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オールド スターメー・アーチャー プラネタリウム 〜ハブの中の小宇宙〜

スターメー・アーチャーFW

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 アクスルシャフトの左側(2個あるスロットの短い側)にローギアスプリング、プライマリーサンピニオン(大)、セカンダリーサンピニオン(小)、ピニオンスリーブをこの順番に入れます。写真ではドッグリングを指で挟んでますが、これはこの時点ではまだ取り付けません。ピニオンスリーブはクラッチスリーブと同形なので間違えやすいですが、長さが短く、ピニオンの幅ぴったりなので区別できます。またピニオンスリーブはフランジが外側になります。ピニオン2個は裏表がありません。
 
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 指でスプリングを圧縮してスリーブを露出させ、スリーブの穴とアクスルシャフトのスロットを一致させて、そこにローギアキーを入れます。キーの穴は写真の左右方向を向くようにします。キーが向こう側の穴にもぴったりはまったらスプリングを解放します。キーがちゃんとはまっていたらピニオンはそれに引っかからずフランジのところまで戻ります。ここでいったんインジケーターロッドをアクスルシャフトの穴に入れ、キーを貫通することを確かめます。キーの向きが正しいことが分かったらインジケーターロッドを抜きます。
 
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 バイスにアクスルシャフトを固定し、ドッグリングを入れてアクスルシャフトの四角部分にはめます。その向きは当然歯のあるほうが下です。続いて舌付きのロックワッシャーを溝に合わせてはめ、ロックナットを締めます。ロックワッシャーはふちが盛り上がっているほうを上に向けます。
 
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 ロックワッシャーを折り曲げゆるみ止めを行います。折り曲げる場所はまだ使われていない場所を選びます。元は対抗する2か所で折り曲げてありましたが、1か所でいいと思います。このロックワッシャーは今でも入手できますが、再利用回数が多いほうがいいからです。
 
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 アクスルシャフトをバイスから外し、こんどは右側を上に固定します。そしてプラネットケージを入れます。
 
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 3個のプラネットピニオンを入れ、ピニオンピンを差し込みます。このとき注意しなければならない点は、ピニオンには写真のような線状の合わせマークがつけられており、3個ともそれを外側に向けなければならないことです。これを守れば、サンピニオンと噛み合ったプラネットピニオンはスムースに回るはずなのでそれを確かめます。
 
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 アクスルシャフトの穴にコンペンセーティングスプリングを入れます。カラーのついたほうが奥になりますので注意します。
 
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 アクスルシャフトに、右列の上から順にクラッチスリーブ、スライディングクラッチ、アクスルキー、スラストリング、スラストワッシャーを入れていきます。ワッシャー以外は向きが決まっていますので注意します。そしてクラッチスプリング、スプリングカラーを入れます。
 
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  これらが正しく組まれた状態です。スリーブとクラッチ、アクスルキーとスラストリングはぴったりをはまっていなければなりません。AWの場合はクラッチはプラネットケージに噛み合った状態になりますが、FWではコンペンセータースプリングのためにクラッチは浮き上がった状態になります。
 
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 ラチェットを組みつけたギアリングとボールを交換したボールリングを入れ、これもボールを交換したドライバーをクラッチに合わせてはめ込みます。これら3点の組みつけについてはAWと同じですので(パーツも共用です)、AWの組み立てを参考にしてください。
 
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  右コーン、ロックワッシャー、ロックナットを元通りに取り付け完成した内部ユニットです。右コーンは指で締めてから必ず1/4〜1/2ゆるめ、それからロックワッシャーを入れてロックナットを締めることが重要です。この時点で各部にたっぷり注油しておきます。
 
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 ボールケージとダストキャップを取り付けた(AWの項参照)のハブシェルに内部ユニットを入れ、ボールリングをねじ込んで、合わせマークが合うことを確認してからタガネでたたいて締めます。
 
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左コーン、ワッシャー、ロックナットを元どおり取り付け、左コーンでベアリング調整(AWの項参照)を行えば完成です。ベアリング調整はややゆるめに行います。
 
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  スプロケットを取り付け(写真では仮にスプロケットを乗せただけです)、アクスルシャフトの穴に右からトグルチェンを、左からインジケーターロッドを入れて両者をねじ込んで固定します。インジケータースプリングが入っているので、かなりの力で押し合わせないとねじが噛み合いません。両者の固定は指の力でしっかり行います。細く細かいねじなので、ドライバーで強く締めるとねじ切れる可能性があります。
 しかし同時に、トグルチェンとインジケーターロッドの結合は走行中にゆるまないことが重要です。もしゆるんで外れると、インジケーターロッドはコンペンセータースプリングの力で矢のように打ち出され、行方不明になることが確実です。走行中にシフトに異常を感じたら、まずはこの点を点検しなければなりません。インジケーターロッドを失った場合は、これもコンペンセータースプリングがクラッチをプラネットケージから持ち上げてしまうので、ギアはニュートラル状態になって走行不能になります。歩いて家に帰れたとしても、インジケーターロッドは非常に入手困難で,eBayに出ても驚くほど高価です。この「事件」を防ぐために、不細工でもアクスルシャフト左にプラスチックキャップをはめて予防策としている例もあります。
 さて、スプロケットとハブフランジにいくつか印をつけ、シフトのテストを行います。トグルチェンを引かない状態ではハイギアで、ハブシェルはスプロケットより速く回転します。トグルチェンを引いていくと、一瞬空転する場所があり、さらに引くとノーマルギア状態となり、スプロケットとハブシェルは等速で回転します。ここまではチッチッチッというラチェット音が聞かれます。さらにトグルチェンを引くとローギアに入り、ハブシェルはスプロケットより遅く回転します。ラチェット音は消えます。さらに引くとスプリングの力が急に重くなり、いっぱいまでチェンを引くとスーパーローギアに入ります。この状態でハブシェルの回転はさらに遅くなります。

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  分解後、洗浄清掃を終えたFWの構成パーツを並べてみました。3速を4速にするためにかなり部品数が増えています。
 
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 4速化するための手法は、遊星ギア機構を2組にしていることです。上の写真ではわかりやすくするために、プラネットピニオンを1個だけ上側に組んでいます。下側に見えるのが2個のサンピニオンです。
 サンピニオンは、AWではアクスルシャフトにリベット固定されていました。しかしFWでは、アクスルと別体で、2個それそれがドッグ機構によりアクスルに固定されたり空転したりします。
 プラネットピニオンは大小のピニオンが連結固定されている構造です。これはギアリングを1個で済ませるための工夫で、写真右側の小さいほうのピニオンがギアリングに噛み合います。ギアリングはAWと共通部品です。
 なおサンピニオンは左右にに移動しますが、プラネットピニオンには常時噛み合っており、プラネットピニオンとギアリングも常時噛み合っています。遊星ギア機構のギア同士が噛み合ったり離れたりして変速すると思われがちですがそれは誤解です。
 遊星ギア機構では、サンピニオンが大きくなるほどワイドレシオになります。FWでは左の小さいサンピニオンをハイギア、ノーマルギア、ローギアに使用し、右の大きいサンピニオンをスーパーローギアだけに使用します。
 写真の状態は左の小さいサンピニオンがアクスルシャフトに固定された状態で、大きいサンピニオンは空転します。
 なおハイギア、ノーマルギア、ローギアの変速方法については、AWの作動原理と全く同じですのでここでは述べません。
 
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 上の状態をアクスルシャフトだけで見るとこうなっています。大小のサンギアはスプリングの力で左に押されています。小さいほうのサンピニオンは、アクスルシャフトに固定されているドッグリングの内側の歯に噛み合い、その遊星ギア機構が動力を伝達します。大きいほうのサンピニオンは、アクスルシャフトのドッグから外れておりフリーな状態です。従ってこちらの遊星ギア機構は噛み合って回転はしますが動力伝達には関与しません。
 
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  ハイギア、ノーマルギア、ローギアの変速が行われた後、さらにトグルチェンが引かれると2個のサンギアは右に移動します。小さいほうのサンピニオンはドッグリングへの噛み合わせが外れてフリーとなり、大きいほうのサンピニオンはアクスルシャフトのドッグに噛み合って仕事を始めます。
 
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 このときのアクスルシャフトの状態です。小さいほうのサンピニオンが噛み合いを外れてフリーとなり、大きいほうのサンピニオンがアクスルシャフトに噛み合って動力伝達を行いはじめるのがわかります。
 
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  アクスルシャフトとトグルチェン−インジケーターの構造です。2個のアクスルキーはねじが切られておらず、中央の一段細くなった部分を自由に移動できます。2個のキーの間にはコンペンセータースプリングが入っています。右のクラッチを移動させるキーは、比較的柔らかいクラッチスプリングを圧縮させるので、ハイ−ノーマル−ローの間はこのキーだけが動きます。サンピニオンを移動させる左のキーは、比較的強いローギアスプリングとコンペンセータースプリングのために、その間は動きません。
 ローギアで右のキーがスロットの右端まで移動した状態で、さらにトグルチェンが引かれると、ようやく左のキーはスプリングに抗して右に移動しスーパーローへのシフトが行われます。FWを操作していると、ローからスーパーローへのシフトが急に重くなりますが、これは2個のスプリングの力が加わるからです。
 ここまで読まれると、せっかくワイドレシオ用の遊星ギア機構を追加しているのにスーパーハイを使わないのはなぜかと思われませんか?。FWではローギア状態でサンピニオンを動かしてスーパーローにしていますが、ハイギア状態でそれをやればスーパーハイができるはずです。
 これは推測ですが、スターメー社は1本のワイヤー操作で多段化することにこだわったのだと思います。しかし左右のキーの操作を切り離し、2本ワイヤー操作にすればスーパーハイが使える以外に、スーパーローへのシフトの重さも解決します。比較的簡単な改造でそれが可能なため、当時のイギリスではそれが流行したそうです。
 スターメー社はそれを無視し、1946年発売のFWをそのままで販売していました。しかしさらなる多段化の要求に屈服し、1966年に5速のS5を発売しました。それは実際は数点のパーツを変更してスーパーハイギアを追加したFWにほかならなかったのです。
 

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 ここまでの分解作業はAWと同じですので、なるべく簡略に示しました。詳しくはAWの分解を参考にしてください。このあとAWであればプラネットケージを外して分解作業は終了しますが、FWでは2系統の遊星ギア機構であるための分解作業があります。
 
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  アクスルシャフトを今度は左側を上にバイスに固定します。そしてこのロックナットを外すのですが、タブ付きのロックワッシャーでゆるみ止めが行われています。
 
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 まず小ドライバーで折り曲げられているワッシャーの部分を起こします。
 
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  15㎜スパナをこのように当て、プラハンマーでたたいてワッシャーを平らにします。そしてロックナットをゆるめ、ワッシャーを外します。
 
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 外したロックナットとロックワッシャーです。ロックワッシャーには内側に突起があり、それがアクスルシャフトの溝にはまり回り止めになっている構造です。ロックワッシャーは同じ部分を曲げなければ再使用できます。逆に言えば、このロックワッシャーを見ればそのハブが過去にOHされたかを知ることができます。なお1940年代の古いモデルではこの構造ではなく、通常のワッシャーが使われています。
 
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 このドッグリングと呼ばれているパーツを引き抜きます。これはアクスルシャフトの四角部分にはまって回転することはなく、内側にギアが切られていて、奥に見えるセカンダリーサンピニオンと噛み合っています。
 
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 アクスルシャフトをバイスから外します。プラネットケージのパウル用溝にある穴に針金等(スポークが好適)を入れ、ピニオンピンを押し出します。反対側にピニオンピンが出てきたらそれを引き抜きます。
 
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 3本のピニオンピンを抜きプラネットピニオンを外せば、プラネットケージをアクスルシャフトから抜くことができます。
 
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 プラネットケージのパウルピンはこのようにかしめ固定されており、この部分を削り取らないと抜くことができません。できればここのパウルスプリングもOH毎に交換したいのですが、新品のパウルピンは簡単に入手できません。パウルの作動には問題ないようですので今回は手をつけないことにします。
 
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 アクスルに戻って、この状態になっているはずです。
 
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 スプリングを圧縮して2個のサンピニオンをずらせば、このようにローギアキーが見えてきますので、それを押して抜きます。
 
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 右端のローギアキーを抜くことで、順にピニオンスリーブ、セカンダリーサンピニオン、プライマリーサンピニオン、ローギアスプリングを抜くことができます。これで分解作業は終了です。
 

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  スターメー・アーチャーの4速ワイドレシオモデルであるFWを分解します。FWは3速のAWほど大量に生産されたものではないですが、Fシリーズのモールトンなどのマスプロモデルにも採用されていたので、比較的よく目にするモデルです。
 
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 年式刻印は1958年1月です。
 
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 このハブには、純正オプションのウイングナットが付いてきました。これはトグルチェンの取り出し口や、調整点検口がある専用品で、アクスルロックワッシャー(エンドの中でアクスルが回らないようにするためのワッシャー)も一体になっています。スチール製でずっしり重いですが、使い勝手のいいウイングナットです。しかしどのウイングナットでもそうですが、 締め付けトルクは十分にかけられないので、スポーツモデルには使うべきでないという意見もあります。
 
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 まずトグルチェン(正式名称カップリングコンプリート)を外しますが、AWと違ってアクスルキーにねじ込まれているのではなく、回しても外れません。トグルチェンはアクスルシャフト左側から入るインジケーター(写真上)とアクスルシャフトの中でねじ結合されています。したがってトグルチェンを押さえながらインジケーターをゆるめるとこの両者が外れます。たいていは指の力でゆるみますが、固い場合はインジケーター端の溝をドライバーで回します。
 
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  バイス上にアクスルシャフトを固定し、左ロックナットをゆるめて、ワッシャー、左コーンを外します。
 
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 AWと同様に、サークリップを外すことでスプロケット、2枚のスペーサーワッシャー、ダストカバーを外します。右ボールリングの溝とハブフランジに合わせマークを付け、ボールリングの溝をタガネでたたいてゆるめます。
 
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  ハブシェルから取り出した内部構造体です。この個体はオイル管理が良かったようで、錆もなく良い状態です。
 
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ハブシェル左からダストキャップを外し、ボールケージを取り出します。
 
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 ボールケージから1/4"ボールを外して新品に交換しますが、外すときもはめるときも、ラジオペンチでボールをはさんでこじるとうまくいきます。
 
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 左ボールカップは逆ねじで固定されており、ハブシェルをバイスに固定して時計方向に回転させれば外れるはずです。この個体では固く締まっており容易に外れませんでした。特段外す理由もないので、無理に外さないことにします。
 
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 右側を上にアクスルシャフトをバイスに固定し、ロックナットをゆるめてロックワッシャー、右コーン、ドライバーを取り外します(写真ではすでに外しています)。そしてクラッチスプリングをスプリングキャップとともに取り外します。
 
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 右ボールリング(奥の右)、ギアリング(奥の左)を外します。
 
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  上段右のスラストワッシャー、上段左のスラストリングを外し、アクスルシャフトからアクスルキー(下段左)を横に抜き、スライディングクラッチ(下段右)、クラッチスリーブ(下段中)を外します。
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 アクスルシャフトをバイスから外し逆向けにして、アクスル内に入っているコンペンセータースプリングを取り出します。このスプリングが入っていることを忘れて取り外さないでおくと、知らないうちに脱落して紛失することがあります。私の経験では、スプリングだけに床に落ちると結構遠距離まで跳ねることがあります。

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