徒然なるままに…。

今年の中日は東京から応援します、たぶん…(苦笑)

[ リスト | 詳細 ]

記事検索
検索
直木賞を受賞した『対岸の彼女』、そしてテレビドラマや映画化で一大ブームを巻き起こした『八日目の蝉』などで有名な角田光代氏が、これまでずっと書いてみたかったという「男性」と、そして氏が〝最も美しいと思うスポーツ〟である「ボクシング」を題材にして描いた
長篇スポーツ小説である。
 
 
格闘技好きで、ボクシングにも多少人よりは精通していると自負するわたしだが、
恥ずかしながら、この作品のことは全く知らなかった。
 
だが、明日から新聞朝刊で連載される小説が、この本作の続編である、ということを知り、
急遽、読破してみた。
 
イメージ 1
 

 
<内容>
 
 文芸編集志望の若手社員・那波田空也が異動を命じられたのは"税金対策"部署と揶揄される「ザ・拳」編集部。空也が編集長に命じられて足を踏み入れた「くさくてうるさい」ボクシングジム。そこで見たのは、派手な人気もなく、金にも名誉にも遠い、死が常にそこに横たわる過酷なスポーツに打ち込む同世代のボクサーたちだった。彼らが自らの拳でつかみ取ろうとするものはいったいなんなのか…。
 

 
 25年の人生で、彼女はおろか友達すらいなかったという、雑誌社勤務で文芸編集部希望の
スポーツ音痴青年・空也が、あろうことか、『ザ・拳』という、さえない隔月刊のボクシング雑誌・編集部に異動を命じられる…。
 
そこで「ボクシング」という〝非日常〟を通じて出会った大切な仲間たちとの触れ合いを
描いた〝青春群像劇〟である。
 
 
最初はボクシングの「ボ」の字も知らなかった空也が、やがて自身もジムへと通うようになり、試合を見て漏らす感想が少しずつ少しずつ、ボクシングに精通していく様は、なかなか
面白い。
 
物語のもう一人の主人公であり、空也の唯一の友達となったタイガー立花や、ジムの仲間
坂本、ジムのコーチである曲者の有田、フリーのトレーナー萬羽など、実にキャラは立って
いる。
 
 
だが、如何せん、スポーツものには付き物の、エモーショナルな「感動」が足りない…。
 
 
プロテストを受けると宣言した空也が、次第に熱い情熱を迸らせるのかと思ったら、
あっさりと文芸部に移動となり、そこで頭角を表す反面、ジム通いはもとより、大切な友や
仲間たちの試合すら、見に行くことをやめてしまう…。
 
これには心底、ガッカリした…!
 
 
空也が酒に酔うと必ず「女言葉」になるシーンではかなりの違和感を覚えたのだが、のちに
ハタとこの「空也」というキャラは、作者自身を投影した姿なのだ、ということに気付く。
あとで調べてみるとやはり角田氏は女性ながら、学生時代からボクシングを始めており、
2013年現在も、輪島功一のボクシングジムに通っているのだという。
 
なるほどね。
確かに女性とは思えないほど、ボクシングの描写はリアルでしっかりとしている。
沢山のジムに取材を重ね、等身大の「名も無きボクサー」たちの日常を描く。
それも悪くは無いだろう。
 
500ページ弱という長編で、サクサクと最後まで読めるのだから、決して面白くない
わけではない。
だが、最後の最後までページを繰って、そこに「感動」がないというのは正直ツラい。
 
待望の文芸編集部に異動して仕事で成功を納め、ようやく彼女が出来たとはいえ、生涯で
初めて「友達だ」と言ってくれた人の大事な試合すら、あっさりと忘れてしまうもの
なのだろうか?
 
それがこの小説のラストだなんて、あまりにも哀しいではないか。
 
 
もちろん本作を読み始めた時点で続編が始まることは判っているので、わたし自身は
それほど酷いとは思わないし、この小説で描かれた仲間たちがどのように成長し、どんな
道を歩んでいるのか、それが楽しみではある。
 
 
という訳で、本作がどのような評価を受けるかは全て、続編のデキに掛かっていると
言えよう。
 
 

【出版社】 : 日本経済新聞出版社
【 発行 】 : 2012/10/11
【 頁 】 : 485ページ
【 価格 】 : 1,900円 (税抜き)
【 星 】 :
★★★★★☆☆☆☆☆
 
 
『ボックス!』の百田尚樹が描く、超絶技巧のショート・ショート・ストーリー、全18篇。
 
『幸福な生活』があまりにも素晴らしかったので、ついつい百田尚樹氏の他の作品で、
ネット上で絶賛されている本作を図書館で借りてみた。
 
なんと、上下巻合わせて1,220ページという超大作である。
 
イメージ 1
 

 
<内容>
 
 戦争が終わってちょうど十年目、いまだ空襲の跡が残る大阪の下町に生まれた作田又三。
高度経済成長、六十年安保闘争、東京オリンピック、大阪万博、よど号ハイジャック事件、
日本列島改造論、石油ショック―激動の昭和の時代、生まれながらの野生児、作田又三は、
人生という荒海を渡っていく。いざ、海図なき嵐の海へ。さあ、錨を上げよ!
 

 
 
長い!
とにかく長いのである!!
 
それでいて、オビにも「圧倒的青春小説」と記載されているように、物語は全く終焉を
迎えておらず、小学生時代から30歳を越えてひとりぼっちになったところでひとまず、
幕を下ろすのである…。
 
 
いやはや…(-_-;)
 
 
それでいて面白くないのかというと、そこは氏の軽妙で流れるような文体のおかげか、
飽きることなく読み進めてはいけるのだが、いかんせん、なにも残らないんだよなぁ…。
 
 
幼少の頃から、粗野で、自分勝手で、思慮の浅い主人公。
運動も勉強も、そして仕事でも人並み外れた素晴らしい能力を発揮するのだが、
とにかく飽きっぽい性格で堪え性がなく、いずれも長続きしない。
それはもう読んでいて、イライラするほどだ。
 
何人かの女性を愛するが、いつも破滅的な終末を迎えてしまう。
そんな主人公に、わたしは最後まで、どうしても感情移入ができなった。
 
この1,220ページという長大な物語がいったいどこに帰結するのかと、ただそれだけを
楽しみに頁を繰っていただけに、ただ「人生はまだこれからだ」みたいな感じで終わられて
しまい、唖然とさせられた!
 
 
 
こうなったら百田氏は、なにがなんでもこの「作田又三」の残り半生を書き切ってもらう
しかない。
そうでなければ「あんまりの作品」ではないか。
 
 
とにかく分厚い小説で、持ち運ぶのも容易ではないので、読むのは、物語が完結し、その
評判を聞いてからでも、遅くは無いかもしれない…。
 
 

【出版社】 : 講談社
【 発行 】 : 2010/11/30
【 頁 】 : (上巻) 594ページ、(下巻) 626ページ
【 価格 】 : 1,900円 (税抜き)
【 星 】 :
★★☆☆☆☆☆☆☆☆
『ボックス!』の百田尚樹が描く、超絶技巧のショート・ショート・ストーリー、全18篇。
 
ネット上で「とても面白い!」と絶賛されていたので、早速読んでみた。
 
 
イメージ 1
  
 
<<  収録作  >>
 
母の記憶 / 夜の訪問者 / そっくりさん / おとなしい妻 / 残りもの / 豹変 / 生命保険 / 痴漢 /
ブス談義 / 再会 / 償い / ビデオレター / ママの魅力 / 淑女協定 / 深夜の乗客 / 隠れた殺人 /
催眠術 / 幸福な生活  
 

 
<内容>
 
 「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に? 二人の関係はバレたのか? 
動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。妻の目を盗みキスを迫る。
そしてボディタッチ。彼女の目的は何か? 平穏な結婚生活を脅かす危機。
俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが…。  (「夜の訪問者」より)
 

 
 いやぁ、これまた、本当に素晴らしいですな!
まんまとやられましたワ (笑) 
 
まだまだ、こういうやり方があるんだなぁ…。
作者がニヤニヤしながら、毎回毎回、最後の1ページを書いている姿が、
目に浮かんでくるようです。
 
 
最初の1作目では、何も気付かないのです。
それでもって、この本の最高傑作である「夜の訪問者」( 「あらすじ」で書いた作品 )
読んで、いきなり  ガツン! とやられる。
 
だが、鈍いわたしはまだここでもギミックに気付かない(苦笑)
 
そして三本目を読んで初めて、作者が巧妙に仕掛けたそのギミックに気付くのです。
この作品もまた、小説でなければ絶対に実現できない部類のもの。
ただギミックに気付いてからは、毎回毎回そのオチを考えながら読むことになり、半ば
面白みは薄れるし、時にはそれが強引な作品も…。
 
 
という訳で、さすがに満点は無理ですが、先に書いた2本目だけでも充分に読み応えアリ!
面白さはオリガミ付き!!
 
サクサクっと軽~く読めますので、ダマされたと思って、是非読んでみてください。
オススメですよ!!
 
 

【出版社】 : 祥伝社
【 発行 】 : 2013/12/12
【 頁 】 : 344
【 価格 】 : 680円 (税込み)
【 星 】 :
★★★★★★★★☆☆
2008年に第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した柚月裕子氏の長編第二作
『最後の証人』の前日譚であり、主人公であるヤメ検事弁護士・佐方貞人の検事時代を
描いた連作短編ミステリーである。
 
『最後の証人』を出版後、読者から「続編が読みたい」「もっと佐方が読みたい」という
声が相次ぎ、著者自身も佐方という人物を描き切れなかったという思いがあったため、
編集者と相談し、続編の制作が決定した、とのこと。
 
  
イメージ 1

 
<内容>
 
 12万部突破の法廷ミステリー『最後の証人』主人公のヤメ検弁護士・佐方貞人の検事時代を描いた連作ミステリー、待望の文庫化です。出所したばかりの累犯者が起こした窃盗事件の真実を抉る「罪を押す」。県警上層部に渦巻く嫉妬が、連続放火事件の真相を歪める「樹を見る」。同級生を襲った現役警官による卑劣な恐喝事件に、真っ向から対峙する「恩を返す」。東京地検特捜部を舞台に、法と信義の狭間でもがく「拳を握る」。横領弁護士の汚名をきてまで、約束を守り抜いて死んだ男の真情を描く「本懐を知る」。 
 

 
 いやぁ、素晴らしいですな!
 
これ、柚月氏は『最後の証人』を書き上げたときから、ここまで「佐方 貞人」という
キャラクターを掘り下げて設定していたのだろうか?
 
ここまで感動した「短編集」というのは、実に久し振りな気がする。
 
「樹を見る」、「恩を返す」、「拳を握る」、「本懐を知る」という4つの短編から
なる本作だが、なかでもわたしは佐方の知られざる高校生時代を描いた「恩を返す」と、
検事を目指すきっかけとなった父親のエピソードを描いた「本懐を知る」が秀逸だった!
 
 
佐方と関わったいろんな人の視点を通しながら、断片的に「佐方 貞人」という人物像を
少しずつ掘り下げていく。
常に人を思いやる、実直な佐方の素顔。
それが読んでいて、実に気持ち良かった…。
 
 
実は本作のあとにもう一作、「検事の死命」という、やはり佐方の「検事時代」を描いた
短編シリーズがある。
 
この短編シリーズ2作と、弁護士となった「最後の証人」を併せて、連続TVシリーズが
作れないだろうか…?
 
「くしゃくしゃな髪型」というそれだけのキーワードで、主演は上川 隆也なんかが
いいのではないかと思うのだが…。
 
 
とにかく、長編『最後の証人』を楽しむためには、この短編を先に読んでおいたほうが
絶対にいいと思います。
 
オススメしますよ!
 

【出版社】 : 宝島社
【 発行 】 : 2011/11/10
【 頁 】 : 376
【 価格 】 : 1,500円 (+税)
【 星 】 :
★★★★★★★★☆☆

「最後の証人」

『臨床真理』で2008年に第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した柚月裕子氏の
長編第二作。
 
イメージ 1
  

 
<内容>
 
 元検察官の佐方貞人は刑事事件専門の敏腕弁護士。犯罪の背後にある動機を重視し、罪をまっとうに裁かせることが、彼の弁護スタンスだ。そんな彼の許に舞い込んだのは、状況証拠、物的証拠とも被告人有罪を示す殺人事件の弁護だった。果たして佐方は、無実を主張する依頼人を救えるのか…。
 

 
あまり期待していなかったが、いや、どうして、なかなか良かった!!
 
全体的にはライトノベル的な感じも否めなくはないが、最後のドンデン返しにすっかり
やられてしまった。
 
 
冒頭の殺人のシーン。
実際に被害者が殺されるところは描かれていない。
ここからミスリードが始まっている。
 
 
ここから物語は過去に戻る。
10歳の一人息子・卓を飲酒運転による事故で殺されてしまった高瀬光治とその妻・美津子。
起訴を逃れた犯人に復讐するべく、ナイフで殺す練習をするシーン。
電話帳を抱えて行うそれもまた、伏線になっている。
あとで読み返してみると、「なるほど」と思わされる。
 
さらに中盤から後半にかけての公判のシーン。
の事件における被告人と原告の名前は一切伏せられたまま、物語は進行していく。
そして残り100ページとなったところで、唐突に被告人の名前が読み上げられる。
そこで本当にストンと「あぁ、そういうことか!」と何もかもが、その被告人の名前で
全てが一気に明らかになる。
 
これは見事にやられた!
 
いや、それぞれの伏線には気づいているので、もしかしたら、真剣に最初から考えていれば
判ったのかも知れないが、むしろ、騙されたままどこに行き着くのか流されてみようという
意識があったのかも知れない。
そしてそれは気持ち良いほどに、ハマった感がある。
 
 
高瀬夫妻はトリックが法廷で暴かれれば、それはそれであの交通事故の真因が白日のもとに
晒されることとなって本望だろうし、そうでなければ今度こそ、一人息子を殺した憎き仇に
復讐することができる、という二重のトラップだ。
 
本当に良くできた計画である。
 
 
そしてこれは、あの『アルジャーノンに花束を』などのように、小説でなければ絶対に
描けない物語であり、テレビや映画ではダメなのだ。
 
殺すほうも殺されるほうもカメラに映さない殺人シーンの場面なぞ、絶対に映像には
できないからだ。
 
 
一つ難点を挙げるとすれば、冒頭でもう少し主人公・佐方弁護士が辣腕であることを示す、
本編とは関係ない小事件を挿んでいてくれれば良かったなぁ。
最後まで一番、この佐方弁護士に感情移入できなかったような気がする…。
 
 
という訳で、肩・ヒジ張って読むような、お堅い作品ではなく、気軽にサクサクと読める
上に、痛快なドンデン返しが効いたミステリー作品に仕上がっています。
『臨床真理』から、作者は随分と腕を上げたなぁ…、という感じです。
 
オススメですよ!!
 
 

【出版社】 : 宝島社
【 発行 】 : 2011/6/18
【 頁 】 : 326
【 価格 】 : 590円 (+税)
【 星 】 :
★★★★★★★☆☆☆

.
ukehen
ukehen
男性 / O型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Yahoo!からのお知らせ

過去の記事一覧

友だち(8)
  • よしかず
  • まおちゃり
  • tiger
  • tam**dorav_*
  • ケマモン
  • 三冠落合
友だち一覧

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

話題の新商品が今だけもらえる!
ジュレームアミノ シュープリーム
プレゼントキャンペーン
ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事