還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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メジャーリーグの球団は全部で30だが、その下部組織まで入れればさらに120チームある。
合計150の野球チームがアメリカの各地で年間100試合以上を戦っているわけだ。
しかも驚くべきことは、そのどれもが独立採算のシステムを作っており、球団の構成もメジャーとほとんど変わらない組織図になっているという。
どのチームにもちゃんと経営者がいて、何とか採算をプラスで終わらせるように努力している。
マイナーのチームの選手構成は少々複雑だが、主体はメジャーから預けられた若手選手であり、彼らを育成して上のクラスに送り出すことも大事な仕事だ。
さらには、故障してリハビリテーション中のベテランも送られて来るから、彼らには出場機会を最優先で考えてやらなければならない。
それでいてそのマイナーのチームはちゃんと2Aなり3Aのリーグに所属していて、ペナントレースを戦う。
開幕から活躍して来た若手の有力選手は、メジャーに故障者が出ればさっさと抜かれて行くし、何より当の選手がチャンス到来に大喜びしているのだから、戦力欠乏の嘆きは口に出来ない。

ドラフトで早い順位で選抜されるような選手はやはり上に行くのも早く、高校卒で4,5年、大学卒で2,3年のうちにメジャーに上がるのが一般的らしい。
勿論なかには跳び抜けた才能を持つ新人もいて、高校をでて1,2年でメジャーに呼ばれたアレックス ロドリゲスのような超大物もいる。
だが一般的にアメリカのプロ野球では高校卒の新人は未だ肉体が未成熟であり、無理に上に上げても良いことは無いと割り切っているようだ。
ヤンキースのキャプテンを長年務めて引退したデレク ジーターは入団時に既にメジャークラスの才能と呼ばれたが、それでも4年間のマイナー生活を送っている。
高校時代の活躍から既にある程度の人気もあったが、ヤンキースはじっくりと彼の成熟を待った。
20年のプロ生活で3,465本のヒットは、その賜物と言えるかも知れない。
また彼は怪我の少ないプレーヤーだったが、それはマイナー時代に培われたものではないだろうか。
どんなスポーツでも故障が少ない選手は大事にされる。

その代名詞がイチローだと言えば、頷く人も多いだろう。
既に選手としては高齢のイチローと契約する大きな理由は、彼の試合前のストレッチを若手選手に学ばせたい、という首脳陣の意思があることは間違いない。
ではあるが、何処のチームでもイチローと同じ時間割で準備体操をこなす選手は現れなかったそうだ。
2時間以上かけて身体をほぐすイチロー方式に、ついていける選手はいなかったのだろう。
感心し賞賛は惜しまないが、同じことが出来るかと問えば答えは違って来る。
20歳前後と言えば食べ盛り遊び盛りの年頃。
球場での練習中は監督やコーチの目が光っているが、それ以外は本人の自由。
あたら溢れんばかりの才能を浪費して、去って行く若者も多い。
メジャーリーグのドラフトでいの一番に指名されることは、新人戦主として最高の名誉だろうが、それ以降さっぱりのまま球界を去って行く選手もいないわけではない。

1965年以降のドラフト一位選手の中で、野球の殿堂入りの栄に浴したのは、1987年のケン グリフィーJRただ一人であり、可能性としては1993年のアレックス ロドリゲスがいる。
逆にいの一番に指名されながらメジャーにも上がれず去って行った選手は2人いた。
1991年にヤンキースが指名したブライアン テイラーは「史上最高の高校生」と謳われながら、兄弟の起こした喧嘩に巻き込まれ肩に重症を負う。
数年間のリハビリも空しく、彼は結局メジャーでは1球も投げることなく引退を余儀なくされた。
これはドラフトいの一番の話だから、それ以下の新人には同様の話が山ほどあるだろう。
私はテレビから流れて来る日本の高校野球の中継を耳にしながら、一体この中から幾人の選手がドラフトで指名され、幾人が1軍に上がり、幾人が納得の行く野球生活を送れるか、考えてしまう。
彼らの当面の目標は春と夏の甲子園であり、夢は勝ち上がって決勝戦を戦うことだろう。
そのどちらにしても誠に狭き門であって、ほんの一握りの選手しかその門を潜れない。
それ故に「甲子園優勝投手」となれば、別格扱いを受け、一躍時の人に祭り上げられる。
進学かプロ入りか、メディアは時に持ち上げ時にけなし、はっきり言えば好き放題に書く。

今メディアが連日のように報じている超高校級のホームランバッターなど、その典型と言えそうだ。
彼に関する毀誉褒貶は、嫌でも新聞やテレビで読まされ聞かされる。
数ヶ月前には将来の日本球界を背負って立つと言われていたが、そのニュアンスが今は少々変わった。
「すぐにプロは無理」、「長所も多いが欠点も沢山ある」、「走れない守れない」云々。
この間、この18歳の少年は何もしていない。
黙々とバットを振り、走り、球を追っているだけ。
つまり全てはメディアがファンの知りたがっている、若しくは聞きたがっている情報をある部分はそのまま、ある部分は脚色を交え、ある部分は書く人の想像で拵えて提供しているのだろう。
考えてみれば、日本のマスコミ報道はその誕生以来同じことを続けて来たのではないだろうか。
「寄らしむべし、知らしむべからず」は未だに死語になっていないようだ。
頼みもしないのに「滅多打ち」に遭った人気投手を追いかけ、今では息の根を止める寸前。
球団が解雇すれば、彼を懐かしむ特集を組むのだろう。
もしかしたら、その特集は既に組まれて陽の目を見る日を待っているかも知れない。

それがファンの待ち望んでいるものであるとすれば、何をか況やだが…。

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