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<2016年 60本目 > ( 劇場10本、その他50本 )
リーマンショック以前に経済破綻の可能性に気付いた金融マンたちの実話を、
クリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング、そして
ブラッド・ピットという超豪華キャストで描いた社会派ドラマ。
何度も映画館に行こうと思ったのだが、超難解で眠たくなる… という評判に尻込みして
見送った作品。
<あらすじ>
2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み…。 リーマン・ショックに、サブプライムローン。
知ったつもりになっていたけど、全然知らなかった…(-_-;)
最低限、下記の金融用語を知らないことには、この映画に太刀打ちできません。 【サブプライム・ローン】 (subprime loan)
返済能力が低い人たちを対象にした米国の高金利住宅ローン。当初の2〜3年間は低い金利を適用。その後は金利や返済負担が2倍ほどに跳ね上がる。融資残高は約1兆3千億ドルで全米の支払い延滞率は約14%。住宅金融会社は貸し倒れによる損失を軽減するため、ローン債権を大手銀行などに売却。ローンの利息収入などを原資にして、高利回りの証券化商品に仕立てられ、世界中の金融機関やファンドなどに販売された。ローンの焦げ付きで証券化商品の価格が下落し、多くの金融機関が評価損を抱えた。
【MBS】 (Mortgage Backed Security)
一般にモーゲージと呼ばれる。主に住宅ローンなどの不動産担保融資を裏付け債権として発行された証券。特に住宅ローン債権を裏付けとするものをRMBS(Residential Mortgage Backed Securitiesという。RMBSでは小口のローン債権がまとめてプールされ、そのプール資産のキャッシュフローが投資家にそのまま支払われるパススルー証券であることが多い。
【CDO】 (Collateralized Debt Obligation) 資産担保証券。債券やローン債権などの資産を担保として発行される証券化商品の1つ。債券やローン債権などの所有者がこれをSPV(特別目的事業体)に譲渡し、この資産の信託受益権等で資金調達を行う仕組み。優先権のあるシニア債あるいはメザニン債と呼ばれる部分については高い格付けがなされ、機関投資家が活発に投資している。劣後する部分はリスクが高くなる代わりに利回りも高くなる。しかし、資産が担保であるため、これが毀損(きそん)した場合には、高格付け部分も簡単に債務不履行(デフォルト)となるリスクがある。
【CDS】 (Credit Default Swap) 信用リスクそのものを売買するクレジットデリバティブの一種。証券化商品や債権などが債務不履行(デフォルト)になった場合に損失を肩代わりしてもらう契約を結んだ金融派生商品(デリバティブ)。損失を肩代わりするリスクに対して定期的に保証料(プレミアム)を支払う。
【ISDA】 (International Swap and Derivatives Association)
日本語では「国際スワップ・デリバティブ協会」と呼ばれ、OTCデリバティブの効率的かつ着実な発展を促進するため、1985年にアメリカ合衆国のニューヨークで設立されたデリバティブに関する世界的な組織(全世界的な業界団体)。主として金利スワップや通貨スワップ、コモディティデリバティブ、クレジットデリバティブ、天候デリバティブなどの取引を対象とした契約書の発展と維持、取引の効率的な締結のための市場慣行の促進、および健全なリスク管理体制の発展などを目的として活動を行う。
【空売り】 投資家が実際には持っていない株式を、証券会社や別の株主から借りて売り、株価が下がった後に買い戻す行為。たとえば、株価が1万円の株を空売りし、9千円で買い戻せば、1千円の差額が入る。差額の中から、持ち主に「貸株料」を払った残りのお金が、空売りした投資家のもうけになる。
正直、全然勉強不足でついていけませんでした。 で、観終わったあとに猛勉強! なるほどね…!
そういうことか。 要するに返済能力の低い層にほとんど無審査でローンを大量に貸し付け、それを証券化して
いろんな証券と組み合わせたものを、格付け会社が絶対に大丈夫と保証して売りまくって、
住宅バブルがどんどんと膨れ上がり、それがあるとき、一気に弾け飛んだ!
ってことですな。
で、それを予見したわずかな人たちが、市場が破綻したときの保険商品を買いまくって
大量に保証料を払いながら、アメリカ経済が破綻することに賭け続け、最終的には
何千億という大金を儲けた…、というお話。
あの2008年、世界でなにが起きていたのか、遅ればせながら
ようやく理解しました…(-_-;) これ、今の知識でもう一回観直すとかなり面白いと思います。
それがなくても勿論、クリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング そしてブラッド・ピットの演技は素晴らしくて、グイグイと引き込まれるのだけれど なにかモヤモヤしたものが残ります。 先ほどの最低限の金融知識を身に付けておけば、かなり作品の世界にドップリと
はまれますよ。 色々と批判されているカメラ目線のドキュメンタリーチックな演出とか、
周りの人を巻き込んで、カンタンな例えを用いて解説する手法、わたしはかなり好きです。 ただでさえ難しい金融業界の舞台裏のお話。
少しでも柔らかく、エンタメ路線に寄せて解説しようという監督/脚本家の努力を わたしは買いたいですね。 それと、この邦題は本当に酷い! プラピ演じるベンが映画のラストで
俺たちが勝つということは、多くの人が負けることを意味するんだ。
もちろん死人も出る!
と言ってましたが、まさに主人公たちはアメリカ経済の破綻に賭けて勝ったわけで、 その結果、800万の人たちが仕事を失い、そして600万の人たちが家を失って、 世界経済が大不況に陥いった…。
こんなものに 勝者 など絶対に存在しないし、華麗でもなんでもない。
だからこそ、エンタメ映画にありがちな歓喜のシーンなど、かけらもなかったじゃ
ありませんか!
ちゃんと映画を鑑賞してから邦題を付けたのか!?(怒)
などと、ついツッコミたくなりますな!
金融用語を理解しようという、それなりの覚悟と努力が必要ですが、 「一般常識」、「社会勉強」として、必見の映画ではないでしょうか! 就活生とか、新社会人の人には、絶対に勉強してから観ておいて欲しい、
そんな1本です。 それなりに面白かったうえに、大変勉強させてもらったので、★は二つ
上乗せしておきます!
【 観賞日 】 2016.7.24
【 観賞方法 】 DVD 【 原題 】 「THE BIG SHORT」
【製作総指揮】 ルイーズ・ロズナー=マイヤー、ケヴィン・メシック 【 監督 】 アダム・マッケイ ( 代表作「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」 )
【 脚本 】 チャールズ・ランドルフ、アダム・マッケイ
【 製作年 】 2015年
【 収録時間 】 130分 【 製作国 】 アメリカ 【 出演 】 クリスチャン・ベイル、スティーヴ・カレル、ライアン・ゴズリング
ブラッド・ピット、ルディ・アイゼンゾップ、ケイシー・グローヴズ マリサ・トメイ、アデペロ・オデュイエ 他 【 星 】 ★★★★★★★☆☆☆
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