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TVで見た時は、怖いオバちゃんぐらいにしか思っていませんでしたが、この方の戦時下の体験の語りを聞いて、あっしは敬意を表するようになったものです。
さて、太平洋戦争に突入した日本においては、衛生的なものは除いて全ての化粧品は製造も使用も禁止されたそうです。
贅沢は的だ!
パーマネントはやめろ
すごいスローガン(標語)があったものです。
そういや、バブルが崩壊した頃「清貧の思想」なんて本がベストセラーになったと思いましたが・・・。
オイルショック、バブルの崩壊、リーマンショック等、景気低迷時はこーいうことがもてはやされるものです。
「身の丈に合った幸せを」、「貧しいながらも家族団欒」、「年収200万で生活する」・・・。
かくいうあっしなんかも、すぐそういう時代風潮に影響されまして、立ち食いそば屋なんかに行って、一番安いかけそばを注文し、月見そばとか、天ぷらそばなんか食ってる奴には、
この、非国民が!
本当のそば好きは、かけを注文すんだよ!
という、無言のオーラを送っておりましたねえ。
それは単に、お前が貧乏人だからかけそばしか食えないからなんじゃないのか?
・・・・・・・・・・・。
して、この「贅沢は敵だ」というポスターに、誰が落書きしたものか「す」が書かれたこともあったそうです。「贅沢は、す敵(すてき)だ」
ちなみに、現代のような高度消費社会発展期にありましては「消費こそは美徳」でありまして、倹約、節約などもってのほか、
どんどん買って、どんどん捨て、また買う
なーんてやっておりましたら、まさに先の「オイルショック」なんかで政府の言うことが、急変し、「資源を有効に」なーんてことになってきているのであります。
ありますが、しかし・・・。
基本的には、その消費拡大路線は変わってはおりません。
まさに、「贅沢は素敵だ」でありまして、モノやサービスが売れなきゃ、脅かしても、おだてても、いっそ騙くらかしてでも(?)、買わせないと、現代の経済は沈滞してしまうようになっているのであります。
かけそばなんか食っていてはいけないのであります。
実用本位の無印良品やユニクロなんかで満足せず、ブランド品を追いかけなくてはいけないのであります。
えー、で、当時、国が女性に推奨した髪型というものがあったそうで、これを「銃後髷(まげ)」と言ったそうです。
ポーラ文化研究所所有写真
※ 資生堂やポーラは、こういう化粧文化を調査研究する部署を持っていますからすごいです。
さらには、国が「美人」たる条件を決めていたというから驚きます。
もっとも、かつてのナチスに支配されていたころのドイツもまた、健康美あふれる純粋なアーリア人種こそを美男美女として掲げておりましたが。
さてその美人の条件ですが、「健康で丈夫。多産で夫に良く従うこと」であったそうです。
まさに「産めよ増やせよ」という、「創世記」の神の言葉が推奨されていたわけです。
あっしなんぞは、パール・パックの『大地』という小説を思い出しました。
決して美人とは言えない奥さんが登場しますが、この奥さんが働き者で、気立てもよく、賢かった。
一方の旦那は、その奥さんのお蔭で裕福にはなるんですが、美人だとはいえ性格の悪い妾を囲ってしまう。
男なんてもなー、バカですね
あっし自身、男でありながら、この旦那のアホウさに、涙が出てきました。
一方の日本においては、
出たな、大日本国防婦人会!
欲しがりません。勝つまでは
その是非はともかく、なかなか含蓄あるスローガンであります。
涙の出るほど大きな住宅ローンに教育ローンを背負い、ギリギリの清貧生活を強いられ、小遣いも減らされ、楽しみは唯一金曜日の晩酌だけなーんてお父さんと、パートでスーパーのレジをこなし、帰りには見切り品、奉仕品の半額になった惣菜で夕食の献立を考えているお母さんの合言葉であったります。
さあ、そんな「お国の為」に頑張る国防婦人会が、白羽の矢を衝き立てたのは、銃後髷はおろか、ノーメークを拒否し、黒のロングドレスにフルメーク、赤いネイルエナメルにパーマヘアという、淡谷のり子でありました。
しかし、ここで彼女が切った啖呵がすごかった。
いっそ、惚れぼれします。
これが私の戦闘服よ!
いやー、ごりっぱ!
然るに、その理由は、彼女のインタビューを聞けば理解できます。
彼女は、これから戦地に旅立つ兵士の為の慰問の仕事をしておりました。
ある日、訪れた航空基地で、彼女が歌っている途中で、一人、また一人と、舞台で歌う彼女に直立不動で敬礼し席を立ってゆく男達がいた。
私が歌っている途中でなぜ?
実は、彼らこそは、かの特別攻撃隊、つまり特攻の戦士だったと淡谷は後で知ります。
つまり、彼らはそのまま死の旅に立っていった。
出撃直前の慰問だったと。
水盃で乾杯し、旅立って行く特攻隊兵士達
淡谷は、以後、そのような兵士達を見ると、涙をこらえるのに苦労したといいます。
あなた達。私こそが、あなた達が最後に見る女性
こんなふうに着飾った女としての私を目に焼き付けて・・・。そして、できるものなら、
どうか、どうか、どうか無事に帰って来て!
むろん、彼女はそれが叶わぬ夢であることを知っています。
だからこそ、これから死んでゆく覚悟を決めた兵隊さんに夢を与えられないような格好をしていては申し訳がない、と。
いやー、これこそプロ根性でしょう。
彼女もまた、彼女なりに全身全霊で闘っていた。誠心誠意を込めて歌っていた。
それがわかったからこそ、死地に赴く兵士達もまたそれに直立不動の敬礼で感謝の意を示した。
あっしは、彼女のこの言葉を聞いてショックを受けました。
この人は、ただ者ではない、と。
いろんな闘い方がある。
何も、国が示したような杓子定規の国防婦人会でヒステリックに「贅沢は敵だ!」などと叫ぶことだけが、当時の女性の置かれた位置での闘い方ではない。
男達に夢を与えること
淡谷もまた兵士だった?
だから、自らの化粧を、そして衣装を戦闘服、と呼んだんのでしょう。
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ねずみ男さん。どう、あたしの戦闘服?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
レイカちゃん、ボトル入れて、ボトル!
レミー・マルタン・ルイ13世いっちゃおう!
銀座の高級クラブなら、30万ぐらいかと
やっぱり・・・、男なんてバカですよ。
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2013/9/11(水) 午後 11:23 [ jut*9oa*3*04z2b ]
淡谷さんの お話し 以前ドラマで見ました。
のり子さん役は秋吉久美子。 もちろん名台詞ききました。
いいですね。この戦いも清くて 好きです。
レミーマルタン、私もごちそうになっていいですか?(^v^)
2013/9/12(木) 午後 9:10 [ ferini815 ]
レミー・マルタン・ルイ13世。
あっしも飲んだことはありません。
でも、そんなお酒をそんな所で飲むなんて罰が当たりそうな気がします。
淡谷さんが存命であったら、彼女と語りあいながら、これを飲みたいです。
ferini815さんも、御一緒にどうぞ。
2013/9/12(木) 午後 10:17 [ ねずみ男 ]