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(1) 2009年9月16日、首班指名がなされ、鳩山由紀夫が内閣総理大臣に。民主党政権が生まれ、内閣の顔振れが決まった。内閣の顔ぶれで言えば、久しぶりの「本格政権」。
小泉純一郎内閣の際は「自民党をぶっ壊す!」と言ったお人でもあり、従来の顔ぶれとは違った人間を選ばざるを得なかったところもある。「一内閣一閣僚」と言った事で、その後の政治の動きを縛った面はあるのだが、所詮閥務などの経験の浅い首相であった為、後継選びを完全に間違えた。安倍晋三なんて、総理の資質に欠ける人間なんだが、彼を選んだが為に、その内閣たるや「お友達内閣」とも評される軽い布陣に。その改造内閣を引き継いで動かした福田康夫内閣も同様。麻生太郎内閣に至っては、直ぐにもあると見られた解散・総選挙を戦う為の取り敢えずの布陣かと思ったら、そのまま。で、辞任がある度に兼任でゴマカシ、麻生太郎内閣なのか、与謝野馨内閣なのか、不明の事態に。まあ、麻生太郎内閣だったんでしょう、麻生太郎の所為で自滅した訳だから。
それらの内閣に較べれば、民主党の政策立案を担って来た人間による「本格」布陣。でもね、今緊急の課題たる雇用問題に関して長妻昭がどれほどの事を出来るか?と言えば、疑問。今や、「厚労省は国家なり」とも言える重責を担っている(割に無責任言動の多い)厚労省なればこそ、副大臣やら政務官やらのスタッフや官僚側の陣容が重要になって来るんでしょうね。
とにかく、この内閣が何を出来るか?どう動くか?は、まだよく判らない部分だらけ。2009年9月17日01:45まで掛かった閣僚記者会見(常に深夜に及ぶのは、「いかがなものか?」と言ってみる)では、それぞれの本格さは伝わって来たけれども、さてはて。今までの内閣が「何もしない」事を見透かされていたのと違って、期待も掛かってる分、「何も出来なかった」ときの失望の落差も大きくなる道理。経済状況は決して楽観出来ない(どころか、かなり危ない)状況だし、2010年7月にある参院選に向けて、かなり厳しい船出である事は間違いない。
でもねぇ…2009年8月30日の衆院選から2009年9月16日の特別国会召集までの「空白」は頂けないねぇ。
国会の札(ふだ)を書く人が今や二人しかいないからだ、なんて話も漏れ伝わって来るけれど、「札なんて、どうでもいい話」。いざとなれば、札なんて無くても討議は出来るでしょ?それに、来年取り壊す手筈の衆院議員会館の選挙後の改装に3,800万円も費やして…今までの国会運営が、そうした「何もしない」慣例で動いて来たのは致し方ないとして、今後は「実質」を議論し、スピード感ある対応でやって欲しいもの。
ちなみに、「小泉進次郎」さんですが、札を書いているとき最初「小泉信次郎」て書き間違えられてて、TV局のスタッフに誤記を見つけられ、訂正してましたね…。
(2) 衆院選での民主党の議席は308議席と巨大なれど、民主党単独では衆院の2/3(320議席。2/3あれば、参院で否決されても憲法52条2項により衆院の再議決で法案を成立させられる。自公政権で末期の麻生政権では、衆院の再議決を結構多用した)は持っておらず、参院でも民主党は単独過半数を持たない。それ故に、社民党や国民新党と連立を組むしか無かった訳だ。別に連立を組まずとも、是々非々で法案を成立させられるかも知れないが、運営が安定性を欠く事になる。そこで、連立を組んで参院での過半数を確保した訳。ちなみに、衆院では、社民党は7議席、国民新党は3議席なので、連立を組んでも衆院では2/3を「確保した」とは言えない。先ずは、参院での過半数が必要だった訳だ。
そんな中で、内閣に加わった亀井静香は、やはり異様。建設大臣だったか、国土交通大臣だったかのときに「あの人の性格だから」と牽強付会を揶揄された人だが…早速、「3年間の元本返済猶予」なんて持ち出して来た。いい政策なのかも知れんが、何の根回しも無く「オレは大臣だ」て姿勢で政策を打ち上げるのは、これからも色々と物議を醸す事になるだろうな、きっと。
閣僚記者会見で「今、黒字倒産が多い。貸しはがしの所為だ」なんて言っていたが、本当か?政治家としての身の回りを見回しての実感なのかも知れんが、亀井静香は今まで統計や現実に基づかない「事実の指摘」を繰り返して来た過去がある。この発言の当否は、厳密に検証してみるべきだろう。貸しはがしを受けると云う事は債務があると云う事で、もしかしたら、黒字幅で債務の返済計画が立たないからかも知れないし(それが現在の不況による一時的要因なら、亀井静香の元本返済猶予案には妥当性がある)、債務があるが故の事業承継の困難(相続するにしても、債務の方が大きく、事業承継者が現れない)かも知れない。前者が圧倒的だとしたら、亀井静香の返済猶予案には政策の妥当性があるかも知れないが、後者が圧倒的だとしたら、返済猶予案には何ら政策としての妥当性が無い。それぞれの要因の占める割合、またそれぞれの危険性を見ながら議論をして行く必要がある。そんな統計数字が出て来るのを待てない、ってときもあるかも知れないが、可能な限りは「現実を知る」手立てを尽くすべきだ。安易な思い込みだけで政策を進められても「困る」。まあ。元本返済猶予案は究極の大衆迎合策、支持率上昇策かも知れんけど。住宅金融公庫(今は別の組織になった?)の住宅ローンの返済には、これを行ってもいいかも知れん。ついでに住宅金融公庫への借り換えも認めると、民業圧迫の批判も受けはするだろうけど、民間契約の事後契約変更の誹りを受けずに、同様の政策効果を上げる事が出来るだろう。このローン借り換えを郵貯機構にでも行わせると、亀井静香の政策としては「してやったり」。もっとも、その後、住宅ローン破綻が続出して郵貯機構の採算が悪化するかも知れんけど。
まあ、話を元に戻すと、国会の中での状況はそんなところ(参院は単独過半数ならず、連立で過半数。衆院は2/3は取れず)なので、民主党政権は取り敢えずは、突っ走るしかない。そして、その成果を元に、参院選で信否を問うしかない。
痩せても枯れても、民主党は衆院第一党、参院第一党。参院選で勝利して参院過半数を占める事が出来れば、連立を維持するにせよ、終了するにせよ、民主党の意図は貫徹出来る。そうでなく、参院で過半数を取れなければ、連立は継続せざるを得ない。
どう転ぶか不明だけれど、民主党政権が上手くやれば、参院で過半数を占める事も可能だと思う。その為には、景気対策なんかの困難な問題にはじっくり取り組むとして、政治資金規正法改正(マニフェストで示した様に、企業献金・団体献金禁止。但し、実施はマニフェスト上も3年後)、衆院・参院定数是正(1票の格差是正。都合のいい事に、選挙区を統合・再編=議員数削減、せざるを得ない選挙区は、自民党の議員が小選挙区で選出されたところが多い)なんかには年度内(2010年3月まで)に達成すべきだ。その動きだけでも3ヶ月間(2009年内)程度の支持率の低下は抑制出来る。景気が簡単に上向かないのだから、支持率がじわじわ下がるのは致し方ない「予想された事態」。
「自民党政権よりマシ」「自民党政権が復活するよりマシ」って有権者に思わせる事さえ出来れば、参院選での過半数は取れるかも知れない。失望が上回れば、参院選では簡単にひっくり返る可能性もある(自民党がそれまでに再生出来るか?は謎だけれど)。
(3) 参院選の状況を見通すには、自民党の状況を見ておかなければならない。「自民党は、国民に支持される政党になれるか?」って問題。民主党の大勝利は、自民党政権に対する「反対」、自民党パージでもあった訳だから。
かつて自民党が野党になったとき(細川連立政権、羽田政権)は衆院第一党、参院第一党の状況で周囲を連立で固められ、政権から滑り落ちた訳だが、今回は状況が違う。衆院第二党、参院第二党で、衆院に至っては、どう連立を組もうが選挙が無い限り、政権は取れない。比例区復活制度があり、離党したら比例区当選の議員は議席を失うので、かつての様に離党による新党立ち上げは容易ではない。これは、比例区復活当選議員が多い現在の自民党にとっては、尚の事。政権と云う集約軸が無くなった自民党でも、比例区復活当選て事が政界再編を妨げ続ける要因になる。
で、「自民党は再生出来るか?」ってテーマは当然話題にならざるを得ない。先ず目先の問題は、総裁選。
自民党の若手で「総裁選の20名の推薦枠が問題だ」なんて言ってる連中がいる(河野太郎、山本一太など)が、カタハライタイ。自民党の議員数が少なくなったとは言え、200名程度はいる。その中で1割も確保出来ずに立って、総裁選で勝利は望めるのか?推薦枠の議員数を減らしたとして、それでやっと立てる事の出来る候補に、総裁の資質はあるのか?今まででも総裁に選ばれた中でも安倍晋三などと云う資質に欠ける者もいたのに。ちなみに、河野太郎、山本一太に総裁の資質が無いのは明らか。河野太郎は「良い子」から抜け切れず、言ってる事が一貫性に欠ける(論理的に矛盾する)し、山本一太はその場限り。いつか総裁選に立った棚橋なんて、ほとんど本人の知名度UPの意味しか無く、「自民党の改革」って言ってるだけで政策らしきものもほとんど何も無かった。
自民党に今必要なものは、本格的な「政策論争」。今までは、総裁を選び、総裁に「包括委任」を与えるかの様な総裁選を繰り返して来た。その結果、ほとんど「郵政民営化」しか言わなかった小泉純一郎は、自民党員のほとんどがその実現を信じていなかったのに、それを貫き、自民党員はしっぺ返しを食らった。でも、そのお陰で4年間はいい思いをw。その後は、包括委任だらけで政策論争らしきものをきちんと戦わせないままに過ごし、今や119議席の野党。ここで、従来型の総裁選を繰り返すなら、自民党に再生の芽は無い、と思うなぁ。何となく、「どうせ野党だし、総裁になっても首相になれる訳でなし」なんて気分で総裁を選ぶと、参院選で明白な敗北(議席減)を喫し、総裁の首を責任論でまたすげ替える事態になりかねない。そこに至って、初めて反省する者が現れ、自民党が分裂する可能性もある。その分裂した片方の勢力が次の衆院選で民主党と張り合える2大政党の片方として勢力を拡大する、ってシナリオが一番現実味があるかも知れない。
きちんとした政策論争を党内で行い、再生出来れば自民党にも復活の芽はあるかも知れないが、政策論争を行うと、政権と云う集約軸を失った自民党は、参院選の前(2009年内?)にも分裂する可能性もあるんだが(勿論、比例区復活議員はすぐさま離党に参加出来ないので、離党は選挙直前にしか出来ない)…そうやって分裂した片方は、民主党との連立可能性も出て来て(社民党、国民新党に変わる連立相手として)、次の参院選で勢力を拡大出来るかも。
〜 ヤフー・ブログの記事の文字数制限5,000字を超えてしまったので、以下「その2」(http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/58497560.html )に続く 〜
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