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9.辰野町議会のホタル移入問題に関する認識
辰野町議会公式ホームページ
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/gikai/index.html から、 平成21年第14回(12月)定例会会議録(最終日) ( PDF形式:262KB ) http://www.town.tatsuno.nagano.jp/gikai/minutes/20091200_14.pdf を見てみよう。 ホタル保護条例が改正され,その主要点は,違反した場合,罰金も課すことができるという厳罰化
である(会議録,p.3)。 しかし、松尾峡での移入ホタル養殖の弊害は全く議題に上がらなかった。
この問題は、前述のとおり、朝日新聞,毎日新聞,読売新聞などでも取り上げられた。
それにも関わらず、移入ホタル問題の件は全く議題に上がらないのである。
逆に言えば、ホタル条例改正においても、在来ホタルをどのように保護するかという議論が全くなされていないのである。
矢ヶ崎克彦町長は、閉会の挨拶で(会議録,p.20)
ホタルの移動事態は自然の生物のホタル体系を崩すもとであるというようなことも大きな問題になってまいりますと述べた。 では、矢ケ崎氏は、松尾峡移入ホタルの悪影響をどう思っているのだろうか?
全く分かってない、と言わざるを得ない、トンチンカンな挨拶である。
10.第四次辰野町総合計画(平成13年度〜平成22年度)
ここでは、基本計画 第1章 美しく豊かな自然環境
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/tatsunosypher/open_imgs/info/0000000147_0000001609.pdf について簡単に触れたい。 まず間違いから。
本町の貴重な財産となっているゲンジボタルは、長野県の天然記念物に指定されており (p1)と書かれているが、これは正しくない。 以前ここで書いたように、「ホタル発生地」としての松尾峡が天然記念物なのである。生物種指定ではなく、生息地(環境)指定なのである。行政担当者の文章としては、不正確すぎる。
第4節 地球環境を守る まさに、移入ホタルの拡散が、この「影響」に当たるのである。
役場は理解してないのか、無視してるのか?
さらに、
環境施策の基本となる環境基本計画の理念を具体化 (p.7) と書かれている点。
辰野町は、平成10年3月24日に条例第1号として「辰野町環境基本条例」
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/reiki/reiki_honbun/ae74403491.html を定め、それを基にして、平成15年3月17日 に条例第6号として「辰野町ホタル保護条例」 http://www.town.tatsuno.nagano.jp/reiki/reiki_honbun/ae74405011.html が出来上がっている。 前者には、
「生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存」(第7条(2))と書いてある。 では、在来ホタルを移入ホタルの影響から、どうして守らないのか?
さらに、
環境に関する情報の把握、調査・研究と総合的活用を図ります (p.8) と書かれているが、移入ホタルの影響について、役場は全く調査してないのである。
総合計画で、これほどまでに熱心に環境保護を訴えておきながら、移入ホタル問題となると、なぜ無視し隠そうとするのだろうか?理解できない。
11.辰野町松尾峡のホタルに関する誤解
辰野町松尾峡のホタルに関し,誤解されやすいこと3点をまとめた。
その1.
松尾峡のゲンジボタルそのものが天然記念物なのではない。
発生地が天然記念物 である。
種指定ではなく,地域(生息地)指定である。 長野県教育委員会で公表している文化財情報の県天然記念物 http://www.pref.nagano.jp/kenkyoi/jouhou/shougai/tennen.pdf でも「辰野のホタル」ではなく, 「辰野のホタル発生地」が天然記念物
となっている。
2009年,ここでホタル盗難事件が起きた際に,天然記念物のホタルが盗まれたと書いている人(マスコミも)がいたが,誤解を招くので,地域(生息地)指定であることを明記するべきだ。
その2.
黄色い豚、麗(レイ)豚 @日立柏酒場裏 http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%C3%A4%CC%EE から転載させて頂いた松尾峡のyahoo航空写真。 この赤線内,つまり,
観光客が来るホタル発生地(養殖地)は,天然記念物指定区域の外である。
養殖場所だから,当然といえば当然だが,勘違いして,ここが天然記念物区域と思っている人も多い。
この図でいくと,赤と青区域の間,つまり
になる。
上記の,ホタルを盗んだ男性も,正確に言えば,指定区域近くの養殖地(区域外の赤線内)でホタルを取ったようである。そして,ここなら,簡単に素手で取れる。
指定区域は天竜川沿いで,網を振らないと多くの蛍を取れないから,取る前にバレる。
したがって,ホタル盗難事件が起きた場所も誤解した記事がある。
例えば, http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20090903074.html >「辰野のホタル発生地」で となっていますが,これでは区域内になってしまう。 後者の文,注意してほしい。
ホタルがいるのが,発生地,じゃなくて,発生地付近,とは変に感じるかもしれない。 これは,つまり,天然記念物指定区域の近くで,という意味である。 その3.
ここ松尾峡には,天然記念物に再指定される時(1960年)まで,まさに天然(自然の,在来の)ゲンジが住んでた。 しかし,この指定後(1960年代)に,数を増やすため,町の一部の人たちの(役場関係者と勝野重美氏)の判断で,町外の専門家にも町民全体にも相談することなく,県外業者から移入した。
文化財保護法では、移入種を天然記念物に指定することも可能だ。 しかし,辰野町松尾峡の場合は、自然(在来)のゲンジボタル生息地として県天然記念物の指定後に,そのすぐ近くに町役場が他県からゲンジボタルを移入したという点で,問題があった。
12.ゲンジボタル養殖策のヘイケボタルへの影響
松尾峡のゲンジボタル養殖地(上図赤線内)では、ヘイケボタルも7月に発生する。
しかし,黄色線内も、かつては水田で、その用水路を含め、最盛期で30−50匹のヘイケボタルが見られた。
その後、町役場は、ここをつぶし、今は「さら地(荒地?)」になっている。
ちなみに、ホタル祭りは、6月のゲンジ発生期です。7月のヘイケ発生期には、祭りもなく観光客も来ない。 町役場は,
観光に役立たないヘイケボタルの保護には熱心ではない,
というのが現状である。
13.松尾峡ゲンジボタル盗難事件
2009年6月21日に、長野県天然記念物「松尾峡」付近で、無断でホタルを捕獲し、書類送検された男性を、地検伊那支部は同年12月28日、起訴猶予処分とした。
同支部は処分理由を明らかにしていない。
この事件、ホタルを盗んだ窃盗罪でなく、天然記念物生息地に影響するから、という県文化財保護条例違反。
しかも、実際には、ホタルを採ったという以外、土地や川や飼育地を荒らしてはいない。
ホタルを捕った場所も、天然記念物指定地外らしい。だから、信濃毎日新聞記事も、「辰野のホタル発生地」内ではなく、付近となっていることに注意してほしい。
窃盗罪というなら分かる。
お金や人手をかけて移入養殖してきたのだから,窃盗罪なら理解できる。
しかし,人為的に移入したゲンジボタルを大量養殖し,そのため生じた生態改変は不問で,それを取ると「天然記念物の保存に影響」とするのは,なんとも不合理だ。
役場自身がやっていることと、この男性がしたこと、どちらが生態的問題だろうか?
この男性の件では,10万匹の松尾峡移入ホタルから91匹増加させることが現状回復にあたる。
一方,役場の場合,松尾峡移入ホタル10万匹とその下流に広がった多数の移入ホタルを在来ホタルに戻すことが,天然記念物指定当時の自然回復に当たる。
どちらが困難かといえば、後者が困難なことは言うまでもない。
今回の件も法的には妥当な事例なのだろう。
しかし、生態的影響を考慮すれば,役場のやってることのほうが大問題なのだ。
身内に甘く他人に厳しい、そんな役場の姿勢が透けて見える気がする。
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この記事は、
「アクアマリンふくしま の 復興ブログ」の終了記事を転載しました。
http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/61657702.html
(2012年7月24日UP)
でも紹介したブログからの転載記事です。ホタルの国内移植に関する問題を扱ったブログです。元記事は、2010年7月24日にUPされたもの。
ヤフー・ブログの「転載」と云うシステムをご存知ない方は、下にトラックバックした説明記事をご覧下さい。簡単に言えば、コピペみたいなもん。
2012/7/28(土) 午前 3:10