吾輩はかげである

猫が書きますよ(たまに…)

覚え書き

[ リスト | 詳細 ]

授業で扱った内容などの覚え書きです
記事検索
検索

全1ページ

[1]

先日聞きに行ったレクチャーの覚え書き。
Tokyo Art Schoolていう、なんだか、東京のこと考えよう的な(多分違う)レクチャーの第1回でした。

「東京の解像度」というテーマで、違うジャンルから東京を考察している2人の話。
写真家の畠山直哉さん、と、社会学者の毛利嘉孝さん。

それぞれお話をしてから対談という構成だったのですが、
お二人の考え方、むしろ生き方そのものの違いというのが、時間を追うごとにどんどん
もはや歩み寄れないのではないかというくらい眼に見えてきて、色々と興味深かったです。


■畠山直哉さんのお話の内容

畠山さんは主に自分の写真をスライドで見せながら、
これはどういう状況だったか、写真を撮るときの動機のような、お話でした。

イメージ 1

イメージ 2

「underground」という写真集は、まさに東京の地下の写真集。
渋谷駅のすぐそばに渋谷川というのがあるらしく、そこに長靴をはいて
ジャブジャブ入って行ったそうです。

そこは、生活排水路になっていて、汚水です、汚いし、臭いことでしょう。

そこに写る、カビやなんか訳の分からない汚物。

とても気持ちのいい映像ではないのに。

なにか、清々しいような気持ちになる。


渋谷の喧噪のすぐ下に、自分1人の、静かな世界がある。


そんな誰も体験できない秘密、の匂い。


他にも、山手通りに沿って東京を歩いて、写真を撮り続けたりしているそうで。
“東京は常に工事中だ”
と言っていました。


■毛利嘉孝さんのお話
対する毛利嘉孝さんは、ロンドン大学を出て東京芸大の先生というエリートさんで。
都市論から始まり、下北沢、宮下公園再開発問題に関わる様々な市民運動から、都市は誰のものなのか。
そんな問題を論じ、

90年代以降の文化論的な趨勢。
〜1989 冷戦時代:ポストモダン高度消費社会
〜2001 文化と情報戦争:多文化主義 インターネット
〜2008 911と帝国の時代:グローバル資本主義、対テロ戦争
〜     世界経済危機
と、完結にまとめあげ…

美術が文化に結びつくと、美術は政治的・文化的・多元的なものになり、
もっと現実的な表現が出てくる。と。

なるほどフムフム。

そして美術における「ストリート」の役割を、ボードレールやベンヤミンの再評価からお話しました。


(すーごく大雑把です)

■対談
こうやってお話の概要を書いただけでも、お二人の視点がまったく違うのがわかるのですが。
そんなお二人の対談は、ちょっと畠山さんが切れるんじゃないからハラハラするくらいのものでした。
メモるのも忘れて聞いていたので、ちょっともう記憶が曖昧なのですが…。

毛利さんは「写真」というメディアを美術史の流れとかの中で話したがる感じがあって。
畠山さんは、もちろんそういうのは知ってるんだけど、写真を撮るという行為をもっと単純なものと考えているような感じがしました。

メディアとしての写真を映像芸術に結びつける美術史に対して畠山さんは、
“記憶の像というのは一瞬である”という考えから、ビデオはむしろ音楽とかに近い、と言いました。

あと、“世界と距離”という考え方をしてたのですが、
私の解釈ですけど、写真っていうのは、自分の目線のようで自分が見た物と違うようなものが撮れてて、
そういう行為が面白いんじゃないかな。単純に。

色々と、心に残る言葉があったのですが…
“美しい物を美しく撮るテクニックと同じように
汚い物を汚く撮るテクニックというのがあって
自分は汚い物をとって、それが美しく見えるというのは
テクニックを使ってないからだ”

…なんちゅーアンチな。


それと興味深かった話は、<アートと社会の関わり>についての意見です。
畠山さんは自分は“アートが社会を良くするとは思わない”とはっきり言って。
おぉ…と思いました。

近年、アートプロジェクトとかいって、地域復興をかかげたものや、
世界的にも人権問題、ジェンダーなど社会的なものをテーマにしたアートは多いです。

そういうのってなんなんだろう、って私もすごく思っていて。


“世の中を良くしたい。という気持ちはすべてのひとが持ってる。
それはアートだけの課題じゃない。
アートに目標があるとしたら、私たちが世界を見るという見方を
変えるものなのではないか”

という言葉が印象的でした。


最終的に、現在行われているアートプロジェクトって一体なんなんだ!

という話になって。

なんなんだろうね?

的な感じに流されました。


なんなんでしょうね…。

Chim↑Pomきた

ブログ更新、返信、訪問滞っておりまして申し訳ないです。

それでも今日は、現代美術について考えるトコロがありましたので更新させていただきます。


■Chim↑Pomきた
今日は授業のゲストでChim↑Pomというアーティスト集団(5人)のうち2人の方が来てくれました。
Chim↑Pomというアーティスト、なかなかの問題児(?)で、その作品たるや…、まさに賛否両論。

http://pingmag.jp/J/2008/01/17/chimpom/
検索で出てきたウェブマガジンです。ウェブマガジンなので、無断でリンク貼っちゃいましたけど、大丈夫かな?

女の子(メンバーのエリイさん)が笑いながらゲロを吐き続ける「ERIGERO」
渋谷のネズミを捕獲してピカチュウの剥製をつくる「スーパー☆ラット」
セレブに扮した女の子(やっぱりエリイさん)がカンボジアで地雷を除去・爆破させる「サンキューセレブプロジェクト、アイムボカン」
原爆ドームの上空に飛行機雲で<ピカッ>という文字を書く「広島の空をピカっとさせる」
ギャラリーを真っ白にして、ある壁の一面に穴をあけ、そこからメンバーの本物のチ○ポを出し続けるという「捨てられたチンポ」(言っちゃった…)


などなど…。

これだけ聞いたら、皆さんどう思うでしょう?
私は正直、「ふざけてる」と思いました。
上にリンクを貼ったウェブマガジンの241のコメントを見てください。
Chim↑pomの行動に対して、どのような反応があるのかわかるような気がします。


そして今日、実際作品の映像を見て、Chim↑pomのメンバーの方とお話した結果…。
なぜか、彼らがここまで体を張って、汚いことや面白いことをやってしまう、
という生き方(やり方)に、ある種清々しさを覚えました。
しかし、私の中の、彼らに対する生理的な嫌悪感は、消えませんでした。


先生が真面目に評論めいたコメントをするや、

「あのピカチュウっていうのは、ある意味人種差別なんかを連想しますよね」
「えっ!?なるほど〜そうですか、それは考えてなかった。先生チンポムに入ってくださいよ〜アハハ」

みたいな展開。

批評家ってなんなんだろう、と思いました。
大体、アートなんて批評家が真面目くさって批評するから、アートになるんだ。

でもchim↑pomの活動というのは、今や批評家にとっても無視するわけにはいかないのだと思います。
社会的に人が触れては行けない部分、それを表に出す(つまり表現)するものは、いまやアートの文脈で語られてしまいます。
「悪ふざけ」
と言ってしまえばそれまで。

しかし、彼らは、地雷を命がけでボカンさせたり、おしっこをしたり、
「生きている」
という証拠を、バラまいているようにも見えます。
とくに、今日来てくれたエリイさんは、もう、
「なんか楽しいからやるの!」
という感じで…うーん…ある意味、純粋というか、本能のままに生きてるというか…。

そんな感じで。

そんな彼らにある種の清々しさを覚えつつも、どこか受け入れられない気持ちはなんだろう。

しかし、なぜそれを真面目に批評しなければいけないのか、というジレンマ。
また私の個人的な感覚として、そんなやり方ズルい、という、なんだろう、嫉妬に似た感情。


彼らの活動、作品、やっぱり私には、笑えない。

人間って、もっと複雑なんじゃないかな。



■ともかく、chim↑pomのお話は思った以上に色々と考えさせられました。
自分は、現代アートを専門にする自信がなくなりました。
私は綺麗なものが好き。
これは、きれいごとなのでしょうか…。
綺麗なものが好きというのは、汚いものを知らない、ということ?
「生きている」ていうのは、たしかに、汚いことをたくさん見て見ぬふりをしている。
でも、やっぱり、それは、「芸術」によって見せられても、ちょっと違うんじゃないかな、と思う。
「生きている」ことのリアルさってなんだろう。
いまさら、「現代アート入門」のような壁に当たってしまった。


これからの進路…。
私はやはり、地方の芸術文化政策といった、「みんなのための芸術」を考えていきたい、かな…。

大学院で芸術文化政策演習という授業があります。

そこで今日は A Crime against art(芸術への犯罪)というビデオを見ました。

しかも今日はゲストでそれに関わっていた(多分…)長谷川仁美さんという方がいらっしゃるというので
昨日の夜は緊張して眠れませんでした。笑

■Crime against artとは
マニフェスタという国際展が行われる予定だったのが
行われる予定だった土地で争いが起こって中止になり、
そのために結成された組織のみ残ってしまい、
ユナイテッドネイションズプラザという団体を設立。
各地で活動を行う。
そのユナイテッドネイションズプラザがマドリッドのアートフェアにおいて
行われたイベント。

■内容
芸術家による芸術家を裁く(擬似)裁判の形式をとる。
被告人も弁護人も裁判官も芸術家という少しナンセンスな形式。


ビデオは字幕が早くて内容が難しくて、ちゃんと理解できたかは不明なのですが、
いろいろと考えさせられるものでした。

解釈が間違っているところもあるかと思うのですが、
覚え書き、ということで許してください。


まず告訴の内容として…
◎自由貿易における芸術という権力の濫用(ブルジョワとの結託)
◎芸術家=英雄になるという神話的思考
◎芸術家自身で異なるアートに対する発表の場を狭めている

このような問題について2人の芸術家が告訴され、次々と証人などが出てきます。

◎Maria Lind の証言
・2015年には芸術は道具化するだろう。つまり国家と結びつき経済への刺激剤となる。
・公と私の区別が難しい
・商業と非商業の区別もまた

◎証人1(アルセルム・フランケ)
この人の言うことは抽象的であまり理解できなかったです…。
なんだか、「内側」と「外側」という話をしていて、
この社会から外に押し出されているものについて、新しい空間を内側に構築すべきである
というようなことを述べていました。

◎証人2(傍聴席から)
芸術と市場との分離について述べていました。(多分)
新自由主義における思考と行動は新しい可能性を創造すると。

◎証人3(セダジー・シャーバレ)
この人の証言が一番印象に残りました。
この人はアーティストとして自分が活動をしている人で、
芸術に対する批評や理論的な討論そのものに対する疑問を述べていました。
「自分はアーティストだから、なぜこのような場所にいるのかわからない」
「被告人らは作品そのものよりもアートワールドに関心がある」
たしかに、ものづくりのアーティストの立場からしてみれば、自分は作品を作るのであって
市場やアートワールドは関係ないことになりますが。

現在の芸術批評が作品を置き去りにしていて、それが間違っているのか。
アートワールドに関心のないアーティストが間違っているのか。

どうなんだろうか、と思いました。


◎被告人による反対尋問
・日常性とかの話。(よくわからなかった)
・自分は私的な利益のために活動を行っているので、公的なものは関係ない。
 →私的な利益追求も公的なものに還元されると指摘されていた。
・文学や哲学のフィールドに比べ、アートワールドは政治的理想などの実現を可能にする。


◎判決
・判決できない→罪が明確でない(ブルジョアとは?市場とは?)
・今回の裁判を設定したことが罪である
・被告人らが判決を求めたことが罪である=自分たちは救済されるという欲求
・批判的理論は経済なしにはあり得ない
・救済もディスコースと同じように芸術の中で行われる
・芸術作品について感想など語るときに市場は関係ない


という感じで、参加者がなぜか
「ハッハッッハ」
みたいな風になって終わりました。


なんだかこの裁判自体が芸術への犯罪なような気もしました。
アートフェアで行われたもので、このイベントそのものも作品と言いますけど。
結局、自分で言い出して自己完結したようなもの、ですよね。

議論の内容は、芸術の道具化への懸念、芸術と市場との関係など
多分重要なのであろうことが問題になっているのですが。
(上映後のディスカッションで主に話題になっていた)

作品不在の作品というか、うぅーん。
私はなにか、これを作ったアーティストたちに対して、なにか、もやもやしたものが残りました。


でも多分、私の理解も勉強も足りていないので、こういう素人的な感想になってしまうのですが。

でも私はこれから、芸術を専門に学ぶ身として
「素人目線」
というのを大切にしたいと思っていて。

専門家っていうのは、すぐに専門用語を使うし、難しい話するし、
なんか専門家同士の自己満に見えて仕方がない。

でも芸術が誰のためにあるのか、って考えると、芸術は人間すべてのためにあると思う。

でも最近の芸術は専門家のためにあるような気がする。

そういうのって、どうなんだろうか、と思う。


今はまだ、入学したてで、これから自分も勉強していくにつれて
意見も変わってしまうのかもしれないけれど…。


というわけで、今日の覚え書きでした。

全1ページ

[1]


.
かげ
かげ
女性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
検索 検索

過去の記事一覧

1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
実質2000円で特産品がお手元に
11/30までキャンペーン実施中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事