黄色い蛇足@日立柏酒場裏

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東北地方太平洋沖地震発生後

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<一度UPした後、用語などを一部修正しています。当初「ロットナンバー」と書いていたものを「個体識別番号」に改めました>

 福島県南相馬市から出荷された肉牛の肉が「放射性セシウムに汚染」されており、一部は消費者段階で既に消費されていると推定されているらしい。この話は、聞くにつけ、哀れを催す部分もある。汚染の経緯は、稲藁を飼料として与えたからだと発表された。だが、通常「稲藁」は飼料にはならない。牛は、草を食べ、それをタンパク質に変える、優れた変換装置とも言える生き物だが、草なら何でも牛の餌になる訳ではない。牛の栄養になる草は、低地ならば恒常的には栃木県北部以北でしか自生しないと聞いている。それ以南の牛は、ほぼ間違いなく「牧草」ではなく、「飼料」に頼って飼育されている「筈」(ここら辺は、伝聞情報なので…限界的な場合の事例としちゃ、例外もあるかも知れない)。稲の藁なんかは、通常、牛は見向きもしない筈。そうでなければ、牛の寝床に藁を敷き詰めたりはしない。

 今回は、配合飼料(東北地方への飼料の多くは、茨城県で配合されており、そうした生産施設が被災し、広域的に配合飼料が不足した。また、被災地では物流の途絶などもあった事だろう)が震災の影響で手に入らず、止むを得ず、水田にあった稲の藁を集めて、飼料として与えたものらしい。そのときは、牛を餓死させない為の窮余の策だった可能性が高い。そうした状況でなければ、牛も藁なんかを食べやしなかっただろう。ヒトだって、米(コメ)を食いはするが、通常、そこら辺に生えているペンペン草の種なんかを集めて食べやしないのものだ。食は、ある程度の習い性がある。現に、うちの飼い犬は、神戸牛のサーロインステーキ以外、食わん。(←スマソ。この最後の1文、ウソ)。
 そんな中、せっかく生き延びる事が出来た牛が出荷段階になって「セシウム汚染牛」と呼ばれる。哀れと言う他、ない。出荷時の聞き取り調査で正確に回答しなかった責めは、飼い主側にあるにしても。

 ところで、国産牛肉は、BSE騒動以降、全て個体識別番号で管理されている。スーパーなどでも、個体識別番号を表示して売っている肉も、結構ある(表示していない肉もあるが)。それが牛肉トレーサビリティの基礎になっている。が、今回の騒動では、個体識別番号が公表されないままで、伝票などを「調査した結果」として状況が報道されている。これが、私には不思議でならない。もし食うか食わないかの境界線にいる人がいるとしたら、個体識別番号公表で食わずに済ませる事が出来たかも知れないのだ。勿論、表示されていない肉は判らない。食堂などでは、食べる側に、そんなものは知らされないので、判らず食べてしまうだろう。が、食わずに済ませる人も出て来る筈だ。
 個体識別番号を公表すれば、誰が出荷した肉牛なのか、も明らかになってしまう。南相馬市の出荷農家さんの氏名は晒される事になる。が、それは出荷時の聞き取り調査への回答が不正確だった事の責任でもあろう。個体識別番号を公表しないままでの調査の「のんびりさ加減」に私は呆れてしまうのだ。

 勿論、今回の牛肉を食べたところで、「直ちに」健康被害が出る様な代物ではない。また、1回食ったからと言って、さほどの健康被害は無いだろう。が、だからと言って、個体識別番号を公表せずに、裏で調査をやって「消費されました」「回収しました」と発表するのは、果たして「誠実」なんだろうか?

 なお、全頭検査でない事を非難する人をTVで見かけたが、全頭検査は、費用も時間も掛かる。セシウムについちゃ、特有のγ線の出方がある様だから、それでスクリーニングを掛けて一次検査とする事も出来るかも知れないが、他の放射性物質は、どうなのか?質量から放射性物質を検出するには、1週間程度掛かるものが多い。どう測って行くのか、また、それは現時点でいくらくらいの費用が掛かる検査なのか?それを牛肉の値段に直すと、いくらくらいの値段上がる事になるのか?県が行って、東京電力に請求するにしても、では、それは電気料金や税金でいくらぐらいのUPになるのか?
 とは言っても、「だから、やらなくて良い」とはなるまい。区域を限っての全頭検査に進むざるを得まい。そして、その費用は東京電力に請求せざるを得まい。
 でも、そうした体制への費用を考えるとき、個体識別番号を公表しないで、裏で調査を進めて時間を浪費した事は、果たして対コストで割に合った事なんんだろうか?私は、疑問に思うばかりだ。

 検査が、何かぱっと機械を通せば直ぐに出て来る様なイメージで理解している様な単純脳の人(まあ、真面目な顔をしながら言うものだが)の言葉を、私はわざわざ聞いている気にはならない。

 とは言え、今回の様な牛ならば、解体から消費者の口に入るまでは、1週間以上あるのが常。今回だって、放射性セシウムが含まれた可能性のある肉が食肉処理されたのは2011年6月30日、実際に消費者に販売されたのは2011年7月11日〜12日頃。セシウムが検出されたのは、2011年7月5日時点で流通段階でサンプルとして抜き出した肉で、放射性セシウム検出が明らかになったのは2011年7月10日頃(ニュースになったのは、2011年7月11日だった様に記憶している)。その後2011年7月7日に出荷された肉牛は、流通していない。解体段階で全頭検査に回していれば、消費者の手に渡る前に放射性セシウムは検出されていた事だろう。牛はデカイので、頭数も限られ、検査の工数もある程度の範囲に収まるかも知れない。
 が、同様の全頭検査を豚でやる事は、ほぼ不可能だ。鳥や魚ともなれば、サンプル検査でしか出来ないのは、直ぐに判る話。
 どう信頼性のある検査を(出来れば効率的に)行って行くか、が重要なのだ。

 そして、検査に時間が掛かるのであれば、検査で不適格が判った場合、消費者に渡る前に回収出来る制度も必要になる。それには、流通側からの調査、回収も同時に行うにしても、牛の場合、個体識別番号ー公表が一番効率的なのではあるまいか?
 

 さっき2011年7月8日03:35、久しぶりに揺れた(で、目が覚めた)。私の住んでいる千葉県北西部(千葉市も、これに該当するらしいが…)だと震度3らしい。それよりも、すぐさまニュースを点(つ)けたが、久しぶりの東北地方の震源地の地震で、これだけの揺れがこちらでも感じられた事で、心配になった事。それは、あの配管部から水漏れを繰り返す福島第1原発の汚染水浄化装置が、地震で壊れないか、って事。ホントに心配の種は尽きない。まあ、これだけ離れている者だからこそ、そんな悠長な心配をしていられるんだろうが。

 もともと、災害ってものは、皆を均等に破壊するもんじゃない。「災害格差」なんてものは、何もせずとも、当たり前に生まれて来る。その差を社会的なものが更に増大しない様、気を配る事、その事こそ必要な事。
 そして、災害格差がある事を考えていれば、様々なフェーズを内包して進む「復旧」「復興」の過程が一様でない事なんて直ぐ判るのだから、様々な射程の政策・対策を同時に繰り出さなけりゃならない事なんて直ぐ判る筈なんだが、ホントに判ってやってるのか不安になる、この頃。

 昭文社から発行された「復興支援地図」を買ってみました。税込み999円、売上の一部(割合は明示されていない)は、義援金に回るそうです。
イメージ 1
ウェブの上でも津波浸水地域は見る事が出来るんだけど、暫くするとウェブからファイルが削除される可能性もある。が、印刷されたものを買えば、何年経っても見る事が出来るだろう、と思って購入した次第。

 結構前から販売していたものかと思いましたが、購入(先週の2011年6月18日)後、朝日新聞2011年6月19日付朝刊第13面で紹介されていましたので、結構最近の販売開始みたいです。

 買ってみて気付いたのは、津波の浸水地域とその区域の道路交通情報しか載ってない、て事。それを震災前の地図に重ね合わせているだけです。
 …と、よく表示を見たら、

○ 津波浸水範囲表示
○ 災害対策本部
○ 避難所
○ 道路通行規制
○ 鉄道運休状況

が載っているそうです。

 ですので、それ以外の情報は全て無視されています。液状化被害の範囲なんてプロットされていませんし、須賀川市の農業用水ダム決壊なども無視。

 でもね、それなりに有益。以前の状態を知っているところでは、津波浸水区域をイメージ出来るし、知らない地域では、以前の情報と一緒に見る事が出来るから。それに、細かい情報はウェブの方がいいにしても、一覧性は紙の方が上。

 不満は残ります。青森県八戸市〜千葉県旭市までの連続した海岸地域の津波浸水区域を示したに過ぎないので、旭市より南側の九十九里浜区域の浸水被害の範囲なんて全く判らない(被害のあった事は、http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/60474381.html の図を見ても判ります)し、北海道函館市の津波浸水も市街地の広い範囲に及んだ(太平洋に面していない西側の方が浸水被害は大きかった筈)のに無視されている事、など。でも、この地図で知る事の出来た事もありました。例えば、鹿島港からの津波が霞ヶ浦(北浦部分)の一部である鰐川の堤防によって止められている事など。実際には、鰐川に通じる堀割川を遡った津波は鰐川に達している事でしょう。北浦の水は水道用水になっていますから、ちと心配な部分は残ります(海底に沈んでいた重金属など)が、水質検査はやってるんでしょうから、大丈夫?
 福島第1原発では、遅くとも今月2011年5月中には、高濃度の放射性物質を含んだ汚染水の移送先が満杯になると言う。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110523/k10013056921000.html
(このURLの記事のUPは、2011年3月23日となっているが、この事自体は、数日前から報道されていた事)

 ここで、今までのトレンチなどの水位がきちんと把握出来れば、移送した水量との計算で、少なくとも、漏れ出ている1日当たりの水の水位の上昇幅が判り、全ての水準の断面積が同一ではないにしても、余裕の日数の概算が出来る。が、そうした情報は、報道されている範囲では見当たらない。過去、断片的に発表された事があるが、そのままの量を維持してるのか?
 圧力容器内の水位、そして格納容器内の水位は1号機以外判らなくとも、外部のトレンチの水位が測定されていない筈は無いと考える。それとも、測定器を挿し込まないままでトレンチに蓋でもしてしまったか?(まさか、ね)

 そうした情報が出て来ない、って事は、嘘は付いていないまでも、どこかで情報が隠蔽されてるって事だ。福島第1原発の設計詳細図は既に流出しているから、上記の情報が判れば、概算レベルでの計算は可能。が、上記の情報が無ければ、外部では、概算すら出来ない。
 もし十分な時間的余裕があるとすれば、それはトレンチ外(地下など)へ漏れ出ている量が多く、しかも、それを止める術が無い事を意味する。
 地下などへ漏出している量が少なければ、水蒸気爆発で上が開いている建屋では、降水量さえトレンチ内の汚染水の量を増やす事に繋がり、時間的余裕はそんなに多く無い筈だ。しかし、時間的余裕があるとすれば、それは外部漏出の量の多さを意味する。
 
 こんな事に気付かず、過去の事(昨日2011年5月23日の国会の復興特別審議は、ほぼ全てを「海水注入」に費やしたと聞く)ばかり討議しているとしたら、国会は馬鹿の集まり。しかし、私でさえ気付く、そうした事を、あんなに沢山いる国会議員が一人として全く気付かない筈は無いだろう。とすれば、国会は、国会ぐるみで情報を隠蔽しているって事だ。内閣不信任案提出のタイミングを図って、野党側も隠蔽に協力してるのか?
 もう、アホ(国会議員全般)どもに任せている気にもならないのが、私の心情。基本的な情報さえ知らされてない国民は、また、いざと言う時に、急遽知らされて、肝を冷やすしかないのだろうか?ホントに国会議員は、この国の事を真剣に考えているのだろうか?
 管直人・現内閣も褒められたものじゃないが、だからと言って、今の野党勢力や小沢勢に任せたら現状が改善される、今よりましになる、とは、どうしても思えないのだ。

 1〜4号機で高濃度汚染水を除染(現実には、フィルタで濾す)して、循環注水する予定ではあるが、この処理装置のフランス・アレバ社からの納入は、当初2011年6月初旬とされていたが、2011年6月中旬になる見込みらしい。届いたとしても、そこから設置作業が始まる事になり、稼働には、更に時間を要する。

 もし、その工事が間に合わず、ダラダラと高濃度汚染水を海へ流出させる様な事態になれば、東北〜関東の水産業は、少なくとも数年間は壊滅する事になるぞ。下手すれば、数十年間、東日本の水産業が「消滅」する事態だってあり得る。何か、

福島第1原発で重大事象 発生!
http://blogs.yahoo.co.jp/ubiquitous_budda/60417008.html
(2011年3月12日17:42、初期UP)

の記事の追記やコメントで2011年3月12日までに書いていた事(私でも予想出来た事)がじわじわと現実になって来てる気がしてる。

 ☆★☆★☆

 お茶でセシウムが今頃になって検出されているのは、それまで測定出来ていなかった事の裏返しでしかない。現状認識の不充分な事は、まだまだ多い筈。

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 昨日2011年5月12日、東日本大震災の発生から2ヶ月、福島第1原発1号機の建屋の水素爆発から2ヶ月経過したその日に、福島第1原発1号機の圧力容器の水位が燃料棒の下から70cmほどで、格納容器の水位もまだ圧力容器の底部に達していない事が発表されました。ここから推測される事態として、燃料棒のかなりの部分が融けた上で圧力容器の底部に溜まり固まっている事、そして、圧力容器の下に合計数cmの穴に相当する穴が開きみずが漏れている事、でもって、その外にある格納容器にも穴が開いて水が漏れていると考えられる由。

 て事は、圧力容器に注水している現在ですが、注水に何らかの支障が起き融けている燃料(ウラン+核分裂で生成したプルトニウムなど)が露出した場合、燃料がまた温度を上げ、圧力容器を破ってしまう可能性があると云う事。そして、燃料が圧力容器の下部を破った場合、格納容器の水の温度は比較的低いままですから(圧力容器に格納容器の水は接していない)、水蒸気爆発を起こす可能性がある、って事です。

 地下などに放射性物質を含む水が漏出している可能性があるとはいえ、注水をやめる訳に行かない。やめれば、そう遠くないうちに水蒸気爆発に至る。かといって、水を絞ってギリギリで管理すると、いざ何らかの要因で注水が中断したとき、水蒸気爆発までの時間的余裕が短くなる。かと言って、注水量を増やすと、穴の大きさが同じままでも圧力で流量が増え、漏出量が増えるおそれもある。ジレンマです。

 また、漏出を防ごうとしても、圧力容器からの漏出水が増える。復水器に漏出水を入れ 戻すにしても、放射性物質の濃度は高まる可能性がある。水処理が済んでいれば別だけど。かと言って、何もしなければ、周囲への放射性物質の漏出は増え続ける(その程度が少ないのか、多いのか、はよく判らん)。

 出来る最善の策は、水処理を出来る量を段々増やし、それを圧力容器に注水し、戻す事。その際、水位が現状を維持するか、少なくとも低下しない様に管理し続ける事。すっきりと全てを一気に解決する手だては、ありません。気苦労は、これからも続く事になります。現場の要員も、被曝量の関係で交替せざるを得ないし、ローテーション人員が確保出来るのかな?

 ----------

 なお、こうした場合の水蒸気爆発は、いきなりは発生しない。必ず、次の様な順番になる。むやみに不安を募らせる必要は無い。とは言え、震災発生前には、ここまでの知識が常識レベルに降りてはいなかったし、この様な腹の据わった落ち着きは、震災後に初めて得た精神状態。精神状態自体が、大きく変わったのでしょうか。

(1) 電力途絶などのイベントの発生

    ↓

(2) 注水が途絶える。

    ↓

(3) 温度上昇による水蒸気となっての水の損失と漏水とで、露出

    ↓

(4) (3)の数時間後には、燃料が圧力容器の下部を高温で溶かす。

    ↓

(5) (4)とほぼ同時に、水蒸気爆発。


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