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いつものこのブログの傾向だと「基地」の打ち間違いだと思われるかも知れないけど、タイプミスではなく「墓地」。
もう少し考えをまとめてから…とも思っていたのだが、そう考えているううちに数年が過ぎて行き、東日本大震災が発生した。現時点での考えをレジェメかメモとしてUPしてみる積もりで書きます。
恐らく、基本的な考えは、変わらないのではないか、と思うから。記述部分も多くなると思うけど、それでもレジェメかメモ。先にそれだけでもUPしてみる事で、他人様から反論やら批判やらを頂ける機会もあるだろうし。
(1) 私は、現在の墓地の状況に、いささか懸念を感じている。核家族化が進展した事で、墓の新規需要はあるが、それでは以前からの各「○○家の墓」は継続して行くのか、と言えば、その存続も不安。
と言うのは、核家族で「○○家の墓」を作って、作った当初の夫妻は、それを子孫が守って行ってくれると思っているかも知れないが、少なくとも各家庭に二人の子供がいない限り、それは困難。と云うのは、自分の入る墓を一つに決めてしまえば(分骨して複数にする事も可能ではあるのだが)、子供夫妻が一緒の墓に入るとすれば、片方の親の墓は、孫にとっては祖父母の墓でしかなく、親の墓ではない。祖父母との思い出の量が墓参の量を決める事になる。では、その更に子孫は、どうか。思い出のない世代しか生き残っていない状態になったとき、その墓は打ち捨てられる事になるだろう。
永代供養と云うものがあるが、当初の永代供養料を納めれば、そのまま墓を維持して貰えるか、と言えば、そんなに簡単なものではない。多くの墓では、管理料を滞納すれば、何年かすれば合葬される。合葬される事によって、墓のスクラップが進み、そんなに墓が増加する事は無い、との意見もあるかも知れない。が、それは常に調和の下で行われる訳ではない。このままだと、墓はこれからの数十年でピークに達した後、急速に打ち捨てられる事になる。現在とて、そうして打ち捨てられた墓の墓石が不法投棄されていたりする。
(2) 墓地の増加自体も、都市計画上、好ましいものではない。墓地は公共の管理のものや以前からあるもの以外、宗教法人の管理となり、墓地になった途端、非課税になるものと考える。非課税の土地は、当たり前の事だが、税金を納めない。そうした土地が地方公共団体の中で増えて行くと、地方公共団体の財政上、好ましい結果は生み出さない。墓地の敷地の総量を一定割合に制限する条例は、あって然るべきと考える(あまりに現状からの増加が少ないままでの条例での制限は、却って墓地の高騰=取り敢えずの収入増、などをもたらすので、抑制の為には、現状からある程度の幅での墓地造成を認める事とする条例化が必要。取り敢えず、既存住宅から一定距離離す条例もあって然るべき)。
石屋や宗教法人の現時点での利益を何とか上げる為(宗教法人のいくつかにとっては、過去からの法人の維持に欠かせないものの場合もあるだろう)、墓地の新設を行う事が多いが、これが未来の為にいい事であるか、は、それぞれの場所で検討しなければならないだろう。墓地の増設は、好ましいと思われない場合も多い筈。
墓地は、新たに作るときは忌み嫌われる事が多いが、以前からの墓地の近くに住む事には、あんまり抵抗の無い人もいるみたい。この差は、私には不思議な事と思われるんだが…。
また、災害対応で言えば、日本の多くの墓地は、地震に際しては危険地帯と化する。それは、明治以降の墓石の形態が、膠(にかわ)で上の墓石を止めただけのものが多いから。江戸時代までは、上の墓石と下の土台は一体型のものが多かった。が、明治以降、膠で繋いだだけのものが多く、そうした墓石は、大地震の際には上の墓石が「飛ぶ」。新潟県中越沖地震の際には、そうした事で1名(猪俣孝 氏)が亡くなったし、甚だしきは墓石が丘陵地の上から飛び、傾斜地の下の家を直撃した例もあった(新潟県中越沖地震@柏崎市 2007年)。
現時点での墓石がそうした形を維持するのならば、最低限の制限として、新たな墓地を作る際には、そうした墓石は隣接地から離す事だ。条例などで計算式を設定したら、いい。墓石上部重量×2,400ガル(ガル加速度なので、計算可能)で土台からの高さで隣接地に達しない様にする必要があるだろう。実際には、下に付いた後で更に転がる。それを防ぐ為に、防ぐ事の出来る強度のフェンスや樹木を設けるのが妥当と思う(これは墓石重量×2,400ガルをそのまま当てはめるのがいいだろう)。2,400ガルは、今までの地震で測定された最大値相当だが、墓地は地盤のしっかりした土地に作られるものでもなく、むしろ地盤の弱いところに作られる傾向もあるからフェンスなどは3,000ガル相当で計算した方がいいかも知れない。そしてフェンスで防げるならば、その分、隣接地から離す距離を縮める配慮をしてもいいかも。でもね、フェンスにはフェンス自体の耐震強度が必要になりますし、何より心配なのは、フェンスなどの経年劣化。鉄などで作った場合、錆などで劣化して行く場合がある。これを防ぐには、条例で、あらかじめ罰金を設けておくか、フェンスが劣化した場合のフェンス強化命令権限と従わない場合の墓石の撤去権限を地方公共団体に与えておく事が妥当と考える。
デンマークなどには世界遺産指定を受けている墓地公園まであるのに、何故、日本の墓地は、この様な危険地帯と化しているのか。それは、様々な歴史的経緯によるものだろうと思ってる。日本は草生す地。それ故、草が生えてもそれに埋もれない様な墓地である事が望ましかった事情もあるだろう。それに加えて、仏陀の墓とされたストゥーパから卒塔婆の形が生まれ、それが木となったり(今の所謂「卒塔婆」)、墓地の粗型となったのではないか、と私は勝手に考えている。これが、明治以降、膠で固定される様になったのが危険の始まり。昔は、墓石を伴う様な墓は少なく、多くは貴人の個人の墓であった為 固定式であったのに、明治以降庶民まで「○○家の墓」として作る様になった為、骨壺など(これは地方により様々な形態がある)を納めるのに便利な様に膠で固定する様になったのだろう。
なお、標識として墓石を考える事で思い出すのはモーリタニアの世界遺産の地。彼の地では、砂漠の薄い上皮層を剥ぐと頁岩の現れる地があり、頁岩(割れやすい)で住居を作る土地があるが、そうした地の墓地は、墓石が砂で埋まると、その上にまた墓石を置いたりする。
現在から百年ほど経ってから首都圏に大地震が襲ったなら、多くの墓石が「飛び」、そうしたときに「打ち捨てられた」墓は対応が採られず、そのままになり、墓として活用されている墓地の墓参にも支障を来す事態は、容易に想像出来る(まあ、時間が経過するうちに、何とか墓石を元通りに出来るかも知れないけど)。首都圏での大地震は、百年後と言えど、多くの住民に耐え難い生活を強いる事だろうし、墓にまで考えが及ぶのは長い時間が経ってからになるだろう。新潟県中越沖地震の際も、墓立て直しのボランティア活動があったが、それが比較的早く始められたのは被災地が直下型地震で限定されていて、住民の数も限定されていたからに他ならない。
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