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■ 加熱する中国SaaS市場、その動向
中国でSaaS(サース、「ソフトウエア・アズ・ア・サービス(サービスとしてのソフトウエア)」の略)ブームが起きている。
BtoB電子商取引最大手のアリババや金蝶などの伝統的ERP(統合基幹業務システム)ベンダー、それに中国の通信キャリア、独立系新興ベンダーもこの市場を狙っており、早くも過熱化の様相を呈している。
SaaSに乗り出したアリババ
アリババはBtoB取引の既存プラットフォームを使い、ERPやCRM(顧客情報管理)システムなどを統合した総合的 SaaSサービスの提供を始める。
今年1月、グループ企業のアリババソフトを立ち上げ、5月にマイクロソフトと戦略的提携を結んでいる。
SaaSはシステム会社のサーバー上で動くソフトをネット経由で貸し出す形で提供する仕組みで、ユーザーが手軽にソフトを導入できるのが特徴。
ERPベンダーの金蝶
ERP業界大手の金蝶や金算盤、速達、チャイナデジタルなどは相次ぎERPと電子商取引を統合した製品をリリースしている。
なかでも中国ERP二番手の金蝶が急先鋒で、11月28日にSaaSサービス第一弾である「友商網」をリリース、今年6月にIBMとリーマン・ブラザーズを戦略的出資者として迎え入れ、8月にはIBMとSaaS分野の提携をまとめ上げている。
データセンターの通信キャリア
SaaSサービスに不可欠なデータセンター分野で先行しているチャイナモバイルやチャイナテレコムなどの通信キャリアも、SaaS市場参入を模索している。
ただし、キャリア自身はビジネスの創出や顧客ニーズの理解など苦手で、どこまでの参入意欲があるか現時点では不明だ。
早くもブームの様相を呈している中国のSaaS業界だが、市場環境の整備もビジネスモデルや収益モデルの構築もこれから。 ユーザー教育も市場拡大の鍵を握っているといっていいだろう。
サービスの外部委託に不慣れな中国企業が SaaSをどこまで受け入れるかも、注目されている。
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