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本来ならば、新潟県柏崎市では、2007年7月24日(火)〜26日(木)まで、「ぎおん柏崎まつり」の予定でした。この告知のURL、 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070716-00000011-sanspo-spo を見ると、まだサーバ上にデータは残っている様ですが、http://emergency.city.kashiwazaki.niigata.jp/2_646_6.html で告知されている様に、このお祭りの全ての日程は中止となり、市役所公式HPのトップページからは辿り着けなくなっています。
このお祭りは、一応江戸時代から続くもので、本来、納涼と言うより、お盆の行事であり、慰霊、追悼の意味も含まれていたものです。
しかし、新潟県中越沖地震が2007年7月16日、起こった所為で、「ぎおん柏崎祭り」の全ての行事は中止となりました。
昨日、2007年7月22日にも、地震での粉塵爆発と見られる工場火災(於、柏崎市松波2丁目の鋳物原料製造工場「シモダ産業」…NHK総合TVで松波町と報道したが、「町」は付かない筈。「松波」1〜4丁目の筈。ただでさえ、「松美」1〜2丁目とと紛らわしいんだから。でも、松美も地元じゃ「松美町」って言い習わす人がいるから、同じ様に「松波町」って言う人もいるかも)でやけど(重症熱傷)を負った富松君夫さん(47)の容態が急変し、亡くなりました。11人目の地震での死亡者。
2007年7月19日に死亡が確認された10人目の死亡者の猪俣孝さん(76)は、同所で見つかった一人と同様、墓参りに来ていた際に、亡くなったもの。
もうそろそろ、お盆なんです。私の住んでいる千葉県柏市のホームセンターなんかにも、線香が並ぶ季節になってます。柏崎市は地方都市ですから、帰省に合わせて、8月13日にお盆の行事をする家庭が多いでしょう。
で…柏崎市の市街地の寺社は、今回の地震で被災したところが非常に多いんです。TVなどでは、寺社の本堂が大広間を備えている所為で、倒れやすかったのだ、との説明がされていますが、もしかしたら過去に、こうした地震で災害が大きく、亡くなった人が多かった場所に墓地を作り、同時に寺社を造ったのかも知れません。私は、そこまで深く柏崎の歴史を知っている訳ではありませんし、資料も今の私の手元にありませんから、断定は出来ませんが。
とにかく、柏崎の中心市街地は寺社の多いところです。都市の歴史的経緯によって、寺社の分布密度は異なるのでしょうが、柏崎市の旧・市街地は、多い部類だろうと思います。私の現在住む千葉県柏市は戦後発展したところですので、比較的少ないのですが、柏崎市の旧・市街地、特に、西本町の南北と、東本町1〜2丁目の南側は、寺社が連なっています。
柏崎では、弥生時代の遺跡は山と平野の境目辺りにあり、律令時代には荘園の存在が認められはしますが、鎌倉時代以降は、町の部分は、主に港町として発展して来たところです。鎌倉時代には、日蓮が佐渡からタライ船で柏崎市番神(現在の柏崎港の直ぐ西隣。現在は海水浴場の意味合いが強い)に流れ着き、番神堂には、神社と日蓮宗か日蓮正宗(創価学会は日蓮正宗系)の寺社が同居していると記憶しています。また、能に「柏崎」と云う演目がありますが、この柏崎です。「崎」と云う地名に見られる通り、この柏崎港辺りの岩場が発祥地点でしょう(西隣は、上越市に合併する前は「柿崎」町でしたし、今回の被災地の中には「出雲崎」町も含まれています)。
港町として発展して来た柏崎ですが、北陸街道ともう一つ何かの街道の分岐点としての役割もあった様です。江戸時代になると、鵜川を渡る渡しのため、陣屋が今の西本町(にしほんちょう)地域に置かれました(芭蕉は、雨で、この鵜川を渡れずに10日間以上柏崎にいたのですが、地元の商人のあしらいの悪さ【駆けつけた地元の弟子は一人のみ】と、川を渡れないのに立腹し、一首も残していません…笑)。で、柏崎には本町通りと云う通りがありますが、南北両側の奥まったところに寺社が並ぶ事になります。北側は砂丘地帯の頂にあたる部分であり、南側は麓に当たる部分です(東本町1丁目の北側は「学校町」と云う小中高や体育施設が並ぶ地域になってます。その北隣の栄町にも高校がありますが…)。
南側に寺社の並ぶ帯状の地帯は、丁度「坂の下」に当たる部分であり、今回「下の地盤が液状化して、丘陵部の斜面がズリ落ちた。そして、坂の下の地盤との間で、圧縮され、盛り上がりを見せている」と説明される部分に当たるものと思います。そして、北側は頂部ですので、当然ズリ落ちた地盤の影響を受ける事になります。
本町通りの南北にある寺社を、西の地域から、地図(昭文社のものを使った)から拾ってみます。主に、西本町3丁目〜東本町1丁目の間に並びます。
西本町(1kmほど)は、西端に八坂神社と観音寺が同じ敷地内と見えるところにあります。
西本町3丁目(本町通りにして250mmほど。その西に、通りが100mほど続いているが)は北側には寺社はなく、末広稲荷があるだけですが、南側には、専念寺、本龍寺、浄興寺、正方寺、香積寺、本妙寺、一念寺などがあります。
西本町2丁目(本町通りにして300mほど)の南側は、町内には法禅寺があるだけですが、隣接する新橋(町名)に、稲荷神社と明蔵寺、福泉寺などがあります。西本町2丁目の北側には、稲荷神社、石井神社と共に、永徳寺、西永寺、西敬寺、住相寺、浄土寺。
西本町1丁目(本町通りにして300mほど)では南側に、稲荷神社と、聞光寺、遍明寺。北側に、妙行寺、蓮蔵寺、実蔵寺、浄願寺、そして柏崎神社。
東本町1丁目(本町通りにして400mほど)は、南側に、西福寺、円通寺(墓所で猪俣さんが亡くなったところ)、福巌院、常福寺、妙光寺、光円寺、了念寺。北側に、専福寺、浄敬寺、林正寺、法教寺。
東本町2丁目(本町通りにして250mほど。この部分をその地域の商店街が「えんま通り」と10年ほど前に名付けたらしい)になると、北側に閻魔庵(閻魔堂)があるだけ。
東本町3丁目(本町通りにして450mほど。東半分は、住宅街)では、南側に正福寺のみ。
これらの寺社が軒並み、倒壊している訳です(東本町2丁目の光円寺は、1980年に大火災で焼け落ち、立て直した故、今回は無事との報も)。このうち、西本町では未だ地盤に問題ありとして立ち入り禁止のままの地区もあります。建物が無事だったとしても、墓石は倒れているものが多いのではないでしょうか。
復旧作業でも、ライフラインが最優先されるのは当然として、倒壊家屋の後片付けが続く事でしょう。墓石などは、お盆までに元通りにされるのは望み薄なのではないでしょうか。
今年のお盆は、こうした寺社に縁のある者にとっては、寂しさを更に重ねる事になると思われます。
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西本町1丁目の聞光寺の被災状況(全壊) → http://blogs.yahoo.co.jp/nyanya104/49020359.html
2007/7/27(金) 午後 11:28
西本町2丁目の石井神社の被災状況 → http://blogs.yahoo.co.jp/be_with_you7010/14893044.html
同じ記事中に、羽森神社(比角1丁目。JR越後線 東柏崎駅南東脇。日本でも独立系列で数少ない神社)の全壊の方も。羽森神社境内に延命寺(東側)や、新興(明治時代発生)の神道系宗教(名前、忘れた)の柏崎支部(西側)もあった筈なのだが…やはり全壊なのかな?
2007/7/30(月) 午前 5:25
はじめまして。柏崎の歴史を教えて戴きありがとうございます。トラックバックさせてください。
2007/8/10(金) 午後 6:53 [ 森からの手紙 ]
柏崎神社の被災状況…全壊 → http://blogs.yahoo.co.jp/kkpjt566/35803133.html
2007/8/10(金) 午後 8:17
歴史ですか…では、どうでもいいトリビアを。今の新潟県は、かつての新潟県と柏崎県が合併して出来たものです。柏崎県庁は、西本町にあった桑名藩(柏崎に飛び地がありました)の陣屋でした。
で、新潟県と柏崎県が合併する際に、県の名前と県庁所在地をどちらにするかを決める際に何を行ったかと言うと…相撲の勝敗で決着を付けた訳です。かつては、相撲にはそれくらいの力はあった…と考えた方がいいのか、どうか。判断に迷う逸話です。
2007/8/12(日) 午後 6:48
羽森神社に関しては、別のブログでも記事がUPされていました。 → http://blog.tennjinn.net/Entry/337/
なお、上の2007/7/30(月) 午前 5:25 のコメントで「日本でも独立系列で数少ない神社」と書いていますが、名前だけが珍しいものかも知れません。私は、その別を判断する知識を持ちません。日本の神社の分布はこの2年間のうちに出た出版物(学術調査)で初めて詳細な一覧が発表され、それによると、荘園分布が神社の分布に決定的な役割を果たした事、必ずしも伊勢神宮が支配的な位置にいない事が推察されます。http://www.niinet.com/satokagura/jinnja016.htm によると、「羽森神社」の名は1758年に改称した名との事ですので、尚更です。もともとは「神名社」だったとの事。
根上がりの松については、http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Sumire/7847/matsu.html を見て頂ければ、写真があります。
2007/8/26(日) 午前 1:29
私は、中心市街地住民だったので、その地域の事だけを上の記事にしていますが、それ以外の地域でも被災はしています。柏崎地域の神社の被災状況に関しては、http://blog.tennjinn.net/Category/7/ が詳しいです。
2007/8/26(日) 午前 1:29