卓上鉄道博物館開設準備室(仮称)

鉄道ファンでも模型趣味人でもないけど、緩く真面目な話題を書きます。

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会津若松のキハ40観察、今回で完結となります。
2000番台の3両を取り上げてみます。


●キハ40 2141●

1982年製造、キハ40系列でも末期に投入された車両である。
機関は原型のまま、屋根上も新製時から変化ないが、サブエンジン式冷房装置を搭載している。
新製配置が水戸で、民営化後の比較的早い時期に冷房改造を受けた。
これが幸いして今なお生き残る結果となっている。
小牛田に在籍していた時期がある関係でワンマン化改造済み、乗降口脇に表示器を持っている。

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●キハ40 2026●

小牛田の世代交代に伴って転属してきた車両。
会津若松より輸送量が大きいエリアで、車内設備も相応の改修を受けていた。
非冷房未更新の車両が大半だった会津若松の車両を置き換えるにはちょうどよい存在で、
そのあたりも加味して小牛田に新車投入を計画したという企みも見て取れる。
とにかく、ちょっと前まで冷房など夢の装備だった只見線は、
わずかの期間で冷房化率100%を達成してしまったのだから、サービス向上の効果は大きい。

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1エンド側にKE93ジャンパ栓受けと、それを設置するための凹みを設けてあるのが、
元小牛田車であるという印象を強くしている。もちろんせっかくの設備もここでは封印状態だが。

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屋根上に載った薄型の冷房装置が目立つ。
かつてローカル線の象徴だったキハ40系、新しさと同時に野暮ったさも感じたものだが、
この近代的装備を取り付けただけで洗練された車体に映るのが面白い。

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小牛田時代にワンマン化、乗降口脇にはワンマン表示窓設置。
セミクロスシートやトイレはそのまま残っていて、只見線にはちょうど良い設備を持つ車両。

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トイレのある2エンド側は、付随台車TR51Cを履く。
キハ40系は1エンジン搭載、燃料タンクや汚物処理装置などの配置の兼ね合いもあり、
こちらのサイドまでプロペラシャフトを伸ばしてくることは難しいから、
支障の少ない1エンド側に動力台車を置くレイアウトとしている。

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こちらが1エンド側の動力台車、DT22D。キハ20系からこの形式まで続いた、国鉄のベストセラー。
駆動軸の前後に、ごつい外観の砂箱を配している。

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乗降口横にピクトグラムが追加された。これだけでもだいぶ都会的に見えるのが不思議。

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JR東日本のキハ40系は、今後5年ほどで新形式に代替されることが発表されている。
恐らくだが、会津若松のキハ40は最後まで残るのではと思われる。
あと5年は、この車両も変わらずに頑張ってくれそう。なにせ、これだけ美しい車体である。
北海道の仲間は老朽化が深刻というが、ここで暮らす車の状態を見る限りではその心配は全く感じない。

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●キハ40 2021●

最後に、この車両。上のキハ40 2026と同じように、小牛田から移り住んできた。

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21世紀を小牛田で迎え、以来15年にわたり当地で活躍したという共通の経歴を持つ。
それでも仕様がちょっとずつ違うところが興味深い。

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この2021は側面方向幕を持っているのが特徴。
残念ながらこの都会的装備も、会津若松では利用価値がなくなり、白幕表示で固定。

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最近新津から引っ越してきた一団と比べると、ややくたびれて見える。
小牛田の車両は元から同じ塗装だったので、塗り替えを行うことなく転属してきたため。
次の検査入場で再塗装されるまでの辛抱。

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2026は半自動ドア時に使う開閉ボタンを装備しているが、この2021にはない。
乗り降りするときは手でドアを開閉しなくてはいけない。

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直結式冷房改造車の屋根上。冷房装置2基を搭載し、付随部品のダクトも追加。
AU26J-Aという冷房装置で、これはキハ110系などに見られるものと同一。
機器の共通化を図ることで整備コストの最適化や保守の効率化が期待できる。
これは冷房機そのものではなく、熱交換器と送風機のユニットらしい。
コンプレッサーは床下に設置され、走行用機関に直結して動力を受けている。
地区問わず、東日本の同じ工事を受けたキハ40に関してはほぼ同一のレイアウトとなっている。

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ただし車体最前部に設置されているNTTドコモの衛星電話用アンテナについては、
該当する線区で運用される車両に限定して設置されているもの。
磐越西線には列車無線設備が完備されているので、会津若松で見かける同じキハ40でも
新津所属の車両ではこの衛星電話アンテナは非装備である。

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車内レイアウトはセミクロスシートだが、片側が一人掛けにリニューアルされている。
小牛田時代に収容力アップを狙って改造を受けたもの。つり革も増設、定員は30人近く増加している。
天井両側に冷房のダクトが通り、扇風機が撤去されている。

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1エンド側のサイドビュー。スタイルこそ大きく変わっていないが、
冷房装置搭載やワンマン化改造など、新製時とはかなりイメージが変化している。

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動力台車DT22D。2026と同じ砂箱を追加してある。

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換装された機関はDMF14HZ。この名称は国鉄呼称の流れを汲む「JR社内呼称」であり、
製造元のカミンズ社での形式名はNTA-855-R-1というタイプになる。
これもキハ110の機器と共通のものだが、出力についてはキハ40の特性に合わせて
420PSから300PSへと大幅に抑制して使用されている。

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発車を待つキハ40 2021。
半自動開閉スイッチがないので、手で閉めないと閉扉操作まで解放状態のまま。
冬は寒くて夏は暑いので、頑張ってしっかり閉めないといけない。

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仙台支社小牛田運輸区から、仙台支社郡山総合車両センター会津若松派出所への異動。
「仙ココ」から「仙コリ」への変更で、1文字を改めるだけで事足りる。
車体塗色の変更もないので、わずかな修正で済ませている。
末尾の「コ」を削って、「リ」を書き込んだだけ。
消し跡が残っているうえに、フォントが違うし位置もずれている。違和感ありあり。
なんでもタラコ色1色に簡素化してしまう西日本に比べ、東日本の車両は
地域別の凝った塗装が定められていて、転属するとしっかり塗り替えられる。
手をかけるところにはしっかり労力をかける反面、こういうところではちゃっかり手を抜いている。

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15年以上前から会津若松で活躍してきた2022と、転属後間もない2021、ペアを組んでの運用。
続き番号の2両でありながら、違う経緯を辿ったために、結末も大きく変わってしまった。
21世紀を小牛田で長く過ごした車両は機関が交換されて冷房も設置されたのに対して、
早い時期に会津若松に移ってきた車両はこの改造から漏れ、結果的に早期の廃車となった。
わずかな配置時期の違いで、仕様に大きな変化が生じ、寿命も変わってしまったのである。

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キハ40 2021〜2026の6両は、1979年6月7日に水戸へ新製配置されたグループである。
「その2」で紹介した2022と2025含め、これらはともに水郡線で活躍した同期だった。
いずれもその後は新庄や小牛田を転々としてここ会津若松にたどり着くのだが、
非冷房の2022と2025がすでに廃車となってミャンマーに旅立ち、
たまたま更新を受けていた2021と2026が代わりにやってきた。結果的に運命には大差がついた。
何が運命を分けたか、その理由はわからない。特別な理由などないのかもしれない。
運命なんて言うのは、ほんのわずかな要素で決まってしまうものなのだろう。
鉄道車両然り、人間然り。過去のちょっとした分かれ道で、未来がどう変わるか知る術はない。
気動車の転配や処遇も、人生に置き換えてみると悲喜こもごもの物語に見えるから面白い。


さて、現地記録をもとにいろいろ考察してきた只見線のキハ40、お話はこの辺までとします。
ホームに立ってあれこれ眺め、できる限りの撮影記録をして、難しいことを並べてきましたが、
ここの趣旨として原点に返ると、結局この塗装のキハ40の模型を手に入れてしまった、
その出来事に端を発しているだけのことなのですね。
たったそれだけのために会津若松くんだりまで出向き(しかも夏と冬の二度も)、
数日かけて文章にして、疲労困憊している有様…。
訳わからないのですが、これがこのブログの真髄だったりします。

ではでは、模型に視線を戻しましょうか。
いずれは出会った実車たちを参考に、我が卓上鉄道博物館にもキハ40を迎える予定です。
一応、今できる範囲での調達はかけておきました。あとは作業をする気力が、いつ出るか。
これら入手した車両、どうやって料理してやりますかねぇ。

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