還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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オバマ大統領は、「銃規制」に言及した。
1月中には何らかの法例の素案が提出されて、議論が始まることになる。
大統領の動きが早かったのは、事件の深刻さによるものだろう。
「幼い子供を的にする」ことは、タブーの中のタブーとされている。
それが20人もの犠牲者を出し、さらに大人も6人撃ち殺された。
犯人が自殺してしまったことで、動機は永遠に闇の中に葬り去られたわけだ。
1999年のコロラド州コロンバイン高校、2007年のバージニア工科大学、何れも犯人は逮捕の前に自ら死を選んでしまった。
考えようによっては、大勢の道連れを伴う「無理心中」とも考えられる。
全くの無辜の被害者にとっては、たまった話ではない。

最大のロビー団体「NRA − ナショナルライフルアソシエーション」も、この事態に動きを見せている。
とは言うものの、彼らの基本姿勢は「事態を見守って、状況に応じて判断する」だ。
譲歩する状況であれば、その譲歩は最小限に留める。
「全てのアメリカ国民は、自分を守る手段を持つ権利を有する」ことは、憲法に明記された事項。
そこを最低線にして、「銃規制」派の動きを注視する。
何故なら、「銃規制」擁護派にも、かなりの温度差があるのだ。
どういう「規制」が、望ましいか。
10人に聞けば、10通りの答が出て来る。
厳しい法律を望む強硬派から、ある程度の柔軟性を持たせた中庸派まで。
大別すれば、ざっとこんな風だろう。
1、銃の保持を一切禁止し、所持も許さない。
2、申請者に限られた種類と数を許可し、使用には厳しい制限を設ける。
3、大量殺戮に使われる「自動小銃」などを禁止して、普通のライフルなどは所持可能。
4、大量の銃の所持や、申請無しの購入を認めない。
5、ほとんど従来どおりだが、銃の管理を厳しくさせる。

「NRA」の会員は、400万とも500万とも言われる。
今回の事件以後、入会者は増えているという情報も流れた。
また、銃の販売に規制が加えられることを危惧して、銃器の購入者も増加したという。
つまり、銃を保持したいという人の数は、決して減っていないということ。
「NRA」がある程度事態を楽観視しているのには、こういう理由がある。
「『規制」派は纏まりがないから、大きな力にはなれない』
「『規制』に熱心と言われる民主党にも、大勢の軍隊経験者がいる」
「彼らは、完全な所持禁止などは考えてもいない」
「『規制』派の足並みの乱れを衝けば、法案は骨抜きに出来る」
勿論「NRA」がそう言っているわけではないが、衆目は一致してそう考えている。

実際、「銃規制」は憲法を含めて、難しい問題なのだ。
「Smart Gun (賢い銃)」というアイデアがある。
アイルランド人が考えたものだが、ちょっと聞くとなかなか良いアイデアなのだ。
「銃把にマイクロチップを埋め込み、所有者の指輪やペンダントにもチップをつける」
「この両者が合致しなければ、銃は弾丸を発射出来ない」仕組み。
このアイデアであれば、子供が親の銃を持ち出して誰かを撃つ、ということは避けられる。
こういう事故での死者は、毎年数百人。
今回のサンディフックの事件でも、犯人は母親の銃を使うことは出来なかっただろう。
だが、このアイデアはなかなか陽の目を見ない。
「私は、家族が私の銃を使えずに、侵入者に殺されるのを見ているわけには行かない」
そういう声があり、賛成者は少なくない。
「自衛は銃で」という、長年の感覚が捨てきれないのだろう。
また実際に、アメリカの警察力の限界を感じている人も多いとしか思われない。

オバマ大統領は、国民の声に応えるべく「銃規制」に舵を切った。
だがそのタイミングを危ぶむ声もある。
1月半ばには素案が出来る、と政府筋は考えているという。
だが、現実はそう容易ではなさそうだ。
数百年の「銃」の歴史が、そう簡単に覆るのか。
大統領は、法案成立にまで漕ぎつけられるのだろうか。
素案が出た段階で、「規制賛成派」からも「規制反対派」からも一斉に声が上がるだろう。
「生ぬるい」「物足りない」規制派と、「やり過ぎだ」「話にならない」反規制派と。
喧々囂々は、今から見えるようだ。
「ああでもない」「こうでもない」が繰り返されること必定。
恐らく「NRA」の意を受けた共和党から、妥協案が出る。
それに民主党の「規制賛成派」が噛み付いて、時間ばかりが費やされると思う。
そのまま「廃案」に行くのかと思うが、そこは日本とは異なる。

最終的に両党の代表が話し合い、「折衷案」若しくは「妥協案」が捻り出されることになるのか。
それに大統領が、「GO」サインを出して決着するのだろうか。
「殺傷力の高い重火器は、販売させない」
「購入には申請が必要で、販売者は届出の義務を負う」
「購入者は、使用可能の家族内の成人のリストを提出する」
「複数の銃を所有する場合は、購入前に許可を申請させる」
「各州でそれ以上の規制を設けることは、妨げない」
まあ、そこら辺が落としどころということになりそうだ。
それでも「NRA」は、最大の抵抗を試みるだろう。

昨日、「NRA」は「学校を防御するアイデア」を発表した。
「悪い奴が銃を持って襲ってくるなら、良い奴に銃を持たせて守る」
つまり、各学校に最低一人の保安要員を置こう、というもの。
一寸見は「噴飯物」のアイデアなのだが、ある意味現実的なことは確かだ。
「銃の販売規制」とか、「所持の制限」などより、遥かに実効性がありそうに思える。
現に今回の惨劇の被害者の親は、賛意さえ表明している。
確実に銃を持った警備員が、学校をパトロールしているという状況。
これは、無差別殺人を計画する犯人にとっては、抑止力にはなり得るかも知れない。
だが、襲撃者が先ず警備員を撃ち殺してしまったら、後はどうなるのか。
そして、この案は「学校警備」にしか触れていない。
犯罪に使われる多くの銃や、無分別に買い込まれる殺人兵器にはノータッチ。

流石に、「NRA」の協調的な共和党からも、この案に対する批判の声が上がった。
もともと「銃規制」賛成派が多い民主党は、一斉に非難している。
「『NRA』は、事の重大さを全く認識していない」
「こんな小手先の誤魔化しで、『銃規制』を葬ることが出来ると考えているのか」
批判というより、呆れたといった方が正しいかも知れない。

二期目に入るオバマ政権。
その船出の前途は、この問題にかかっているとも言えそうだ。
「時限立法」で逃げるこおてゃ、もう許されないだろう。
此処は緊褌一番、見せ場を作って下さい、オバマさん。

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