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「ダイエット」は、世界中の女性の関心事だろう。
様々な「ダイエット法」が開発され、忘れられ、また開発される。
「これで貴方は20kg痩せられる!」
惹句は常に素晴らしく、結果は常にほろ苦い。
「リバウンド」は、一旦痩せた人が、また肥ること。
「リバウンド」を繰り返すと、痩せることは更に難しくなって来るそうだ。
「禁酒」「禁煙」も難しいが、「ダイエット」はもっと難しい。
「酒」や「煙草」は、手にしない口にしないことで縁を切ることが出来る。
「ダイエット」はそうは行かない。
食べ物を口にしないことは、不可能だから。
痩せたい人は、カロリーの低いものを選んで食べる。
それは正しいのだが、それでは栄養が偏って来てしまう。
「ビタミンCの欠乏は…」とか「たんぱく質の不足は…」とか、昔習った記憶がある。
一般的には「脂肪」と「甘味」が大敵、と言われているようだ。
アメリカには勿論、多くの「肥満体」の人々がいる。
100kg程度なら幾らでも目につくし、200kgだって稀に見かける。
300kgだっていないわけではないが、それくらいの人はもう外を歩くことが出来ない。
家の中で、ベッドの横たわっていたりする。
超肥満者を病院に連れて行くために、ドアを壊してフォークリフトで運んだという話を聞いた。
400kgを越えていたそうだ。
アメリカでは、こういう人は「Fat(デブ)」とは呼ばず、「Obese オビース(肥満者)」と呼ぶそうだ。
「Obese オビース」の問題は、常に大きな社会問題と言われ続けてきた。
何故そこまで肥ってしまうのか。
私には、想像もつかない。
言われているには、「Fast food (ファーストフード)」の常食が大きな原因ということ。
ピザ、ハンバーガー、ポテトチップス、フライドチキン、タコス、Etc.
それに加えて、多量のソーダ(コカコーラなど)類やシェーク。
腹一杯食べた後の、たっぷりのデザート。
一度の食事で1500カロリー以上が摂取されるという。
つまり、「脂肪」と「糖分」が中心。
そして、それが常に低価格で街中に溢れている。
超肥満者は、都会では意外に少ない。
人の目だって気になるだろうし、何やかやと歩く機会も多い。
緊張を強いられる、ということもあるだろう。
だが所謂カントリーサイド(田舎)に行けば、肥満者の多さに驚く。
日本で言う「デブ」は、腹部周囲が太い人が大部分。
だが本格的肥満者は、下腹部から下が肥大している。
言うなれば、「洋ナシ」型。
普通の歩行が難しいので、両手を振りながら全身を運んで行く。
「肉塊の移動」、という形容がぴったり。
一家揃って肥満者揃い、なんて家族も珍しくない。
「脂肪」と「糖分」と書いたが、この2つは一番簡単な「美味」。
安い「ファーストフード」は、ほとんどこの2つから成り立っている。
子供時代にこの2つに馴染めば、その先には進まないらしい。
「辛味」「酸味」「苦味」「渋味」などとは、生涯無縁で生きて行くことになる。
だが日本人だって、他人事と見過ごすことは出来ない。
「甘いわー」とか「脂が乗ってる」とか、最近ではテレビで頻繁に聞かされる。
野菜を齧れば「甘い」と言い、魚を食べれば、「脂が乗っている」。
今では、どちらも褒め言葉のようだ。
「甘くはない」野菜や「脂の乗りが薄い」魚は、敬遠されがちになる。
だから農家は「甘味が強い」野菜ばかりを植え始めるし、魚は「養殖」が中心。
旬の天然ブリの脂肪含有率は11%強だが、養殖ハマチは20%を超えている。
「最近の客は、『養殖』の方が旨いって言うんですよ」
寿司屋の職人も、嘆きながらも認めている。
「肥満」のもう一つの大敵は、「間食」。
なんせ「間食」用の食品は、スーパーの店頭に山と並んでいる。
「止められない止まらない」が売り物だから、人は四六時中口を動かしている。
チップス、キャンディ、チョコレート、此処でも「脂」と「糖分」のオンパレード。
「間食」の多い子供は、きちんと食事をしなくなる。
不規則な食事が、これまた「肥満」の大敵だとか。
私が小さかった頃、子供は大抵空腹だった。
親が呼ばなくても、夕食時には家に帰る。
学校の給食はそれほど旨くはなかったが、ほとんど残さずに食べた。
食べられる時に食べておく、という教育が身に沁みついている。
私はこれを、「食べ急ぎの世代」と名づけている。
「飯は先にしますか、それとも後で?」
こう聞かれれば、ほとんどが「先に食っちゃおう」と答える。
今の子供は、違うらしい。
「あんまりお腹が空いてないから、後で良い」
「別に食べなくたって、構わない」
子供だけではなく、若い人たち全般に言えるようだ。
間食が多いから、空腹を感じる時がないのかも知れない。
「肥満問題」は、日本では未だそれほど深刻ではないようだ。
それは多分に、まだ「空腹」を知っている世代の存在があるからだろう。
その世代が交代して、「後で良い」の世代が中年になる頃。
「肥満」は「Obese オビース」という社会問題に、姿を変えて現われて来るかも知れない。
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