還暦スイマー望郷日記

30余年のニューヨーク、今浦島の心境を…

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時々変わったものが食べたくなる。
「変わった」と書いたが、別に怪しげなものではない。
カレーうどんとかハヤシライスとか、日本風に言えばB級グルメと言うのだろうか。
ニューヨークに日本レストランは数あるが、そこで注文出来るかどうかは定かではない。
カツ丼はあってもカツカレーはないとか、スパゲッティナポリタンはあるがタラコスパはないとか。
うどんは数種類あっても、力うどんがあるという保証はない。
中でもなかなか見つからないのが、中華料理の日本風のもの。
「中華丼」、「天津麺」、「広東麺」、どれも本家は中国らしいが、日本で変身してしまっている。
帰国して街場の中華料理店に行けばいとも簡単に食べられるものばかりだが、ここには無い。
稀にメニューに載せる店もあるが、はっきり言ってかなりお粗末なものが多い。
見た目だけはそれらしいが、食べてみれば違いはすぐ分る。
日本風中華料理の店は過去に数軒開いたが、それほどの人気は呼ばなかったようだ。
料理の鉄人と呼ばれるシェフの店も、何時の間にかひっそりと姿を消していた。
考えてみればマンハッタンだけでも数え切れないほどの中華レストランがあり、それどころかチャイナタウンと称される地域がいまでは3,4ヶ所あって客を集めている。
旨いと言われる店を幾つか試したが、いまひとつ口に合わない。
使う香辛料の違いや原材料の差が影響しているのだろうが、はっきり言えば客の嗜好の違いだろう。
日本の中華は日本人に合わせてあり、マンハッタンの中華の対象は絞られていない。
さらに日本では競争が激しい所為もあってか、材料の選別が厳しい。
日本人が食べて「旨い」と感じるのは、当たり前ということだろう。

日本に帰ったとき、稀に中華料理店に行くことがある。
サンプルを見たりメニューを見たり色々と思案はするのだが、頼むのは結局3,4種類に限られる。
その中でも良く頼むのが「上海焼きそば」というひと品。
良くみれば中華麺を炒めただけのものだが、具材が色々入っている。
どうも子供の頃から見た目が華やかな料理が好きな所為か、この具材に弱い。
海老、イカ、豚肉、鶉の卵に幾種類かの野菜。
食べてしまえばどうということもないし、次にも是非にというほどのことはないが、つい頼んでしまう。
見ているとこの「上海焼きそば」はなかなかの人気アイテムらしく、あちらでもこちらでもオーダーが出ている。
その理由を考えてみると、何となく見えて来るものがありそうだ。
日本人は何と言っても華やかなものが好きだ。
そして、一つの皿で幾通りかの愉しみ方が出来ればなお良い。
握り寿司だって、1桶の中に種々のネタが盛り込まれており、彩りと味の変化が持ち味。
天麩羅も幾種かの魚介と野菜が、ひと皿の中で調和を見せてくれる。
鍋物もそうだし、日本中の駅頭で売られている駅弁も、色や味の組み合わせの心配りが売り物。
逆に、一種類の食材で勝負出来る商品が際立って見える、ということも起こる。
刻み葱がぱらりとかけられた「かけそば」や「素うどん」が、枯れた山水画に見えてしまう。
「上海焼きそば」は、その中での中華代表と呼んでも良いひと皿なのだろう。

その「上海焼きそば」を作ってみようと思い立った。
上海料理には「両面黄(リャンメンホア)」という麺類がある。
蕎麦の上下を鍋に押し付けて焼き目をつけて、最後に具の入った餡を上からかけたもの。
日本で言う「固焼きそば」に似ているし、長崎の「皿うどん」とも似ていると言えるかも知れない。
中華系のスーパーには様々な麺が売られているが、実はこれが私の忌避する代物。
見た目は日本の中華麺そっくりだが、味わいは全く異なっているしコシもない。
で、日系スーパーで日本風中華生麺を買い込んで来た。
具としては、豚肉、イカ、きくらげ、キャベツ、もやし、香菜、辺りで良しとするか。
また餡には片栗粉が必要だし、味は中華スープ粉末を基本にすれば良いだろう。
作り慣れていないものは、手順で苦労させられる。
特に中華料理は下準備が出来ていないと様にならないという。
昔、中国人は一つの鍋で全てを拵えたと聞く。
たった一つの支那鍋で、スープ、前菜、揚げ物、煮物、〆のご飯ものまで作ったそうだ。
それが出来たのは、彼らが先人たちに学んだ料理の骨格だろう。
段取りさえしっかりしていれば、幼い時から馴染んで来た料理の手順は間違えようがない。
だから私も先ず、「上海焼きそば」作りのおさらいをしなければなるまい。

豚肉とヤリイカをほぼ同じ太さに切り揃える。
きくらげは水で戻して細く切り、キャベツは豚やイカと同じ幅に刻む。
もやしは水洗いをして笊に上げ、香菜は細かく刻んで水を切っておく。
生姜を細切りにして、炒めるときの香りづけに用意する。
調理のスタートに熱湯を沸かしておく。
鍋に熱湯を沸かし、麺を入れて3分ほど茹で笊にあげて水でさます。
水で冷ました麺をもう一度熱湯に入れ、再び水で冷まし笊に揚げ、胡麻油を垂らして麺に馴染ませる。
ここから暫くは餡の製造に専念しなければならない。
片手の中華鍋に胡麻油を薄く流し、熱したところで刻み生姜を投入した。
匂いが立った辺りで豚肉を入れて強火で炒める。
続いてイカも入れ、これも同様に熱して軽く塩コショウを振りかけ、そこへきくらげも放り込む。
さらにキャベツを大量に投げ込みイカや豚と混ぜ合わせ、そこへ中華スープの素を振りかけた。
すかさず酒と水、ナンプラーを流し込み、鍋の中味をスープに馴染ませる。
煮えて来た辺りでもやしを加え、フライパンを熱し始める作業にかかる。
フライパンにはサラダオイルを流し、充分熱したところへ麺を入れて拡げた。
上からフライ返しで軽く押さえ、「じゅっ」という音を聞く。
5分ほどで、押さえた麺に薄茶色の焼き目がついたのを確認して全体をひっくり返す。
中華鍋を強火にして餡を熱し始め、暫くして中火に落とす
フライパンの麺の裏側も色目がついたのを確かめて、用意した深皿に移す。
餡の入った中華鍋の火を強火にし、溶かした片栗粉をかけ回してとろみがつくのを見守る。
餡を深皿の中華麺の上からたっぷりかけ、刻んだ香菜を満遍なく振りかけて出来上がり。

試作を食べた感想を言えば、なかなか旨かったと言って良い。
鶉の卵とか浅蜊などを入れればもっと本格的になるだろうが、素人料理にはこれくらいで充分だろう。
スープにオイスターソースを入れるというレシピも見たが、甘くなりそうで止めた。
未だ幾つか改良の余地はありそうだが、それに取り掛かるのは数年後になりそうだ。

一言で言えば、「労多かれども 益薄し」といった辺りか。

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