地球のど真ん中

記憶と思考のプロセスを地の底へ鎮めていくためのブログ…賛辞と惨事、どちらが多くなるのでしょうか。

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BBC?

さて今年ももう終わり。
少しずつ書いてきましたが今年の印象的なライブについて今さらながら書いておきたいと思います。

クラシックで強烈だったのは尾高忠明指揮の名古屋フィルハーモニー交響楽団(名フィル)です。

名フィルは国内有数のオーケストラとしての演奏をするかと思えば、一方でアマオケ以下の演奏をするときもあって、
正直チケットを買うには躊躇することが多いオーケストラです。
ですが、尾高先生のラフマニノフとあっちゃぁ、これを聴かないわけにはいかないと思って買ったわけです。

以下、演奏の曲目と感想です。

[吉松隆:朱鷺によせる哀歌 作品12]

この曲は知りません。
現代音楽なんで当然ですが。

弦楽器がフラジオレットを多用していて確かに朱鷺が鳴いているようにも聞こえるし、
楽器のボディを叩いて羽ばたきのような音も聞こえる。
コルレーニョも多用しているのでおそらく弦楽器奏者にとっては迷惑極まりない作品です。

ただ・・・鳴き声というか悲鳴というか断末魔というか・・・。

終始「朱鷺がかわいそうだー」と叫んでいるようにしか聞こえず、音楽的な魅力は感じず。
(一応曲の目的は果たしているわけですが・・・)
さらに特徴的なこととして弦楽器がバイオリン、ビオラ、チェロを2つのパートに分け、左右に配置。
センターにはコントラバス、それを囲むようにしてピアノが配置されています。

鶴翼の陣?

いや朱鷺か。
これが図としてスコアに指定されているらしい。
こんな特殊効果、ステージ見んとわからんし、CDじゃサラウンドでもなきゃなんのこっちゃわからんな。
多分この曲を聴くのは最初で最後になることでしょう。

[レスピーギ:交響詩『ローマの噴水』]

名フィルはキラキラを手に入れた。

どうやらここらあたりから尾高先生の本領発揮です。
すごい。
こんなにキラキラな名フィルは初めて聴いた。
こんな音出せるんだ。

いかにも噴水のキラキラ感がよく現れていました。
美しい。
レスピーギの魅力満載でした。

[ラフマニノフ:交響曲第2番ホ短調 作品27]

いよいよメインディッシュ。

こ・・・これはBBCか?

目を閉じるとそこにはBBCウェールズ交響楽団がいるんじゃないのかと思うような美しい音色でした。
BBC尾高のラフマニノフは何十回と聴いているのですが、遜色のない演奏。
名フィルがこんな演奏を出来るなんて。
うれしい誤算でした。

深い哀愁を帯びた1楽章。
激しく攻撃的な2楽章。
突き抜けた美しさを放つ3楽章。
明朗で希望に満ち溢れた4楽章。

この曲は構成が絶妙で、聴いている人のテンションを上げまくります。
特に4楽章の盛り上がり方。
チャイコフスキーの5番ほどではないですが、バカっぽいぐらい。
そのシンプルさが人の心を高揚させます。

「ブラボーや早すぎる拍手はやめて」

そんなことがようやくパンフレットに書かいてくれるようになりましたが、
この曲、この演奏にはブラボーがふさわしい稀有な公演となりました。
まあ4楽章自体がブラボーを煽ってるとしか思えない構成になってますからね。

自分は高揚のあまり体が熱くなっていました。
おかげで帰り道は寒くなかったぐらいです。
いい音楽がここまで身体を温めてくれるとは。
新しい感動です。


しかし・・・1つ疑問が。
この日のお客さん、何聴きに来たんだろう?

正直、名古屋飛ばしが普通に行われる音楽過疎地で最近攻撃的なプログラムの多い名フィル。
この日もそう。
現代音楽を聴きに来たとは思えないし、レスピーギも「松」ならまだしも「噴水」。
そしてラフマニノフの交響曲・・・。
尾高だから聴きに来た?
それも多少ありそうだけど・・・なんだかな。
みんな寝てるか、チラシやパンフを見ているか。

邪魔くせぇ。

そんなんだったらチケットじゃなくてCD買って家で聴けば?
結論。
ラフマニノフの2番をピアノ協奏曲と間違えた?
以上です。

自分もひどい演奏を聴くと眠くなりますけど、
この日はそういう感じじゃない。
歴史的な好演なのに・・・。

まあいいや。
シアワセでしたから。

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