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先日(2018年1月下旬)、企画展「植物園の動物たち」を見る為、国立科学博物館の筑波実験植物園を訪れました。企画展自体は、私の見る限り、本館1Fを使うだけのパネルと標本による展示が主のもの(一部、アズマモグラ1匹が生体展示)で、あんまり楽しめはしませんでしたが、久しぶりに訪問した(前回の訪問は、2017年11月の「つくば蘭展」の訪問)事もあり、植物の様相も様変わりしていて、そちらでは大いに楽しめました。 でもって、その際の訪問記を…と行きたいところですが、これをまとめるのも、結構膨大で、難儀な事。ですので、少しずつUPして行く事にします。そうすれば、特記する事が無い日にも記事をUP出来るかも知れず、であれば、変化があるのか無いのか分からない(ヤフー・ブログでファン登録している方には、通知が届きますが)当ブログに訪問される方への、少しばかりの慰労になるかと(…m(_ _)m)。 先ずは、福寿海(フクジュカイ)から。 結構マニアックな花です。江戸時代に武士階級に人気のあった園芸植物。江戸時代は、家を主体として管理された武士階級が社会を支配した時代だった訳で、養子縁組などを通じて農民出身でも武士になる人間はいたのですが、家は武士なら武士として維持されて行きました。そんな中、通婚の範囲も制限され(将軍などは、選び放題だった様ですが…)、武家なら武家の顔立ち、公家なら公家の顔立ち、ってものが、骨格などから判別出来るほどに成立して行きました(つまり、江戸時代の人骨は骨格を見ただけで、武士か公家か農民か、の範囲でなら判別出来る場合もあるのですw)。園芸植物の嗜好も然りで、朝顔などは庶民(中・下層町民)も楽しめるものでしたが、武家に特有の嗜好としては、福寿草(フクジュソウ)、万年青(オモト)、花菖蒲(中には、カキツバタ、アヤメなども)などが挙げられます。これらは、武士に特有で、庶民などには広まらなかった嗜好。でもって、福寿草と並んで、と言うか、更にマニアックに文人指向の方々に愛されたのが、今回、取り上げる、福寿海(フクジュカイ)。 私は、文人画などで見た事はあったものの、実物を見たのは、今回が初めて。筑波実験植物園では、こんな様子でした。 上の2つの画像は、恐らく同じ個体を撮影したものですね。 この個体の様子は、絵で見るものとそっくり。けれど、検索してみると、http://kyonohana.sakura.ne.jp/blogs/kyohana/2010/02/post-39.html の様に満開に咲く様子も見られるそうです(撮影時期は、2010年1月、於、筑波実験植物園の由)。もう少しすれば、もしくは既に、筑波実験植物園では、こんな様子が見られるのかも知れません。確かに、こんな満開の様子を描いた絵もあれども、どちらかと言えば、開き始めの姿の方が、よく描かれている様にも思います。 でも、もしかしたら、福寿海は、カタクリの様に、気温で花が開閉するのかも知れず、そうすると、この日の気温が低かったので、花が開き切っていなかっただけなのかも知れません(継続観察していないので、どちらとも断定出来ません)。 福寿草は、まだしも草らしい趣があるのですが、福寿海となると、異様な茎からいきなり花が咲いている様な感があり、見慣れていない人間には、異様にも感じられるものと思います(私が、絵で最初に見た感想から)。福寿海って標準和名になっているそうですが、もしかしたら、福寿茎(標準的な音を採ったら、フクジュケイでしょうか)からの転訛かとも思ってしまいます。 福寿草については、当ブログに、茨城県フラワーパークでの観察記があります(2013年3月 https://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/62113591.html )。記事にはしていない様ですが、福寿草は花が終わってからも葉っぱが伸び続け、かなり大きな(直径30cm、高さ20〜30mほどはあろうかと云うほどの)植物となります。この福寿海も、これからも伸び続けるのか、どうか…。 筑波実験植物園では、時季の問題かも知れませんが、群落と言うほどの集団を作る事も無く、ポツポツと個体があるだけ。でも、この日配布されていた、筑波実験植物園の「みごろの植物」屋外篇(第773号、2018年1月26日号)では、屋外の見頃第3位に挙げられていました。満開の様子も実際に見てみたいものだとは思いました。 ちなみに、この日配布されていた、このリーフレットの屋外篇で挙げられていた10の「見頃」のうち、私が確認出来たのは、僅かに6つのみ(3つは、個体の在処さえ分からず、残り1種のハンノキに至っては、個体は分かっても、どれが花序か判別出来ず…)。 フクジュカイ(福寿海)とは、聞き馴れない名前ですが、ミチノクフクジュソウ(陸奥福寿草。陸奥福寿草と書きますが、wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/フクジュソウ属 に拠ると、分布域は本州と九州であり、東北地方ではない様です。ホントに??)と福寿草の雑種(3倍体)で、種子が出来ないんだそうです。 Adonisとはフクジュソウ属の学名(もともとは、ギリシア神話に登場する、アフロディーテに愛された美少年に由来する名。フェニキアの王キニュラースとその王女であるミュラーの息子も同名。wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/アドーニス によると、セム語起源で、非ギリシア系の神話がギリシアに移入された名らしい。このギリシア神話でのAdonisは、猪<イノシシ>に襲われ、最期を迎えた事から、福寿草の花言葉には、「幸せを招く」「永遠の幸福」と並んで、「悲しき思い出」ってものが入ってるんだそうです)。 なお、この日の筑波実験植物園の福寿海は、花だけではなく、芽が出たばかりの様子も見えました。この記事の画像の多くは、無駄に大きなサイズ(解像度)でUPしてあります。画像にカーソルを合わせると右下に表示される+マークをクリックすると、別ウィンドウでUPしたサイズの画像が表示されます(画像自体をクリックすると、別ウィンドウは表示されるものの、サイズは変わりません)。そうやってみると、左の花の内部の蕊(しべ)の様子が見えます。右の芽は、左の花と同時期なのに、まだ芽のまま。 画像のサイズが小さい(トリミングして行った結果)のですが、蕊の様子が分かる別の画像。周囲の葉っぱの様子から、同じ個体を写しているものと考えられます。 他の芽。 もう少し伸びた芽。蕾も認められます。 右側には芽2個体、左側には蕾。 同じ日であっても、1月下旬だと、これだけの各段階の個体があり、観察出来る訳です。さて、福寿海の花って、どれくらいの間、咲き続けるのでしょうか? <追記> 2018年2月18日、同じ筑波実験植物園に行って来ました。 真ん丸に咲いたフクジュカイ。 葉っぱが萼の下に出ていました。 |
茨城県
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筑波実見植物園の記述を見ていて、どうして福寿海を以て「福寿海(福寿草)」と書いているのか不思議に思っていました。が、検索をしていて、現在の園芸植物で「福寿草」として販売されているものの殆どが、実は福寿海である事を知りました。それ故の、この様な表記なのだ、と了解しました。丈夫で、育てやすいのだとか。
が、本来の福寿草は、茨城県フラワーパークにある様なものの筈です。3倍体を売るって事は、株分けで増やしてる、って事なんでしょうね。まさか、挿し木や、今や、細胞増殖?(実は、細胞増殖で増やしてるのが主って品種ってのも、福寿草以外で、現在は既に存在してます)
2018/1/29(月) 午前 2:22
http://flowerpark.or.jp/news/本日の開花状況-2 (茨城県フラワーパーク 2013年2月23日)の画像を見ると、福寿草なんですが、葉っぱが出ていません。2018年のシーズンの報告を見ても、下の茎の様子がよく見えないのですが、もしかしたら、福寿海と福寿草も結構似ているのかも知れません。どう似ていて、どう似ていないのか(http://flowerpark.or.jp/news/春の足音/dsc_0354 の画像の右側を見ると、福寿草の蕾は、少し紫を帯びる時期もある様に感じますが)、福寿海については更に経過観察をし、比較(福寿草の初期は、茨城県フラワーパークに見に行けるか、どうか…)してみないと、はっきりとした事は言えないのかも知れません。
2018/2/3(土) 午前 5:10
検索して得た情報によると、福寿草(福寿海も含む)は、温度傾性(傾熱性とも言われる)と呼ばれる性質を持つそうです。温度が一定に達すると、花を開くらしい。
つまり、この日も、温度が高ければ、花が開いていた可能性があります。
また、温度傾性を持つ花は、多くの場合、開花期が長い傾向があります(尤も、クロッカスの様に、花が雨に弱い為、日本では長持ちしないものもありますが)。
2018/2/22(木) 午後 6:00