他事」とも言える。
とは言え、この国に生活している以上、大統領の政策と無縁ではいられない。
「誰がやっても変わりはないさ」
諦観思想の何処かの国とは異なり、大統領の資質は日々の生活に関わって来る。
まあ、だからと言って集会に行ったり、カンパをしたりする気はさらさら無い。
テレビを見ながら、
「随分悪相になって来たね」
とか
「最近ちょっと態度が大きいようだな」
などと評定している程度。
よく考えてみると、選挙権があった日本でも同じようなことをしていた記憶が…。

全1ページ

[1]


よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事