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<内容>
<第I部>
クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。
けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。 そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。 新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。 ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。 <第II部>
騒動の渦中にいるくせに僕たちは何も知ろうといなかった。けど、彼女は起ちあがった。校舎を覆う悪意を拭い去ろう。
裁判でしか真実は見えてこない!彼女の覚悟は僕たちを揺さぶり、学校側の壁が崩れ始めた… 気がつけば、走り出していた。不安と圧力の中、教師を敵に回して―他校から名乗りを上げた弁護人。 その手捌きに僕たちは戦慄した。彼は史上最強の中学生か、それともダビデの使徒か―。 開廷の迫る中で浮上した第三の影、そしてまたしても犠牲者が…僕たちはこの裁判を守れるのか!? <第III部> 事件の封印が次々と解かれていく。私たちは真実に一歩ずつ近づいているはずだ。けれど、何かがおかしい。
とんでもないところへ誘き寄せられているのではないか。もしかしたら、この裁判は最初から全て、仕組まれていた―? 一方、陪審員たちの間では、ある人物への不信感が募っていた。そして、最終日。 最後の証人を召喚した時、私たちの法廷の、骨組みそのものが瓦解した。 う〜ん、とにかく長かった…。
途中で少し、飽きましたな。
確かにキャラクターたちはみんな、活き活きと描かれている。
等身大の中学生が、しっかりと表現できている、…とは思う。
だが、そうであればあるほど、普通の中学生が果たしてこんな 擬似裁判 を本当に
起こせるだろうか…?という思いが、拭い切れないのだ。
裁判内の法律用語など、あまりにも皆が普通に知り過ぎていて、不自然過ぎる。
これが3年後の高校生たちの物語であったら、しかも法学部など、法律の専門家になる
ことを夢見る生徒たちの起こしたものであったのなら、まだ話は全然違うのだが…。
最後のオチもなにも、一人だけ学内の生徒ではない、神原少年が弁護士を引き受けた
時点で、だいたい予想はしていた。
その範疇をほとんど出なかったので、わたし的にはかなり 肩透かし だった…(-_-;)
最後はやっぱりもう一ひねりが欲しかったなぁ…。
という訳で、あんまりオススメはできませんなぁ。
とはいえ、映画のほうはフレッシュな役者たちが奮闘しており、かなり評判が
良いようなので、DVDリリースされたら、前・後篇を通して、観てみたいと
思っています。
<第I部>
【出版社】 : 新潮社
【 発行 】 : 2012/08/23
【 頁 】 : 741ページ
【 価格 】 : 1,944円
<第II部>
【出版社】 : 新潮社
【 発行 】 : 2012/09/20
【 頁 】 : 715ページ
【 価格 】 : 1,944円
<第III部>
【出版社】 : 新潮社
【 発行 】 : 2012/10/11
【 頁 】 : 722ページ
【 価格 】 : 1,944円
【 星 】 : ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ |
本
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―小説でしか描けない“現実”がここにある―。
圧倒的な描写力で迫る衝撃のミステリー。
そういうキャッチフレーズを付けられ、今ベストセラーを続けている小説がある。
それが『ストロベリー・ナイト』などの著者として知られる
<内容>
七人もの人間が次々に殺されながら、一人の少女が警察に保護されるまで、その事件は闇の中に沈んでいた―。明るい人柄と巧みな弁舌で他人の家庭に入り込み、一家全員を監禁虐待によって奴隷同然にし、さらには恐怖感から家族同士を殺し合わせる。まさに鬼畜の所業を為した天才殺人鬼・松永太。人を喰らい続けた男の半生と戦慄すべき凶行の全貌を徹底取材。渾身の犯罪ノンフィクション。
読み終えて、事件のあまりの凄惨さと異常さに、しばし言葉を失った…。
「桶川ストーカー殺人事件 ―遺言」も凄かったが、それとは異質の怖さがそこには
ある。
「桶川ストーカー殺人事件 ―遺言」では読み終えて、涙と鼻水が止まらなかったが、
この作品では、涙は一滴も流れなかった。
ただただ、あまりの現実に驚き、そして打ちのめされるだけであった…。
人が人に対して、これほどまでに残酷なことをできるものなのか?
強いられていたとはいえ、家族同士が密告し合い、拷問し合い、最期には殺し合う…。
小学生の子供ですら、肉親を殺す場面を手伝わされるほどの 地獄絵図 なのだ。
あまりの内容に、ふとした拍子に思い返してはまた胸が締め付けられ、その度にまた
気持ちが悪くなる。
確かに昔、新聞や報道でこのような事件があったことを薄らと目にした記憶があるが、
ここまでの内容であったとは、思いもしなかった。
報道規制でもされていたのだろうか…?
稀代のサディストにして詐欺師、日本の犯罪史上稀に見るサイコパスである
松永太。
これだけの悪行を、全て監禁していた家族同士に行わせ、自分はただ指示していただけ、
というのも、日本の犯罪史上、例を見ないものだろう。
生き残ったのが、太の内縁の妻であった純子と、最初の被害者・服部清志の娘であり、
10歳から7年間虐待され続けてきた恭子だけであり、裁判での証言などを中心に
書かれたのが本書であるため、実際にはこの何倍もの衝撃的な虐待だったのであろうと
推測される…。
犠牲になった緒方家の面々が、特に社会的地位も高く、周囲から人望も厚かった譽らが
もう少し勇気と覚悟を持って警察に行っていたら…、と残念でならない。
また決死の覚悟で二度の脱走を図った恭子の意思の強さと頑張りに、胸を熱くさせられた。
本当に凄いドキュメンタリーであると思う。
ただ、もう少しこの松永太というモンスターが産まれた背景を深堀して欲しかったように
思うし、収監後に接触を図って親しくなった純子を中心とし、純子寄りの内容になって
いるのは少し不満。
規制が掛かっているのか、それとも証言を拒否しているのか判らないが、加害者ではなく
純粋の被害者であり、事件発覚の発端となった恭子の証言をもう少し聞きたかった。
精神的に余裕が無ければ、あまりの内容に気が滅入ってしまい、立ち直れなくなります。
読まれるときにはお気をつけください。
なお、確かに沢山の方が言われるように、『ケモノの城』はあまりにも本書の内容に
酷似しており、わざわざ小説として出版するような内容ではない!
「参考文献」として断ってはいるものの、あまりにも酷い話だ。
しかも『ケモノの城』では被害者たちが犯人を討ち、仇を取ることができたものの、
本当の事件では「死刑判決」が出たとはいえ、未だに松永は生きており、よほど現実の
話のほうが残酷なのである…。
という訳で、『ケモノの城』なんて中途半端な小説を読むくらいなら、この衝撃的
ノンフィクションをお読みください!
【出版社】 : 新潮社
【 発行 】 : 2009/1/28
【 頁 】 : 339ページ
【 価格 】 : 550円 (+税)
【 星 】 : ★★★★★★★★☆☆ |

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言わずと知れたTBS系列の大ヒットドラマ『半沢直樹』の原作小説シリーズ、第三弾。
刊行されてからドラマが大ヒットしたため、池井戸氏の著作としては初となる、100万部を
超える大ベストセラーを記録した作品となった。
<内容>
ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。
もちろん前々作、前作の『オレたちバブル入行組』、『オレたち花のバブル組』は既読だが
ドラマの大ヒットを受けて、遅ればせながらの読破だったので、とてもエラそうなことは
書けない(笑)
前作での華々しい活躍を受けて、系列会社である「セントラル証券」へ出向させられた
半沢が、どのように逆襲するか? を描いた作品だと思っていたが、どうやらそうでは
なかった。
バブル崩壊後のいわゆる「失われた10年」( = ロスト・ジェネレーション ) 世代の
セントラル証券のプロパー社員・森山と、その友人であり、IT業界の雄「東京スパイラル」
の若き社長・瀬名の、友情と逆襲を描いたのが物語りの本流であり、半沢はその脇を
支えているにすぎない。
しかし決めゼリフの「倍返しだ!」はしっかりと魅せてくれるし、爽快感は変わらない。
プロパー社員の森山が、最初は (銀行からの出向者にロクなヤツはいない、と) 頭からバカに
していた半沢の、思いがけぬ熱い意思に、次第に傾倒していく姿が、微笑ましく
描かれている。
ラストのギミックもそれほど意表を突いたものではないし、瀬名と森山の関係も、そして
そのやりとりも、想像通りの展開で終わったが、それを活字で追いかけていくだけでも
楽しかった。
相変わらず同期の渡真利や近藤が半沢を気に掛け、陰日向となってサポートしているし、
シリーズの一貫性を失わず、また「失われた10年」の世代の新しいキャストを巧く
登場させ、ますます今後の展開が楽しみである。
さすがにこのたった386ページでは、10〜12回という連続TVドラマには物足りないし、
丁度2時間20分くらいの映画サイズなのだが、如何せん、主演の堺雅人氏が
16年に放送されるNHK大河ドラマ『真田丸』の主演に決まっていて、出演オファーに
同意してくれないらしい…。
それどころか、TBSが西島秀俊・主演で続編製作を決定した…、という、実しやかな
噂すらある。 ( やれやれ… -_-; )
あれは堺雅人氏の怪演なくして、あれほどの大ヒットになり得なかったと思うのだが。
実際、原作を読んでみても、そこまでのものではなかったしね。
まだ本作の映像化にはかなり時間が掛かりそうなので、次は小説第四作「銀翼のイカロス」
でも読みながら、首を長〜くして、待つことにしましょうか…。
ともあれ、本作は軽い感じながら、なかなかの傑作であり、一気に読めてしまいます。
ドラマの大ファンで、半沢のその後が気になっている方、ぜひ読んでみてください。
だけど、実際のサラリーマン社会では、(わたしも含めて) こういう型破りな社員はあまり
日の目を見ない ですよねぇ…(-_-;)
【出版社】 : ダイヤモンド社 (2012/6/28)
【 発行 】 : 2012/6/28
【 頁 】 : 386ページ
【 価格 】 : 1,620円 (+税) 【 星 】 : ★★★★★★★★☆☆ |
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<内容>
「出撃なんて、実力試験みたいなもんじゃない?」
敵弾が体を貫いた瞬間、キリヤ・ケイジは出撃前日に戻っていた。トーキョーのはるか南方、コトイウシと呼ばれる島の激戦区。寄せ集め部隊は敗北必至の激戦を繰り返す。出撃。戦死。出撃。戦死―死すら日常になる毎日。ループが百五十八回を数えたとき、煙たなびく戦場でケイジはひとりの女性と再会する…。
これは…。
単なる ライトノベル ですなぁ…(>_<)
全篇に流れる今風の軽過ぎる会話やセリフの数々に、少々ウンザリ…。
もう映画とは全くの別物ですワ。
よくぞこの原作から、あんな傑作が産まれたもんだな。
はっきり言って、戦闘の日常に繰り返しループする というところ以外に、
ほとんど共通点がない。
その肝心のループとて、映画では繰り返し実体を伴ってループしていたのに対し、この
小説版では実体を伴わないループであり、そこで積み重なるのは単なる「記憶」のみ…。
これではコンマ何秒を争う反応速度を要求される戦場で勝ち続けることはできないと
思うんだが…(-_-;)
主人公が装着する戦闘用ジャッケットの白兵戦用武器「パイルドライバ」は明らかに
「装甲騎兵ボトムズ」のベルゼルガが装着する パイルバンカー のパクリだしねぇ…。
ラストも全然釈然としないし、映画版のほうが何倍も爽快感があったなぁ…。
あそこで戦いの女神ルタと斬り合われてもねぇ…(-_-;)
まぁ、軽くテサクサクと読めちゃいますが、読むだけ時間のムダですので、その分
DVDやブルーレイを何度か観直したほうが、よっぽどマシかと…(苦笑)
【出版社】 : 集英社
【 発行 】 : 2004/12/18
【 頁 】 : 276ページ
【 価格 】 : 571円 (+税) 【 星 】 : ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ |
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先日鑑賞してきたばかりの矢口史靖監督の最新作映画『WOOD JOB!』の原作であり、
『舟を編む』の人気作家・三浦 しをんの書いたベストセラー小説を、今さらではあるが、
読んでみたので、劇場版映画と比較しながら語ってみよう。
<内容>
美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。勇気はそこで林業に従事し、自然を相手に生きてきた人々に出会う…。
なるほどね。
これは原作を読んでから、映画を鑑賞するのが最善の方法でしょうなぁ。
映画版より冒頭の林業研修プログラムのくだりなんかはあっさりとしている。
そのぶん、勇気が神去村の人々や、中村林業の仲間との触れ合いを通じて人間的に成長して
いく様を、丁寧に描いている。
照れ隠しのように語りながら、それでも前のめりになって勇気が林業に取り組んでいく様子が
読んでいて微笑ましい。
また林業の基礎知識もふんだんに散りばめられているので、 勉強になる。
この辺りを押さえてから映画を観ると、一味違った感想になるだろう。
映画は実際に木を切り倒すシーンなど、映像にすると映えるシーンを、少し誇大な表現を
交えながら扱っているきらいがあるが、これはまぁ、仕方のないところか。
中村林業の清一社長の一人息子・山太や、ヨキの飼い犬ノコとの触れ合いが映画版で省略されているのは、至極残念。
ここは「物語」のかなり重要なキーになるのだが…。
物語のヒロインである直紀の扱いは、原作版のほうが遥かによい。
姉の旦那である清一社長への切ない恋心…、という心情は、短い映画の中では描き切ることが
できない、と踏んだのだろうか?
山太の「神隠し」のくだりは逆に、映画版の描き方のほうが秀逸。
ここは映像の勝利か。
ただ、映画版も、「赤と白の女神様二人」というところは、きっちりと映像化しておいて
欲しかった…。
この原作小説は、読み終わってほっこりと暖かい気持ちになるが、少しライトノベル過ぎて
物足りない。
もう少し深く掘り下げて、長文の小説にしてくれても良かったように思う。
勇気の淡い恋心の行方や、林業への思いがその後どうなってくのか気になるところだが、
どうやら続編が刊行されているようなので、続けて読んでみることにしよう。
というわけで、この原作小説は映画版での足りない基礎知識を補完してくれるので、まずは
原作を読んで林業や神去村の基礎知識を習得してから(笑)、矢口監督の映画版を鑑賞する
ことを強くお勧めします。
【出版社】 : 徳間書店
【 発行 】 : 2009/5/15
【 頁 】 : 290ページ
【 価格 】 : 1,620円 (税抜き) 【 星 】 : ★★★★★☆☆☆☆☆ |





