貧乏人の味方は、保守勢力には居ないのか?私はどちらかというと「唯心的」だが、「唯物論」の合理性も認めている。人間が、あることを判断するときには、「心的環境=風潮」とともに「物的環境=現実」も無視することは出来ない。
しかし、「現実」を変えようとする時には、現実以上の立場=価値観=唯心的な精神を強固にする必要がある。そのとき現実は、常に「抵抗勢力」となるから、「抵抗」に打ち勝つ力=強固な精神を必要とする。
「決意」とは、「今ある現実を変えようと決する心」にほからない。
この意味で、「消費税」が、どのような決意の下に、現実の何を変えようとしているのか、これが消費税の本質でなければならないが、このことについて、「不退転の決意」を表明した首相からは口先き決意ばかりで、明確なメッセージが発せられたことはない。
政治家とマスコミから「第2のギリシャ論」つまり「財政再建論」が喧伝されたが、「財政再建」の道筋が示されたことはない。
次いで「社会保障論」が謳われたが、どのような社会保障体制を築くのかは、これから論議するということなので、これも目的としては成立していない。
つまり、消費税は、明確な目的のないまま、漠然とした「必要」という雰囲気だけで進行している。
第1幕・最終場面において、「小沢離党劇」の説得・批判が、「首相が進退をかけた決定だから従うべきだ」などと、およそ「消費税」とは関係のない次元の話が出てきたことに象徴されている。
しかし、彼ら政治家の司令塔たる官僚が、無目的に「消費税」をあげようとするわけがない。
そこには、表向きには出来ない本当の狙いが潜んでいると見なければならない。
一語にして言えば、彼ら官僚・政治家の権力基盤である予算編成権が赤字財政で硬直化し、権力の低下傾向に歯止めをかけたかった・・・つまりは「官僚権力復権」のための「新規財源」の役割を背負わされた・・・。
そのことを裏付けるように、自民党・公明党から「大規模公共事業」が提起されていることは、「消費増税」の目的が「公共事業」に、つまり「利権の復活」にあったことを証明している。
「財政再建」も、「社会保障」も、表向きの飾りであって、国民向けにアクセサリー程度の政治はするだろうが、本当の狙いではなかったということである。
この「消費税・3党合意」の隠された本質は「3党連立」であり、「3党連立」の本質は「拒否権を持った自民党の主導政権」になるということ、そして「自民党の主導政権」の本質は、「官僚権力の復活」ということである。
官僚は、目の上のたんこぶであった小沢一派を政権党から放逐し、「消費税」という「祝い金」まで手にし、万々歳であろう。
さて、その消費税であるが、大筋で、今までどのような社会的役割を課してきたかを見たい。
数字の見方は難しく、個々については単純に断定できないが、「国のかたち=国体」の基礎部分をなす税体系が、全体としてどのような方向を目指して進んでいるかは見ることが出来よう。
1.導入以来の消費税累計額・・・・・・・・213兆円(1989年〜2009年度)
導入以来の法人3税減税累計額・・・182兆円(3税=法人税、法人住民税、法人事業税)
*二つの数字はおよそ見合っている。その関係性をどう見るか・・・。
経団連などの新自由主義陣営は、なお一層の法人税などの軽減を求めている。
その最中の今回の消費税増税であることは事実である。
更なる法人減税の「露払い」を勤めているかもしれない・・・。
2.資本金10億円以上企業の内部留保・・・2000年・・・172兆円
2010年・・・266兆円(+90兆円)
民間企業年間平均給与・・・・・・・・・・・・・2000年・・・461万円
2010年・・・412万円(−50万円)
不況にもかかわらず大企業は、自民党の新自由主義政策の恩恵を受け、社員のリストラ、非正規化により、空前の貯蓄をしている。
この表現は適当とは思わないが、「多くの人間を犠牲にした制度」であることは否定できない。
3.所得税最高税率の推移 〜1983年・・・75%
1984年〜・・・70%
1987年〜・・・60%
1989年〜・・・50%
1999年〜・・・37%
2007年〜・・・40%
*新自由主義的なレーガン・ブッシュ政権による最高税率の低減化に歩調を合わせ、日本も最高税率を下げてきた。税体系のアメリカ化とも言える。
民主党は所得税最高税率を45%に、相続税も増税案を持っていたが、「3党合意」で放棄し、富裕層の負担増加を捨てた。
4.所得税の最高税率は40%だが、実際の1〜2億円の高額所得者の所得税率は26.5%に過ぎない。所得100億円以上では、14.2%に過ぎない。(財務省2007年度)
これは、高額所得者の不動産や株式による所得が優遇措置を受けた分離課税を可能にしている税制のためである。株式所得などは10%の税に過ぎない。
ちなみに株の配当や譲渡益に掛かる税率は、2010年現在、アメリカ=27.6%、ドイツ=26.375%、フランス=30.1%となっている。
総合課税にすれば、この見かけ上の欺瞞税率は解決するが、富裕層に支えられた政権やマスコミでは問題提起さえされない。
参考までに最近起きた外国の富裕層の動きも書いておこう。
今年4月、アメリカ上院は、富裕層への増税を自ら求めた「バフェット法案」を否決したが、同様な動きはフランスでもあり、富裕層自らが自らを対象にした「特別貢献税・富裕税」などを提唱していた。
その心は、バフェット氏は「億万長者を優遇する議会に甘やかされた。ブッシュ政権が導入した富裕層減税を打ち切り、年収100万ドル以上の富裕層に即刻増税を」であり、フランスの富裕層は「フランスの制度と環境から恩恵を受けていることを理解しており、その困難に一役買いたい」という提案であった。
5.アメリカは、10%の富裕層が、アメリカの90%の富を所有していると言われている。
またトップ1%の世帯所得が、全世帯所得の20数%を占め、ニューヨーク市などは、トップ1%の世帯が、全世帯所得の45%を占めているとされている。
日本では、2007年の資料で、1億円以上の金融資産を持つ富裕世帯層は90.3万世帯で、全世帯数の1.8%となっている。金融資産額は254兆円におよび、全世帯の20.7%に達している。
この数字は、デフレ不況で格差拡大中であり、今ではさらにひどい数字になっているだろう。
それに一層輪をかけるのが、「消費増税」・・・。
不況の長期化による中間層の下層への転落にも弾みが掛かる・・・。
5.日本の貧困率は、1985年の12%から、今日では16%と上昇一途である。
それ以上に心配なのは、子供の貧困率も上昇一途であることで、
今年6月にユニセフは14.9%、先進35か国中27位と発表し、日本に警告を発している。
2000年には12.2%で12位だったことから考え合わせると、外国に比べても日本社会は悪化の一途をたどっていると言える。
格差の階層遺伝が固定化されれば、真実日本は「階級分裂国家」になってしまう・・・。
6.「失われた20年」のデフレ不況は、「消費税の導入」とともに始まったという説もある。
戦後、先進国で「デフレ体験」しているのは「日本」だけである。
20数年立っても抜け出す様相がないばかりか、この需要が足りなくて困っているデフレのときに、さらに需要基盤を沈下させる「消費税増税」をするという。
デフレギャップの原因になっている需要不足に刺激を与えるなら、通常は「減税政策」を採用するものであるが、どうもこの国では、国民を信用できないで、減税政策が取れないようだ。
しかし、国民はお金が使いたくても、お金が足りないし、少々あっても将来が不安で使えないのだ。
本当は、使える力を持ちながら、もう買うものがなく金を使わない富裕層のお金こそ、国家が徴収し、再び世の中に流すべきお金ではないのか。
ここでは、深入りしないが、既得権益層の数々の優遇特権に手をつけず、無抵抗で騙しやすい庶民のお金に手をつけたことは、私には、まことに罪深い政治の所業に見えて仕方ない。
7.ギリシャの哲学者ソロンは、「平等は争いを起こさない」と言ったそうだ。
平等と言うことは難しいことだが、せめて「公平性」ぐらいは維持しなければ、とても民主主義の政治とは言えないだろう。
わたしは、「大和の国=日本」の階級分裂を認めない。
それは、私の「保守の魂」でもある。
今の「消費税政治」が、どういう世の中に導いていこうとしているのか、おぼろげにでもその傾向が現れたであろうか・・・。
そのことを国民は承知で世論調査に応じているのだろうか・・・私には信じられない政治現象が続いている・・・。
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この記事は、転載したものです。元記事のブログ主の基本的な考え方は、私とは相当の距離があるものですが、私はもともとは「保守」の性向を持つ人間です(それにしちゃ、制度などは大きな変更が必要とする者ですが)ので、理解出来る部分も大きいのです。
この記事の内容は、考えるべき内容が含まれていると評価しているので、転載しました。
ヤフー・ブログの「転載」と云うシステムをご存知ない方は、下にトラックバックした説明記事をご覧下さい。簡単に言えば、コピペみたいなもん。
2012/7/28(土) 午前 3:45
僕のブログでも、たまに言ってますが、
高所得者の減税75パーから40パーになったと
言ってますが、反応は鈍いですね。
消費税10パーにする前に所得税増税(高所得者だけ)
するのが 妥当だと思いますがね。
2012/7/28(土) 午後 11:03