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(1) 一般的には、民主党の敗北とされているが、私には、現憲法体制(憲法だけによるものではないが…)の最大の欠陥である参議院の問題点が明らかになっただけのものと考えている。
参議院を現・憲法体制の最大の欠陥とする理由は、このブログを読んで来た人には理解頂いていると考えるが、次の様な事による。
A)参議院議員は、特に優れている者が立候補する訳でもないのに、衆議院議員の任期4年、解散もあるのに較べて、任期6年と優遇され過ぎている。この任期6年、3年ごとに半数改選と云う期間の長さが、政治の停滞を招いている。
これについては、竹中平蔵などは「資格審査を課すべきである」などと言うが、いかなる資格ならOKなのか?竹中は大学教授などの所謂「有識者」を考えている様だが、大学教授も人的繋がりなどの識見とは別のところで採用が決まる事もある実態はよく知られたところであり、バカとしか考えられない大学教授も多い実態もよく知られたところ。また、ある分野については「有識者」でも、国会の検討する他の分野に関しては「アホ」そのものである場合も、よく見かける事。国会議員と云う者の投票領域を縛る事も困難なので、予め資格審査を課すなどと云う事は何の意味もない事は直ぐ判る事(これこそが、竹中平蔵が他の分野に於いて「アホ」である事を示す事例でもある)。
参院瀬候補者が特に「識見に優れた者」でもない実態は既に明らかなのだから、参院を存続させるにしても、衆院議員と同じ4年の任期にして2年ごとに半数改選で構わないだろう。
少なくとも、これから3年は、現在の参院の議員配分を前提として行動せざるを得ないのだ。
B)参院の選挙制度が、選挙区は、小選挙区(1位のみが選出される。一つのチャンピオンの意見に集約される)と中選挙区(複数の議員が選出される。少数勢力は排除)があり、また比例区(もっとも、意見の公平な分布が得られる。少数勢力でも代表を出せる)もあり、投票という入力を以て結果が得られる関数としては、あまりにも訳がワカラナイものとなっている。
おまけに、小選挙区になっているところは、有権者数が少なく、都道府県単位での別枠方式(各都道府県に少なくとも1人の代表を割り当てる)の為、結果に対する1票の価値が人口の多いところの何倍もの価値を持つ事になってしまう。それ故、結果から何かを言う事は困難。
今回の参院選は、民主党の敗北とされているが、比例区の得票(立候補者の名前を書いたものを含む)は、
民主党 18,450,140票(全投票数の31.56%)に対し、
自民党 14,071,439票(全投票数の28.08%)
比例区では、民主党 16議席で、自民党 12議席。
選挙区での得票をを党派別に見ると、
民主党 22,756,000票(全投票数の38.97%)に対し、
自民党 19,496,083票(全投票数の33.38%)
これは、落選した候補者の得票も含んでいるから、こうした事になるのだが、民主党候補への投票数が自民党候補への投票数より多い。まあ、民主党の得票数とて過半数を占めている訳ではないのだから、そう騒ぐ事でもない、って言うかも知れないが、自民党が改選第1党になっているのは、参院選の選挙制度の訳ワカラナサの反映でしかない。
自民党は、1人区(小選挙区)では優勢だが、中選挙区(複数議席選出区)で複数議席を出したところは無い(もともと複数立候補も少なかったのだが。民主党は、多くの選挙区で複数立候補を行ったが、2議席を獲得出来たのは、愛知選挙区、東京選挙区の2つのみ)。中選挙区では、自民、民主以外の党に票が流れたもの。
自民党は、比例区でも民主党に負けている(得票数、得票割合ともに、自民党は、前回参院選より落ちている)のに、改選第1党になったのは、主に、1人区での勝利によるもの。これは民意の「反映」には違いないのだが、国民全体の割合を反映しているか?と言えば、1票の不平等により結果を歪めてしまったものになっている。
例えば、鳥取選挙区の全確定得票数(全ての立候補者の確定得票数を合計したもの)は311,778票だが、千葉選挙区ではこの全確定当票数より多い票を得た立候補者が3名落選している。東京選挙区でも1名、埼玉選挙区で2名、神奈川選挙区でも1名、愛知選挙区でも1名、大阪選挙区でも1名が、島根選挙区の全得票数より多い得票で落選。静岡選挙区でさえ、落選した1名は鳥取選挙区の全得票数より多い。島根選挙区の全得票数も422,494票で、東京選挙区で1名、千葉選挙区で1名、神奈川選挙区で1名、埼玉選挙区で1名、愛知選挙区で1名、大阪選挙区で1名が、それ(島根選挙区の全得票数)以上の得票を得た上で落選している。ちなみに、鳥取選挙区の有権者数は485,912人で、島根選挙区の有権者数は593,860人。上の落選者の投票数が上回るところもある(千葉景子・法相は落選したが、得票数は696,739票)。
こんな不平等が許されていいものだろうか?私は、全国1区にした上で、非拘束式比例代表制で選挙して構わないと考えるが、都道府県の区切りに囚われず、参院選もブロックでの中選挙区に構成し直しても構わないだろう(わざわざ都道府県別にする意味はもはや無いだろう)。衆院と同じ選挙制度では困ると言うのなら、衆院は比例区を地域別ブロックではなく、年齢別で地域別は無くした比例区にしてもいいだろう。とにかく、私は人口に比例しての選挙(有権者数に比例しての選挙ではなく)がなされるべきだと考えるが、今の選挙区割は酷(ひど)い。何らかの配慮があるにしても、その配慮が何であるか?は、もうはっきりしないまま(と言うより、そうした理由付けは、全て後付け)での選挙区割で議席が選ばれてしまっているのが実態なのだ。これが「国民の代表」でごさい、なんて言ってられるのか?私は、こんな事もあり、国会議員、特に参院議員をどこかバカにしており、尊敬などしちゃいない…。
ちなみに、当選した人の得票数を足してみて、民主党の方が自民党より多かったらエライ事だ…と思って、計算してみたが、さすがにそうした事にはなっていなかった(民主党 13,462,942票に対し、自民党 16,652,942票。1議席当たりの得票数は、民主党 480,819票に対し、自民党 427,042票で、民主党の方が多いが、それは言っても意味が無い。自民党の一人当たり得票数で民主党の得票数を割ると31.53議席となり、比例区の16議席を足すと49議席になり、自民党の51議席と大差ない事になってしまうが、これも言っても大した意味が無い事)。
とにかく、参院選の選挙制度は歪んでいる。こんな歪んだ制度で少なくとも3年間、影響の及ぶ期間としては6年間縛られる事になるのだ。選挙制度を改正するか、改正しないなら、参院など止めてしまった方がよい、と考える。最高裁も、そろそろ参院の選挙制度を違憲と宣言すべきだ。もう最高裁の権限で参院を無効とし、解散してもいいくらい…。
選挙結果を「民意の反映」と言うのは簡単だが、その結果の解釈は、そう簡単な作業ではないのだ。
「民主党にレッドカードを突きつけた」などと自民党が言うとしたら(実際に言ってたのは、「みんなの党」?)、それは解釈が恣意的に過ぎる事になる。
(2)とは言え、そう簡単には参院の選挙結果が無効とはされないのも分かり切った事。(1)の事から言えば、自民党は改選第1党になったからと言って、あまり胸を張れるものでもない。
唯一胸を張れるのは「みんなの党」のみ。選挙区でも、結構魅力のある候補者がいた選挙区もあったし。アジェンダには私も共感出来た。けれど、その景気対策はイイカゲンで、アジェンダ(ほとんど single issue)にも当然の事ながら、かつての民主党のマニフェストと同様、矛盾満載。何よりも、渡辺喜美のポピュリストぶりには、私は安倍内閣の時以来、あきあきしていたので、投票する気にはならなかった。でも、有権者ってものは、ある語られている主張に共感すると、残りの語られていないところには自分の考えを投影し、自分流に解釈しがちなもの。そうしたプロセスで投票した人も多かったろうし、主張の問題点は認めながらも、こうした勢力が「一定割合」を占める事で、政界全体のバランスを取ろうと考え投票した人もいるだろう。
私としちゃ、数年後に「みんなの党」の中で政策討議が深化して、渡辺喜美を代表の座からひきずり降ろす事態になる事を期待している。そうしたとき、政界再編の中で「みんなの党」は政権の一翼に着く能力と資格を持つ事になるかも知れない。
(3) 今回の2010年7月11日の参院選の選挙結果で最も喜ばしい事、それは国民新党の議席がゼロだった事。おまけに民主党の参院選の議席も過半数を割った事だし、「郵政改革法案」なるものは、粛々と廃案に追い込んで貰いたいもの。
今の郵政は、役人が経営して何とかなる様なものではないし、ましてや国家権力が庇護する必要など、ありはしない。僻地の対策が必要ならば、そうした対象者(郵便局以外には3km以内に金融期間が無い者など)には、郵便貯金の限度額を撤廃する、など対象者をセグメンテーション(切り分ける)するのには、私は異論は無い。そうした者の保護や利便には、配慮(法的保護や税金投入)をしてもいいだろうが、そうした配慮のため、大きな郵政全体を法的保護の下に置き、その性質を変化させて行くのは、明らかに間違っている、と考えている。
〜 ヤフー・ブログの記事の文字数制限(1記事につき5,00字)を超えたので、以下は「その2」(http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/59629525.html )に続く 〜
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