黄色い蛇足@日立柏酒場裏

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 民主党政権になって、鳩山由紀夫、菅直人と、やはり1年程度で辞任する流れが続いた。安倍晋三、福田康夫、麻生太郎と5人の首相が、夏に辞任し、6人目が決まる手筈になる。
 2011年8月29日に、民主党の新代表が決まり、その人が首班指名を受ける事になりそうだ。首班指名の場まで、混乱が続くだろうと予想する人もいるらしが。

 次の首相は、大多数の国民から「期待」を持たずに選ばれる人になる。少なくとも、私は、そう感じてる。立候補を表明する人はいるが、告示は明日2011年8月27日であり、最終的に立候補するのか否かまで、明確ではない状態が続く。どんな政策を以て首相になろうとしているのか?も未だ明らかでないままで、出馬に向けて動いてる。その人が何をどう進めようとしているのか?多くの国民の側では、明らかではない。「民主党も、ここまで落ちたか」てな感想を抱く他ない。
 かと言って、現在の野党の総裁や代表に、首相を託すほどの人材を期待する事も出来ずにいる。

 今の報道を見る限り、小沢一郎を巡っての発信ばかりだが、その小沢一郎たるや、民主党の党員資格停止になっているので代表選には出馬出来ない。この事が、首班指名の場で最後の波乱が…って予想まで出る背景の様だ。
 私は、以前から書く様に(http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/60144356.html から始まる3部作を参照)、既に小沢一郎には何らの期待を抱いていない者だが、まだ小沢一郎に期待を抱く人はいる様だ。「いっそ、小沢一郎に任せてみて、その実態を見てみたらいいのに…」とは思うが、それは現状、小沢一郎の党員資格停止ゆえに、簡単には行かない状況。私は、小沢一郎に期待していないので、小沢一郎が首相になったところで日本がよくなるとは思っていないが、小沢一郎が首相になって破綻すれば、きっと実態を見極めずに小沢一郎に期待していた人たちの思いは砕かれ、日本の政治は新たな地平に進む事が出来るのに…とも思うのだ。

 そんな中で、前原誠司が代表選への出馬を表明し、この2〜3日間の動きの目となりそうな感じだ。小沢一郎は前原誠司に対して不支持の姿勢らしいが、そうであれば、もし前原誠司が首相となった暁には、小沢一郎の支持を必ずしも気にせず行動出来る。前原誠司は代表選で敗れるかも知れないが、その際は、前原自身の存在感は維持される。いずれにしても、今の状況は、前原誠司にとっては損な状況にはなっていない。

 けれど、私は、前原誠司には、首相としては、首相たるに必要な資質であって、決定的に欠いているものがある、と感じている。その事について、以下、書いてみたい。前原誠司が、その資質を補う事の出来るのは、人事で内閣官房長官か補佐官に、その欠けている資質を補う事の出来る人間を配するしかないだろう、と感じているが、それが可能か、どうか。まあ、結果は数日で出る。国民の一人としちゃ、ある程度長期的な目を以て、これからの数日の行方を見守るしかない。

 前原誠司に決定的に欠けている資質とは何か? それは、「国民を説得する」と云う資質である。これは、前原誠司が説得の時間軸の感覚を持たずに、最初から最後まで同じ発言、同じ姿勢で終わる事による。これは、ある意味では「ブレない」って事でもあり、賞賛される資質なのかも知れない。が、時間が経過しても、大して考えに、少なくとも発言に発展の無い事を考え合わせると、自分の考えを規制する意識が強く、その意味で「馬鹿」なのかも知れない。
 管直人の場合、考えるところを、具体的に整合性を検討して述べるのでなく、最終形を示し、でも、そこへ至る道筋に考えを及ぼしていないので、常に腰砕けになって来た。実は、前原誠司も同じ様な性癖が見える。が、管直人の場合は発言からそう時間をおかずに発言を修正してしまい、信念を疑われたのに対し、前原誠司の場合は、最初の発言と同じものを最後まで続ける事で、今までは常に、それが「討ち死に」の形を取って来ただけの違いだ。
 管直人は口先八丁の人間なので、言う事が直ぐ変わる。が、前原誠司は言う事は変わらない、だから、「討ち死に」するしか無かった。私は、こんな人間に日本の将来を託そうとは思えない。一緒に「心中」するのが落ち、って思うから。
 きっと、これは、自殺した裁判書記官だった、前原誠司の父親の性格をも受け継いでいるんだろう。尤も、私の見る限り、前原誠司の父親より、前原誠司本人はチャランポランではある様なのだが、建前の世界では、そんな真っ直ぐな性格が出て来てしまっている様に思える。

 具体例で示そう。

 先ずは、代表時代に「中国は軍事的脅威」と言った事。この事実認識自体に私は異論を挟む積もりは無い。現在では私も、戦前の日本とのアナロジーで「中国は軍事的脅威」であると考えている。が、野党第一党の代表として、どこかの書生のごとく、思っている事をそのまま口にするだけでいいのか?向こうに相手側を見て、自分の言動を、そこへの効果も考えながらコントロールする術を備えていない人間の行動としか思えない。当時、前原誠司は43歳を超えていた筈(民主党代表になったのが43歳時)だが、この青臭さは、社会経験の薄さと紙一重にも思える。

 次に、永田寿康の国会での質問に端を発する、堀江貴文の偽メール事件(詳細は、http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B8%E7%94%B0%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%95%8F%E9%A1%8C 参照)。その内容を信じたのか「信じる程度の疑いがあり、調べるべきだ」と考えたのかは不明だが、真偽を仔細に検討もせず、国会を10日間ほど騒がせた。今から考えれば、国会で永田寿康が質問(2006年2月16日)してから、前原誠司が謝罪会見(2006年2月28日)をするまで13日間程度の話だが、安易な行動と、一度口の端にした後では検証を進めないで突っ走る姿勢は、軽薄の誹(そし)りを免れない。この件からの経過があってだろう、永田寿康は2009年1月3日、自殺した。前原誠司は、自殺での被害者遺族と言うだけでなく、自殺の原因に関与する事になってしまった。まあ、永田寿康の資質にも大きな問題があったのは疑いようも無いが。
 このときの前原誠司の言動も、社会経験の薄さから来るものか?情報の取り扱い方、行動の起こし方に問題がある様に感じられてならない。

 第3に、国土交通相就任時の「マニフェストに書いてあった事項だから、八ッ場ダム建設は中止」との発言。これは、最初の「中国は軍事的脅威」発言と同様、多くの人や社会を動かす為に、自己の発言を効果的にコントロールする、って方法論を、まだ身につけていない事を明らかにした事例。こんな事を初めに言えば、関係者が硬化するのは、「普通の人間ならば」容易に想像出来る事。そうした想像力を欠いているのか、真っ直ぐ過ぎて、そうした駆け引きさえ出来ないのか?
 だが、その後も八ッ場ダムの建設を中止すべきと考える論拠を具体的に説明し、国民を説得する姿勢は見えず、ただ「マニフェストに書いてあるから」と繰り返したに過ぎない。せめて、論拠をじっくり説明する姿勢は不可欠だった筈だ。この姿勢を欠いた前原誠司は「首相としての資質」どころか、「政治家としての資質」に欠けているのではないか?とさえ考えられる。

 第4に、外務大臣に就任して間もなくの、海上保安庁の巡視艇に中国漁船が体当たりした事件で、「(尖閣諸島に)領土問題はない」「日本の国内法に基づき粛々と対応する。それに尽きる」と言った、短い言葉を繰り返すだけだった。どんな事案で危険な行為なのか?を積極的に説明する事もしなかったし、撮影動画は「検察庁が押収している」として外部に発表しなかった(これは、鳩山由紀夫の母親からの政治献金でも、鳩山由紀夫が多用した理屈)。実際は、海上保安庁には動画のコピーがあり、それが流出する事になった。私の考えるところ、これが外交問題化する事は容易に想像出来る事(領事などの役割は自国民の保護)であり、充分な説明をすべきなのに、こんな舌足らずの説明で事足りると思う方が、おかしい。
 前原誠司がTVなどに出演すると、待っている間、他に話している人を見るでもなく、真っ直ぐ前を向いている様子がよく映し出されるが、近代剣道の弱点をそのまま現していおる様で、私は嫌悪感を抱いている。宮本武蔵は「五輪書」(オリンピック精神を説いた本ではない、単なる兵法書、剣術書の趣)で「観見二つの眼を以て」と書く。Watch and seeの意で、全体状況と局面を同時に見ろ、って事。これに対し、前だけしか見ないのは、対戦相手が一人だけなら何とかなるかも知れんが、相手が複数(乱打戦など)になった際には、これでは敗れる。まあ、前だけ見ている事から、ここまで敷衍するのも、自分の言ながら、どうかと思うけど、さ(笑)。
 結局は、この公務執行妨害罪で逮捕した中国人船長は、検察が政治的判断で釈放する事となった。シナリオを描けない前原誠司の惹起した、当然の結果でしかない。

 第5に、自身の在日韓国人からの政治献金事件。以前、鳩山由紀夫首相の母親からの政治献金を巡る国会質問で、前原誠司は「自身の政治資金報告書を見ていない」事を明言している。実は前原誠司の政治資金報告書は全体額が1千万円に満たないが故に、総務省管轄ではなく、京都府選挙管理委員会管轄となっており、ウェブで閲覧する事が出来ない。640万円程度と聞いた事があるが、その中の10万円が、古くからの知り合いである在日韓国人からの献金だったって事。たった640万円(多かったとしても1千万円未満)なのに、「我関せず」で秘書に任せ切りで知らんぷり、ってのは、余りに粗雑な態度。
 クリーンだ何だ、って言ってるのが、自分が関知していないだけだとしたら、それは、「人として不十分」の誹(そし)りを免れない。
 その後の処理も、大した言い訳もせず、直ぐ辞任。辞任すりゃいい、ってものではない。どうして、そうした事態に至ったか、それを防ぐにはどうしたらいいのか、法律の方が問題だと考えるのなら、どうしたらいいと考えるか、そう云った諸問題に触れる事なく辞任するのは「潔(いさぎよ)い」のかも知れんが、何か困った事態になったときに、この人は説得し、説明する事が「出来るのか」についても、疑いを抱いてしまう他ないのだ。

 以上5つの事案を考えるとき、私は、前原誠司は、「国民を説得する」って経験が余りに乏しい政治家で、そうした能力に疑念を抱かざるを得ない人間だと感じてしまう他ないのだ。自分がリードを採る事の出来る演説(2005年9月17日の民主党代表選など)では感動的な演説が出来たとしても、現在の様な困難な事態に当たり、本当に「国民を説得して行ける」のか、疑問を感じているのだ。

 尤も、「では、他の候補は、その点大丈夫なのか?」と聞かれると、確信も無いんだけどね。結局は、もし前原誠司が首相になったら、人事に万全を期し、自らの性格の欠陥を補う様な官房長官、補佐官、顧問を周りに配して欲しい、と願うばかりだ。
 それが出来ない限り、前原誠司が首相になろと、首相としての賞味期限が2年間を超える事は無いだろう、と考えている。

〜 記事の文字数が、ヤフー・ブログの文字数制限5,000字を超えてしまったので、記事を二つに分け、以下「その2」(http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/60889901.html )に続く 〜

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前原誠司が、八ッ場ダムの国土交通省の検証について「不愉快」を表明しましたが、前原の人間としての未成熟を表すものでしかないと感じます。
逆に言えば、「タイミングを政治的に図って発表せよ」「俺は聞いてない」ってレベルの話。タイミングを図るにしても、現職大臣や現職政務官に言えば、いい話。実際に政治的意図が現場側に含まれている事は想像出来ますが、それは、検証結果の内容を精査して話すのが妥当だと考えます。

この種発言としては、以前、鳩山邦夫が坂本龍馬との因縁を(アルカーイダの「友人の友人」より遙かに入り組んだ遠い話として)発言した際に「私は坂本龍馬が好きな事もあり」「不愉快」と話した事にも現れています。「失笑を禁じ得ない」程度の発言で、笑って済ませばいい話。

2011/9/14(水) 午前 1:42 レイ豚

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なお、2011/9/14(水) 午前 1:42 で触れた国土交通省関東整備局の検証には、ダムでの対策と比較するものとして

「群馬県伊勢佐木市からの100km以上の地下放水路」(治水対策でしょう)
「40年かけて静岡県の富士川からの導水路を建設する」(利水用)

など、およそ現実的でない対策が盛り込まれているそうな(朝日新聞2011年9月14日付朝刊第38面)。省内の勝手な検証である事は明らかです。

でも、これをタイミングやら「聞いていない」と云う問題にしてしまうのが、前原誠司の未成熟さを現している訳です。

2011/9/14(水) 午前 6:51 レイ豚


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