u-jiroの日記帳

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今日も前回に引き続き、スタンプラリー事業のポイントを議論していきたいと思います。
今日のテーマは新たなスタンプラリー事業をおこなうにあたっての特徴を検討していきます。
 
スタンプラリー事業の特徴の比較
 
従来のスタンプラリー事業では、既存の顧客に対して事業の存在を知ってもらう必要がある。そのため、顧客が店頭に来た折などに、スタンプラリー事業の内容をPRしたり、店頭などの目に付きやすいところにポスターやチラシを貼るなどして周知活動を行ってきた。また、時には、地域限定で新聞などに折り込み広告を入れたり、地域のコミュニティ誌などに広告記事を掲載したりしている。これは言い換えるなら、現実空間におけるコミュニケーションを重視する傾向にあると言える。
一方、プロモーション型スタンプラリー事業でよく見られる手法は、新聞やテレビ、もしくは大手のポータルサイトなどのマスメディアに取り上げられることを意識したPR活動が中心である。大手マスメディアを意識するのは企画自体が万人受けするものではないため、ある程度、広い範囲から顧客を集める必要があるからである。
 更にプロモーション型スタンプラリー事業が特徴的なのは、マスメディアなどの情報をもとに、実際に街までやってきた顧客と商店街側が関係性を深めることはもちろんのこと、顧客同士が関係性を深めるような仕組みを構築していることである。その手段として、プロモーション型スタンプラリー事業においては、情報空間におけるコミュニケーションに重点を置いているのである。具体的には、初期の段階であれば来街した顧客がツイッター、SNSやブログなどにおいて事業に関する情報を発信してくれるケースがある。また、より関係性が深くなっていけばホームページなどを通して、インターネット上で事業の魅力やルールを発信してくれるスポークスマンとなってくれたり、事業に対する改善点の提案や積極的に事業に関わりを持ってくれるようなケースなども見られる。
 
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今日は先日に引き続き、旧来型のスタンプラリー事業と新たなスタンプラリー事業を比較検討しながら、プロモーション型スタンプラリーと呼べる、新たなスタンプラリー事業のポイントを検討していきたいと思います。
 
スタンプラリー事業の対象顧客、意図、期間の比較
 
以前、既存のスタンプラリー事業の主な効果が既存顧客に対する利益還元活動であるということは確認してきた。しかし、プロモーション型スタンプラリー事業では旧来からの既存顧客に対する利益還元活動という方向性から、新たに街に消費者を呼び込むためのプロモーション活動へと、その軸足を移している。
 軸足を移した主な狙いとしては、まずは、大型ショッピングセンターなどとの差別化が挙げられるだろう。最近では大型ショッピングセンターなどにおいてもポイントカードなどを使用した利益還元サービスを行っており、大きな差別化要因とならないからである。
次に既存のスタンプラリー事業については、どこの商店街でも行われているようなごくありふれた取り組みとなってしまったために、消費者に対する訴求力が弱まってしまったことも指摘できるだろう。プロモーション型スタンプラリー事業では、他の商店街の取り組みと差別化を図るために、今までとは全く違うコンセプトのスタンプラリー事業が生まれたと考えられる。他の商店街との差別化を図ったことは、マスコミの興味を引くことになり、商店街側のメディアを活用したいという意図ともマッチしたのである。
つまり、大型ショッピングセンターとの違いを際立たせるために「街」という資源を活用することや、既存の商店街との差別化の観点から「線」に囚われない取り組みが出てきたと考えられる。そして、対象顧客も既存の商店街の顧客よりも、より拡張した範囲から呼び込むことに主眼が置かれるようになったのである。
プロモーション型スタンプラリー事業の意図が既存顧客への利益還元活動から新規顧客へのプロモーション活動へと明確に変化していることを表している点として、スタンプラリー参加者に対する景品が挙げられる。既存のスタンプラリー事業においては、家電製品や旅行券、もしくは第2章でみてきたように現金と同等のものが景品として用いられており、このことによって既存顧客に対する利益還元活動を行っていた。しかし、プロモーション型スタンプラリー事業においては、景品に関する費用はほとんど用いられていない。例えば、京都激辛商店街に関する事例においては、応募者全員に認定証を配り、月に一度、500円から1,000円程度の記念品が1名に当たる程度であるし、鷲宮商工会の取り組みについても商工会で独自製作しているオリジナル商品を配るだけであり、既存のスタンプラリー事業と比較してみると顧客への利益還元という意図は相対的に小さくなっていることが分かる。
 このことは、プロモーション型スタンプラリー事業における意図が、消費者に新たに再編成された商店街の各店舗を回遊してもらうためのプロモーション活動へと変化したことを明確に表していると考えられる。
 事業の対象顧客と意図が変わったために、それに伴い、スタンプラリー事業の期間についても違いがみてとれる。既存のスタンプラリー事業が、お中元時期や年末の売り出し時期などの短期間に行うものであったのに対して、プロモーション型スタンプラリー事業では新規顧客に対するプロモーション活動となったことで、一年を通して行われるなど、より長期化する傾向にある。
 
 
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前回までに、京都府向日市の激辛商店街の事例、埼玉県久喜市の鷲宮商工会による「らき☆すたスタンプラリー」の事例をみてきました。今日は、これらの新たなスタンプラリー事業と今までのスタンプラリー事業を、少し大きな視点で捉えなおして、どのような点に違いがあるのかを検討してみたいと思います。
 
 スタンプラリーの実施主体に関する比較検討
 
まず、スタンプラリーを行う実施主体である商店街の枠組みであるが、旧来は主要道路の沿線に点在する商店街が主導的な役割を果たしていた。
 しかし、プロモーション型スタンプラリー事業では、「線」として捉えられる既存の商店街という枠組みには捉われない。つまり、事業の当初から域的な「面」を意識して事業展開がなされているのである。  
本来であれば、歯抜け状態で広域的な広がりを見せれば、事業としての魅力は減少してしまうことが多い。しかし、このような形態を採用する理由としては、①多くの近隣型商店街は連続性を保てていないことや、②共通目的を持った、やる気のある人だけを商店街の構成メンバーへと再編成するためである。
近隣型商店街の多くは、すでに、後継者不在などによる廃業が相次ぎ、「線」としての一体性を保てなくなってきているところが多い。また、店舗が実在していたとしても、事業主の高齢化などにより積極的な経営を行っていない店舗も多く存在する。このことは既存の商店街が物理的に歯抜けの状態となっているということだけでなく、実在店舗間における事業に取り組む態度などの心理的な側面における要因も深く関係しているのである。そのため、もう一度商店街という集団を共通目的を有した組織へと組みかえる必要がある。
商店街を再編成することの重要性は工藤(2006)や坂本(2009)も指摘している。
工藤(2006)は、「個店として生き残る店が集まるところが、これからの本当の商店街ではないか」と考え、既存の商店街、つまり地理的に隣接しあっている商店の自然発生的集合体ではなく、質のよい客を相互に紹介しあえる個性的な店のネットワークに注目し、そのような店の集合体を「商店街」に対して「個店街」として区別している。そして、既存の商店街が再生するにしても実質的には「個店街」の性格を強く持つ商店街以外にありえないと述べている。
 坂本(2009)は、商店街の共通目的の重要性に着目し、商店街組織の運営方針やコンセプトが明確でなければ、構成員の共通認識が持てないだけでなく、地域内外の生活者に対しても商店街を十分アピールすることができないと述べている。
とは言え、地理的な連続性を保てないことは、消費者側にとって大きなマイナス要因となることは否めない。そこで重要になってくるのが、これらの離れ離れの店舗をつなぐ「企画」である。
事例を観察してみると「企画」自体に独自性や魅力があれば、例え地理的な側面において連続性がなかったとしても、消費者への訴求力は低下しないということが分かる。逆に、ある意味では、不連続であるがゆえに、次の店舗を見つけるまでの宝探し的なドキドキ感というものを感じることができるようになっている。結果として、既存の商店街の枠組みにとらわれないことにより、新しいムーブメントをおこすことが可能となってくるのである。


工藤剛春(2006)「商店街活性化と逸品プロジェクト」『千葉商大論叢』第43巻第3・第4合併号pp.116-117
坂本光司編(2009)『ケーススタディ この商店街に学べ!−全国30商店街の活性化策』同友館p.294
 
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今日は前回に引き続き、鷲宮商工会のスタンプラリー事業について検証してみたいと思います。
特に鷲宮商工会のおこなうスタンプラリー事業の新規性について検討してみます。
 
鷲宮商工会のスタンプラリー事業の新規性
 
 鷲宮商工会におけるスタンプラリー事業において特徴的なのは、スタンプラリー事業を通じて消費者と商店街の間に関係性が構築され、時を経るごとに、より進化していく点である。従来型のスタンプラリー事業では、事業の効果があるのは一定期間だけであった。しかし、鷲宮商工会のスタンプラリー事業では継続的にその効果がみられるのである。
具体的には、インターネットを通じて情報を入手した消費者は、商店街を訪れて、記念になるようなものの写真や商店主との交流の様子をブログやSNSなどに発信するようになる。更に発信した情報はインターネット上におけるコミュニティにおいて情報交換され、常に新たな情報が更新されるような循環を生むようになる。そのような情報のやりとりは現地にいない人々と共有されるのであると岡本(2009c)は報告している。
 つまり、スタンプラリー事業をきっかけとして商店街にやってくる消費者と継続的な関係を築いていくなかで、商店街および街のブランド化を図っているのである。このように消費者との関係性を上手く利用して街のブランド化を図るということについて遠山(2007)は、ブランドが確立される前の段階でも、認知された街並みがあれば消費者と生産者との間でコミュニケーションが成立し、コミュニケーションが盛んな街並みは賑わいの「場」となり、賑わいが恒常的になればその「場」がブランド化することになると指摘している。


遠山浩 関満博(2007)『「食」の地域ブランド戦略』新評論,pp. 233-234
 
 
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今日は、先日に引き続き、鷲宮商工会のスタンプラリー事業について検討をしてみたいと思います。
 
 鷲宮商工会のスタンプラリー事業
 
 鷲宮商工会のスタンプラリー事業の概要は、スタンプラリー参加者が専用の台紙を持ってスタンプラリー参加店舗に行き、そこで、アニメに関連するメニューを注文するとスタンプが押してもらえる仕組みとなっている。指定した数以上のスタンプを押してもらった台紙を商工会に届ければ、商工会が独自に製作した2種類のアニメオリジナル商品と交換してもらえる。また、スタンプラリー参加店舗においては、事業の統一性をあらわすためにアニメ特製の箸袋を付けるサービスをおこなった。
 鷲宮商工会では、イベントにアニメの世界観を持ち込むことを念頭に置いている。そして、このイベントがファンから認められるために、アニメの権利を持つ角川書店と交渉して事業内でアニメのイラストを使用できるようにしたり、イベントの折には、アニメの作者や声優などを呼んだりして、アニメの世界観を現実で味わえる「アニメ公認」の場としての権威づけを行っている。
 また、地元新聞社が共催者として名を連ね、紙面上などにおいて事業のPR活動を行ったりしているのも、この事業を権威づけるのに一役買っている。
平成2046日から平成20924日まで行われた「飲食スタンプラリー」では参加店舗が12店舗であったのに対して、翌平成21108日〜平成221212日までで行われたスタンプラリー(通称:らっきー☆すたんぷらりー)では、鷲宮地区(当時は鷲宮町)が33店舗、幸手市地区が29店舗という市町村を跨いだ広域的な地域へと拡大を見せている。
 また、平成20年に行われた「飲食スタンプラリー」を詳しく調査した岡本(2009a2009b)によると、スタンプラリー対象商品だけの売上でも500万円から600万円程度あったと推測され、スタンプラリー対象商品以外にも波及効果があった点なども鑑みると、経済的効果はあったと報告している。


 岡本健(2009b)「来訪者の回遊行動を誘発する要因とその効果に関する研究〜埼玉県北葛飾郡鷲宮町における「飲食店スタンプラリー」を事例として〜」,日本建築学会大会学術講演梗概集pp.219- 220
 
 
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