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夏休み…って訳でもないけど、本日2012年7月28日から2012年8月1日頃まで、このブログの更新(記事のUPなど)の頻度が下がると予想されます。 |

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こんにちは、ゲストさん
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夏休み…って訳でもないけど、本日2012年7月28日から2012年8月1日頃まで、このブログの更新(記事のUPなど)の頻度が下がると予想されます。 |
貧乏人の味方は、保守勢力には居ないのか?私はどちらかというと「唯心的」だが、「唯物論」の合理性も認めている。人間が、あることを判断するときには、「心的環境=風潮」とともに「物的環境=現実」も無視することは出来ない。
しかし、「現実」を変えようとする時には、現実以上の立場=価値観=唯心的な精神を強固にする必要がある。そのとき現実は、常に「抵抗勢力」となるから、「抵抗」に打ち勝つ力=強固な精神を必要とする。
「決意」とは、「今ある現実を変えようと決する心」にほからない。
この意味で、「消費税」が、どのような決意の下に、現実の何を変えようとしているのか、これが消費税の本質でなければならないが、このことについて、「不退転の決意」を表明した首相からは口先き決意ばかりで、明確なメッセージが発せられたことはない。
政治家とマスコミから「第2のギリシャ論」つまり「財政再建論」が喧伝されたが、「財政再建」の道筋が示されたことはない。
次いで「社会保障論」が謳われたが、どのような社会保障体制を築くのかは、これから論議するということなので、これも目的としては成立していない。
つまり、消費税は、明確な目的のないまま、漠然とした「必要」という雰囲気だけで進行している。
第1幕・最終場面において、「小沢離党劇」の説得・批判が、「首相が進退をかけた決定だから従うべきだ」などと、およそ「消費税」とは関係のない次元の話が出てきたことに象徴されている。
しかし、彼ら政治家の司令塔たる官僚が、無目的に「消費税」をあげようとするわけがない。
そこには、表向きには出来ない本当の狙いが潜んでいると見なければならない。
一語にして言えば、彼ら官僚・政治家の権力基盤である予算編成権が赤字財政で硬直化し、権力の低下傾向に歯止めをかけたかった・・・つまりは「官僚権力復権」のための「新規財源」の役割を背負わされた・・・。
そのことを裏付けるように、自民党・公明党から「大規模公共事業」が提起されていることは、「消費増税」の目的が「公共事業」に、つまり「利権の復活」にあったことを証明している。
「財政再建」も、「社会保障」も、表向きの飾りであって、国民向けにアクセサリー程度の政治はするだろうが、本当の狙いではなかったということである。
この「消費税・3党合意」の隠された本質は「3党連立」であり、「3党連立」の本質は「拒否権を持った自民党の主導政権」になるということ、そして「自民党の主導政権」の本質は、「官僚権力の復活」ということである。
官僚は、目の上のたんこぶであった小沢一派を政権党から放逐し、「消費税」という「祝い金」まで手にし、万々歳であろう。
さて、その消費税であるが、大筋で、今までどのような社会的役割を課してきたかを見たい。
数字の見方は難しく、個々については単純に断定できないが、「国のかたち=国体」の基礎部分をなす税体系が、全体としてどのような方向を目指して進んでいるかは見ることが出来よう。
1.導入以来の消費税累計額・・・・・・・・213兆円(1989年〜2009年度)
導入以来の法人3税減税累計額・・・182兆円(3税=法人税、法人住民税、法人事業税)
*二つの数字はおよそ見合っている。その関係性をどう見るか・・・。
経団連などの新自由主義陣営は、なお一層の法人税などの軽減を求めている。
その最中の今回の消費税増税であることは事実である。
更なる法人減税の「露払い」を勤めているかもしれない・・・。
2.資本金10億円以上企業の内部留保・・・2000年・・・172兆円
2010年・・・266兆円(+90兆円)
民間企業年間平均給与・・・・・・・・・・・・・2000年・・・461万円
2010年・・・412万円(−50万円)
不況にもかかわらず大企業は、自民党の新自由主義政策の恩恵を受け、社員のリストラ、非正規化により、空前の貯蓄をしている。
この表現は適当とは思わないが、「多くの人間を犠牲にした制度」であることは否定できない。
3.所得税最高税率の推移 〜1983年・・・75%
1984年〜・・・70%
1987年〜・・・60%
1989年〜・・・50%
1999年〜・・・37%
2007年〜・・・40%
*新自由主義的なレーガン・ブッシュ政権による最高税率の低減化に歩調を合わせ、日本も最高税率を下げてきた。税体系のアメリカ化とも言える。
民主党は所得税最高税率を45%に、相続税も増税案を持っていたが、「3党合意」で放棄し、富裕層の負担増加を捨てた。
4.所得税の最高税率は40%だが、実際の1〜2億円の高額所得者の所得税率は26.5%に過ぎない。所得100億円以上では、14.2%に過ぎない。(財務省2007年度)
これは、高額所得者の不動産や株式による所得が優遇措置を受けた分離課税を可能にしている税制のためである。株式所得などは10%の税に過ぎない。
ちなみに株の配当や譲渡益に掛かる税率は、2010年現在、アメリカ=27.6%、ドイツ=26.375%、フランス=30.1%となっている。
総合課税にすれば、この見かけ上の欺瞞税率は解決するが、富裕層に支えられた政権やマスコミでは問題提起さえされない。
参考までに最近起きた外国の富裕層の動きも書いておこう。
今年4月、アメリカ上院は、富裕層への増税を自ら求めた「バフェット法案」を否決したが、同様な動きはフランスでもあり、富裕層自らが自らを対象にした「特別貢献税・富裕税」などを提唱していた。
その心は、バフェット氏は「億万長者を優遇する議会に甘やかされた。ブッシュ政権が導入した富裕層減税を打ち切り、年収100万ドル以上の富裕層に即刻増税を」であり、フランスの富裕層は「フランスの制度と環境から恩恵を受けていることを理解しており、その困難に一役買いたい」という提案であった。
5.アメリカは、10%の富裕層が、アメリカの90%の富を所有していると言われている。
またトップ1%の世帯所得が、全世帯所得の20数%を占め、ニューヨーク市などは、トップ1%の世帯が、全世帯所得の45%を占めているとされている。
日本では、2007年の資料で、1億円以上の金融資産を持つ富裕世帯層は90.3万世帯で、全世帯数の1.8%となっている。金融資産額は254兆円におよび、全世帯の20.7%に達している。
この数字は、デフレ不況で格差拡大中であり、今ではさらにひどい数字になっているだろう。
それに一層輪をかけるのが、「消費増税」・・・。
不況の長期化による中間層の下層への転落にも弾みが掛かる・・・。
5.日本の貧困率は、1985年の12%から、今日では16%と上昇一途である。
それ以上に心配なのは、子供の貧困率も上昇一途であることで、
今年6月にユニセフは14.9%、先進35か国中27位と発表し、日本に警告を発している。
2000年には12.2%で12位だったことから考え合わせると、外国に比べても日本社会は悪化の一途をたどっていると言える。
格差の階層遺伝が固定化されれば、真実日本は「階級分裂国家」になってしまう・・・。
6.「失われた20年」のデフレ不況は、「消費税の導入」とともに始まったという説もある。
戦後、先進国で「デフレ体験」しているのは「日本」だけである。
20数年立っても抜け出す様相がないばかりか、この需要が足りなくて困っているデフレのときに、さらに需要基盤を沈下させる「消費税増税」をするという。
デフレギャップの原因になっている需要不足に刺激を与えるなら、通常は「減税政策」を採用するものであるが、どうもこの国では、国民を信用できないで、減税政策が取れないようだ。
しかし、国民はお金が使いたくても、お金が足りないし、少々あっても将来が不安で使えないのだ。
本当は、使える力を持ちながら、もう買うものがなく金を使わない富裕層のお金こそ、国家が徴収し、再び世の中に流すべきお金ではないのか。
ここでは、深入りしないが、既得権益層の数々の優遇特権に手をつけず、無抵抗で騙しやすい庶民のお金に手をつけたことは、私には、まことに罪深い政治の所業に見えて仕方ない。
7.ギリシャの哲学者ソロンは、「平等は争いを起こさない」と言ったそうだ。
平等と言うことは難しいことだが、せめて「公平性」ぐらいは維持しなければ、とても民主主義の政治とは言えないだろう。
わたしは、「大和の国=日本」の階級分裂を認めない。
それは、私の「保守の魂」でもある。
今の「消費税政治」が、どういう世の中に導いていこうとしているのか、おぼろげにでもその傾向が現れたであろうか・・・。
そのことを国民は承知で世論調査に応じているのだろうか・・・私には信じられない政治現象が続いている・・・。
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9.辰野町議会のホタル移入問題に関する認識
辰野町議会公式ホームページ
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/gikai/index.html から、 平成21年第14回(12月)定例会会議録(最終日) ( PDF形式:262KB ) http://www.town.tatsuno.nagano.jp/gikai/minutes/20091200_14.pdf を見てみよう。 ホタル保護条例が改正され,その主要点は,違反した場合,罰金も課すことができるという厳罰化
である(会議録,p.3)。 しかし、松尾峡での移入ホタル養殖の弊害は全く議題に上がらなかった。
この問題は、前述のとおり、朝日新聞,毎日新聞,読売新聞などでも取り上げられた。
それにも関わらず、移入ホタル問題の件は全く議題に上がらないのである。
逆に言えば、ホタル条例改正においても、在来ホタルをどのように保護するかという議論が全くなされていないのである。
矢ヶ崎克彦町長は、閉会の挨拶で(会議録,p.20)
ホタルの移動事態は自然の生物のホタル体系を崩すもとであるというようなことも大きな問題になってまいりますと述べた。 では、矢ケ崎氏は、松尾峡移入ホタルの悪影響をどう思っているのだろうか?
全く分かってない、と言わざるを得ない、トンチンカンな挨拶である。
10.第四次辰野町総合計画(平成13年度〜平成22年度)
ここでは、基本計画 第1章 美しく豊かな自然環境
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/tatsunosypher/open_imgs/info/0000000147_0000001609.pdf について簡単に触れたい。 まず間違いから。
本町の貴重な財産となっているゲンジボタルは、長野県の天然記念物に指定されており (p1)と書かれているが、これは正しくない。 以前ここで書いたように、「ホタル発生地」としての松尾峡が天然記念物なのである。生物種指定ではなく、生息地(環境)指定なのである。行政担当者の文章としては、不正確すぎる。
第4節 地球環境を守る まさに、移入ホタルの拡散が、この「影響」に当たるのである。
役場は理解してないのか、無視してるのか?
さらに、
環境施策の基本となる環境基本計画の理念を具体化 (p.7) と書かれている点。
辰野町は、平成10年3月24日に条例第1号として「辰野町環境基本条例」
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/reiki/reiki_honbun/ae74403491.html を定め、それを基にして、平成15年3月17日 に条例第6号として「辰野町ホタル保護条例」 http://www.town.tatsuno.nagano.jp/reiki/reiki_honbun/ae74405011.html が出来上がっている。 前者には、
「生態系の多様性の確保、野生生物の種の保存」(第7条(2))と書いてある。 では、在来ホタルを移入ホタルの影響から、どうして守らないのか?
さらに、
環境に関する情報の把握、調査・研究と総合的活用を図ります (p.8) と書かれているが、移入ホタルの影響について、役場は全く調査してないのである。
総合計画で、これほどまでに熱心に環境保護を訴えておきながら、移入ホタル問題となると、なぜ無視し隠そうとするのだろうか?理解できない。
11.辰野町松尾峡のホタルに関する誤解
辰野町松尾峡のホタルに関し,誤解されやすいこと3点をまとめた。
その1.
松尾峡のゲンジボタルそのものが天然記念物なのではない。
発生地が天然記念物 である。
種指定ではなく,地域(生息地)指定である。 長野県教育委員会で公表している文化財情報の県天然記念物 http://www.pref.nagano.jp/kenkyoi/jouhou/shougai/tennen.pdf でも「辰野のホタル」ではなく, 「辰野のホタル発生地」が天然記念物
となっている。
2009年,ここでホタル盗難事件が起きた際に,天然記念物のホタルが盗まれたと書いている人(マスコミも)がいたが,誤解を招くので,地域(生息地)指定であることを明記するべきだ。
その2.
黄色い豚、麗(レイ)豚 @日立柏酒場裏 http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%C3%A4%CC%EE から転載させて頂いた松尾峡のyahoo航空写真。 この赤線内,つまり,
観光客が来るホタル発生地(養殖地)は,天然記念物指定区域の外である。
養殖場所だから,当然といえば当然だが,勘違いして,ここが天然記念物区域と思っている人も多い。
この図でいくと,赤と青区域の間,つまり
になる。
上記の,ホタルを盗んだ男性も,正確に言えば,指定区域近くの養殖地(区域外の赤線内)でホタルを取ったようである。そして,ここなら,簡単に素手で取れる。
指定区域は天竜川沿いで,網を振らないと多くの蛍を取れないから,取る前にバレる。
したがって,ホタル盗難事件が起きた場所も誤解した記事がある。
例えば, http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20090903074.html >「辰野のホタル発生地」で となっていますが,これでは区域内になってしまう。 後者の文,注意してほしい。
ホタルがいるのが,発生地,じゃなくて,発生地付近,とは変に感じるかもしれない。 これは,つまり,天然記念物指定区域の近くで,という意味である。 その3.
ここ松尾峡には,天然記念物に再指定される時(1960年)まで,まさに天然(自然の,在来の)ゲンジが住んでた。 しかし,この指定後(1960年代)に,数を増やすため,町の一部の人たちの(役場関係者と勝野重美氏)の判断で,町外の専門家にも町民全体にも相談することなく,県外業者から移入した。
文化財保護法では、移入種を天然記念物に指定することも可能だ。 しかし,辰野町松尾峡の場合は、自然(在来)のゲンジボタル生息地として県天然記念物の指定後に,そのすぐ近くに町役場が他県からゲンジボタルを移入したという点で,問題があった。
12.ゲンジボタル養殖策のヘイケボタルへの影響
松尾峡のゲンジボタル養殖地(上図赤線内)では、ヘイケボタルも7月に発生する。
しかし,黄色線内も、かつては水田で、その用水路を含め、最盛期で30−50匹のヘイケボタルが見られた。
その後、町役場は、ここをつぶし、今は「さら地(荒地?)」になっている。
ちなみに、ホタル祭りは、6月のゲンジ発生期です。7月のヘイケ発生期には、祭りもなく観光客も来ない。 町役場は,
観光に役立たないヘイケボタルの保護には熱心ではない,
というのが現状である。
13.松尾峡ゲンジボタル盗難事件
2009年6月21日に、長野県天然記念物「松尾峡」付近で、無断でホタルを捕獲し、書類送検された男性を、地検伊那支部は同年12月28日、起訴猶予処分とした。
同支部は処分理由を明らかにしていない。
この事件、ホタルを盗んだ窃盗罪でなく、天然記念物生息地に影響するから、という県文化財保護条例違反。
しかも、実際には、ホタルを採ったという以外、土地や川や飼育地を荒らしてはいない。
ホタルを捕った場所も、天然記念物指定地外らしい。だから、信濃毎日新聞記事も、「辰野のホタル発生地」内ではなく、付近となっていることに注意してほしい。
窃盗罪というなら分かる。
お金や人手をかけて移入養殖してきたのだから,窃盗罪なら理解できる。
しかし,人為的に移入したゲンジボタルを大量養殖し,そのため生じた生態改変は不問で,それを取ると「天然記念物の保存に影響」とするのは,なんとも不合理だ。
役場自身がやっていることと、この男性がしたこと、どちらが生態的問題だろうか?
この男性の件では,10万匹の松尾峡移入ホタルから91匹増加させることが現状回復にあたる。
一方,役場の場合,松尾峡移入ホタル10万匹とその下流に広がった多数の移入ホタルを在来ホタルに戻すことが,天然記念物指定当時の自然回復に当たる。
どちらが困難かといえば、後者が困難なことは言うまでもない。
今回の件も法的には妥当な事例なのだろう。
しかし、生態的影響を考慮すれば,役場のやってることのほうが大問題なのだ。
身内に甘く他人に厳しい、そんな役場の姿勢が透けて見える気がする。
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このブログを開設するにあたって,ubiquitous_buddaさんには大変お世話になりました。ここに謝意を表します。
1.はじめに
長野県辰野町松尾峡は、昔からゲンジボタル発生地として有名である。 しかし、松尾峡には1960年代に主として関西から大量のゲンジボタルが移入され、元々住んでいた地元ゲンジは増えるどころか、逆にほぼ絶滅したらしいことが最近の研究で明らかになってきた。
2.移入ゲンジと在来ゲンジのどこが違うか
これら両ゲンジボタルは、発光周期も遺伝的系統も異なる。
松尾峡は、人工的な養殖地で、yahoo写真では、下図のようになっている。
一方、在来ゲンジが生息する鴻の田は、松尾峡の東3km離れた山沿い地域。観光客は来ない。
図1で、京都市の清滝、滋賀県米原のデータと対比している。 同一気温だと、松尾峡ホタルは鴻の田ホタルより約1秒早く、京都や米原のホタルと同じである (井口豊, 2006 全国ホタル研究会誌,39: 37-39)。
松尾峡から鴻の田は、車で10分程度(祭り期間以外)なので、1秒の違いは体感できる。
下図の出発点に松尾峡、到着点に鴻の田を示した。
行くのが面倒な人は、時計で、2秒と3秒を計ってほしい。
1,2,1,2という光りと、1,2,3,1,2,3という光り方。結構違って感じるはずである。 図2はDNAデータ。県内30数箇所調べても、松尾峡ホタルの遺伝子は出ず、関西の遺伝子であることがわかる
(日和佳政・水野剛志・草桶秀夫, 2007 全国ホタル研究会誌,40: 25-27)。
3.辰野町役場の対応
ゲンジボタル移入の歴史的経緯はパンフレットや町のウェブサイトでは、伏せられている。
2010年で、61回目のホタル祭になるので、ホタル祭初期のゲンジは、文字通り地元産であり、県天然記念物指定された集団であった。しかし、その後、祭を継続していくうちに、県外のゲンジを移入、放流、増殖し、発光周期周期も遺伝子系統も全く違ったものになったことを、ほとんどの観光客は知らされていない。
移入ゲンジ対策を採るように、研究者たちは町役場に申し入れているが、役場から「この問題を、あまり公表しないでほしい」と言われ、かつ、対策も採られていない。
役場の担当課長から、「観光客はホタルを見にきているので、全体としてホタルが増えればいいのであって、仮に、在来ホタルが減っても構わない」という、驚くべき発言もあった。
この問題は過去で終わったことではなく、現在も続いている。昨年の簡単な調査で、松尾峡下流地域では、松尾峡からあふれ出した移入ゲンジが在来ゲンジの生存を脅かしていることが判明した。つまり、地元ゲンジが子孫を残せなくなっているのである。
役場は研究者に対して、「学会での議論は自由だが、一般公表は困る」と言う。
そして、昨年(2009年)の研究調査は、町の保護条例を盾に認められなかった。実際には、少なくとも昨年までは、辰野のホタル研究調査のために、町の許可が必要だとは「辰野町ホタル保護条例」にも書かれていなかったが、かなり強引に研究者の調査を拒否した。
4.勝野重美氏と松尾峡のゲンジボタル 勝野氏が、松尾峡のゲンジボタル養殖に懸命に取り組んできたことに、異論はない。事実である。
現在の松尾峡ゲンジボタルは、勝野氏が中心となって、他県の業者から購入したり譲渡されたりしたものを増殖させた集団である。しかも、この移入によって、地元ホタルは壊滅的打撃を受けたのである。つまり、地元のホタルを守れなかったわけである。
松尾峡の問題は、いくつかの主要新聞(例えば, 朝日新聞・6.17長野・中南27面; 毎日新聞・6.22長野・南信25面; 読売新聞夕刊・7.28, 13面, いずれも2008年)でも取り上げられた。
このような移入ホタル問題に対して、勝野重美氏は、
「その時その時にホタルを守るためにできることを一生懸命やってきただけ。地域古来のホタルを大事に守る生息地があってもいいし、たくさんの人が乱舞を楽しむ場所があってもいいと思う」 と反論した(産経新聞2008.6.24)。 >たくさんの人が乱舞を楽しむ場所があってもいい
このこと自体には、私も同感だ。
しかしながら、最大の問題は、
辰野町松尾峡では、下流の移入放流がなかった地域にも、移入ゲンジが拡散し、地元ゲンジが減ってきている ことである。移入したこと自体より、その後のことが問題なのだ。 ホタルは生き物であり、絵画や工芸品、建築物を移動するのとは、わけが違う。
たくさんの人が乱舞を楽しむ場所以外にも、増えてしまうのだ。それが、勝野氏には想像つかないのだろうか?
勝野氏が目指したホタル保護って何だろう?
保護というより、増殖を目指したというべきだろう。 少なくとも、勝野氏が松尾峡において、地元に住むゲンジボタル(在来種)の保護を目指すことはなかったのである。
5.生物多様性基本法から見た辰野の移入ホタル養殖問題
この法律の特徴のひとつは、
「生物の多様性」とは、様々な生態系が存在すること並びに生物の種間及び種内に様々な差異が存在することをいう」(第二条)と、生物多様性を「種間の違い」だけでなく、「種内変異」にまで広げて対象としていることです。 この法律では、国に対して、
「過去に損なわれた生態系の再生その他の必要な措置を講ずる」(第十四条) 「事業活動に係る生物の多様性への配慮に関する情報の公開」(第十九条) 「生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する政策形成に民意を反映し、その過程の公正性及び透明性を確保するため、事業者、民間の団体、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関し専門的な知識を有する者等の多様な主体の意見を求め、これを十分考慮した上で政策形成を行う仕組みの活用等を図るものとする。」(第二十一条)を求めている。 そして、地方公共団体に対しては、
「国の施策に準じた施策」(第二十七条)を求めている。 この法律は10年近く議論され、新聞でも報道され、2008年5月に衆参両院とも全会一致で可決、成立した。その過程は、
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_53_05.html などに書かれている。 生物多様性保全を極端に重視することにも抵抗があるかもしれない。しかし、こういう法律がある以上、行政事業としてホタル養殖をしている辰野役場の責任は重大である。個人や愛好家グループが小規模のホタル放流を楽しんでいるのとは、責任の重さが違うのである。
しかし、辰野町役場は依然として,生物多様性基本法に則った在来ホタル保護策を講じていない。
6.ホタル移入(1960年代)以前の保護策 松尾峡が、大正15年に長野県天然記念物に指定される際の調査報告である、長野県史跡名勝天然記念物調査報告書(大正14年)に、松尾峡ゲンジボタルの保護方法が載っている。
蛍の季節を過ぎたら、卵を安全地帯に移住させること しかし,天然記念物指定後に、このような保護をせずに、県外からの移入に頼ってしまった。
この報告書が書かれた頃、地元の小学校や青年会が、ここの蛍を保護するように呼びかけた経緯がある。しかし、1960年代には、結局、県外から繰り返し移入という手段を取ることとなった。 7.辰野のホタル見物有料化の過程
辰野のホタル見物有料化の過程
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/sc/syoukou/original/matsuri/hogo.htm が、なぜか消えて(消されて)しまったので、以下に記す。 料金や日付は、有料化当時のもの。 赤色線部分に注意してほしい。
ここにも、ホタルを県外から移入したことは一言も書かれていない。
しかし、実際には県外から移入して増やしてきたのである。 以下,赤色強調部分は筆者による。
ほたる保護条例とほたる童謡公園(松尾峡)入場の有料化について 8.辰野町役場の移入ホタル問題への取り組みが、教育に悪影響を与えた例
滋賀県立大学の学生が,守山のホタル保護について卒論を書いた。
その参考事例として辰野町を取材したが,ホタル移入の件は全く知らされなかったようである。
そのため,卒論がネット上に公開された後に,移入の事実を知らされた指導教授が,移入の件について(注)として、追加コメントを載せることとなった。
p73(注)
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