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マックス・ブルックスにより2006年に発売された終末ホラー小説であり、本作を原作として、ブラッド・ピットを
主演に迎えた実写映画が2013年8月10日に日本公開される予定である。
<内容>
中国で発生した謎の疫病―それが発端だった。急死したのちに凶暴化して甦る患者たち。中央アジア、ブラジル、南ア…疫病は急速に拡がり、ついにアウトブレイクする。アメリカ、ロシア、日本…世界を覆いつくす死者の軍勢に、人類はいかに立ち向かうのか…。
映画館でまずは予告編を観て、いったいどういう映画なんだと気になった。
どうやら原作小説があるということだったので、早速図書館で予約して借りてみた…。
読んでみて、驚きましたよ(苦笑)
『ワールド・ウォー・Z』の Z って、実は ゾンビ のなんですよね、これが!
要するに、世界ゾンビ大戦 なんですよ(笑)
基本的には、ジョージ・A・ロメロが世に送り出した「ゾンビ」に敬意を払い、これに忠実なゾンビ像を
継承しつつ、 オーラル・ヒストリー (聞き書き)という形式を取って書かれている。
そのため、「語り手」となる登場人物は、軍人、政治家から宇宙飛行士、ただの主婦まで、実に様々である。
この形式は、先日読んだ「ロボポカリプス」と奇しくも同じ。
よって、やっぱり消化不良感も同じなんだよなぁ…。
「ショッピングセンター」にゾンビが大量に詰め掛けたあのころ、全地球規模では一体何が起こっていたのか?
というくだりが、何人もの口を通して語られるわけだ。
だが、結局どうしてこの病気(ウィルス)が世界に蔓延したのかは全く明らかにされないし、このゾンビとの
戦いがどういう風にして「終焉」を迎えたのか、いや、そもそも「終焉」となったのかさえ、一切明らかにされない。
それには、かすかな怒りすら覚えるくらいで…。
どうせなら、普通の小説として一本筋を通し、じっくりと一人の目を通して描かれたストーリーにして欲しい…。
こういう形式だと、わたしの中での評価はどうしても低くならざるを得ない…(-_-;)
またこういう形式であるがゆえに、「映画化」とはいっても基本的な世界観だけを踏襲し、ストーリー展開や
登場人物のほとんどは、オリジナル脚本によるものと思っていい。
ただ一つ気になっているのは、予告編を観るかぎり、ゾンビらしきものが全速力で走っていること。
肉体は半分朽ち果て、体重や振動には耐えられない筋組織となっているので、到底「走る」ことなどできる
はずもなく、この設定はわたしは大っ嫌いなのだ…(-_-;)
ドラキュラならば「心臓に杭」そして「紫外線照射」を、そしてゾンビなら「頭を銃で撃つ」ことと、〝ゾンビは
動きが遅い〟ので、「全速力が駆け抜ける」という、この対処法だけは、基本として絶対に変えないで
欲しいものだが…(-_-;)
という訳で、あまり映画の原作本というわけではなく、映画はオリジナル・ストーリーに等しいものであると
推測されるし、オーラル・ヒストリー形式の小説が好きな方以外は、あまり読む価値がないですよ。
【出版社】 : 文藝春秋
【 発行 】 : 2010/4/10
【 頁 】 : 536
【 価格 】 : 2,100円 【 星 】 : ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ |
本
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2014年の全米公開を目指して、スティーブン・スピルバーグ監督が映画化の企画を進めていたのが、この
小説である。
著者は人工知能の博士号とロボット工学の博士号を取得しており、ロボットに関するノンフィクションも
多く書いているが、小説を書くのは本作が初めてだという。
ちなみに映画の企画は2013年1月に、脚本が完成していないこと、製作費がかかりすぎることなどを理由に、
製作が白紙に戻されたとの発表があった…。
<内容>
やわらかな少年の声が、地球の、人類の、破滅を告げた。人間を傷つけることを禁じられたはずのロボットが、噛みつき、銃を手に取り、人間たちを狙い定め冷酷な殺害ゲームを開始した!
キーワードは、ロボット防衛法。ありとあらゆる電気制御製品が反乱に参加、コントロールを失った世界で、
人々は自分を護るため武装蜂起を始めた。 ちっぽけな少女、マチルダを中心として…。
まぁ、内容は極めて「ターミネーター」で反乱を起こした人工知能「スカイネット」の話に酷似している。
ただ、映画「ターミネーター」では、実際にスカイネットが反乱を起こす瞬間の辺りを描いていなかっただけに、
その瞬間から、人類が最初の戦争に勝利するまでを描いた本作にはかなり期待したのだが…。
まず、構成がダメだな。
この小説は、この「最初の戦争」を人類の勝利に導いた数名のレポート、という形式を取っている。
がゆえに、いいところで何度も何度もストーリーは中断の憂き目に会い、その度に視点が変わるため、
読者の混乱を誘ってしまうのだ!
人類の反撃の起点となるのは、老婦人の形態を取る「愛玩タイプ」のロボット・ミキコを愛する日本人老技師
タケオ・ノムラであり、この辺りは秀逸である。
これを映画化した場合、その日本人ノムラを誰が演じるのかに、興味があるなぁ。
反乱の場面、反撃の場面は良く架けているようにも思うが、そこまでて紙面を使い過ぎており、
最後の決戦に掛けては、あまりにも淡白に感じられた。
しかもそれが人類の力ではなく、新たな自我に目覚めたヒューマノイドタイプの自律型ロボットによるもの
であった、という点にもガッカリ…。
確かにこれを映像化しようとしたら、終盤に掛けて盛り上がる優れた脚本が必要である。
また、巨大ロボット大や量のロボットと戦う人類とのCGには、巨額の製作費が必要だな…。
っていうか、ちゃんと原作を読んでから「映画化権」を買ったのかな、スピルバーグさんは…?(笑)
という訳で、まぁ、大したSF小説ではありませんし、仮に映画化されたとしたら、「原作小説よりも映画版の
方が面白い!」という、極めて珍しいタイプの小説になるかも知れませんよ(苦笑)
【出版社】 : 角川書店(角川グループパブリッシング)
【 発行 】 : 2012/12/26
【 頁 】 : 478
【 価格 】 : 2,100円 【 星 】 : ★★☆☆☆☆☆☆☆☆ |
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1998年に若干二十歳という年齢ながら、 『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビューを果たしたという
浦賀和宏の小説。
非常に売れているということで、図書館で予約してから半年くらいでようやく借りられたのだが…。
<内容>
平凡だが幸せな生活を謳歌していた香奈子の日常は、恋人・貴治がある日突然、何者かに殺されたのを
契機に狂い始める…。同じ頃妹の度重なる異常行動を目撃し、多重人格の疑いを強めていた根本。
次々と発生する凄惨な事件が香奈子と根本を結びつけていく。
その出会いが意味したものは…。
久し振りの小説レビューだが、別に読書をしていない訳ではなく、週に2冊くらいは常に読んでいるものの、
取り立てて 「レビュー書こうかな」 と思うものが無かっただけ(笑)
さて、本作だが、「解離性同一性障害」、いわゆる「多重人格」もののサスペンス仕立ての小説である。
しかしこのタイトル、そして主要な登場人物のうち、香奈子と由子( = 亜矢子)という二人の人物の生い立ちに
まつわる凄惨な話し (ともに実父に幼少のとき、性的虐待を受けていた…) を読んだ時点で、ストーリーの結末など、
容易に想像がついてしまう…。
だが、そうなると物語は、完全に破綻していることにも気付く。
なぜなら、香奈子と由子の出会いのシーンは、脳内空間での出来事として許せるとしても、その後の二度目の
遭遇シーン、ナンパされて困っている由子を助けようとして、恋人・貴治と一緒に知人のふりをして声を掛ける
という設定が、完全に成り立たないからだ。
こういう小説を書いてはダメだ!
ここは後から読み返しても解釈が成り立つように、貴治がいないところで声を掛けたとか、そういう設定で
ないと、読者をただ騙すだけの作品になってしまう!
それと最後の場面、一気に亜矢子が暴走し始めるシーンが、あまりに酷い!
作者がカニバリズムに傾倒している (これを扱った作品が多いのだという…) のか知らないが<、あそこで
亜矢子の兄である根本の恋人・恵を殺して、それを兄・根本に食べさせてしまうという筋書きは、あまりにも
唐突過ぎて、唖然とさせられる…。
しかも、その前に恵は「根本とはもう少し長く付き合う人生計画になっている」と書いて、恵の少し醒めたような
感情を示しておいてから、実はその時点で根本の子を妊娠していたという、まるでこちらも読者を騙すような
事実が殺人の動機になっているという点にもガッカリ!
若き天才小説家 などともてはやされているが、そこらの「ケータイ小説」などと変わらない、
読む価値など全くないような、くだらない小説であり、完全に時間のムダであった…。
もう二度と、この作家の作品は読むことはないだろう。
【出版社】 : 幻冬舎
【 発行 】 : 2001/9/10
【 頁 】 : 368
【 価格 】 : 1,600円 【 星 】 : ★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ |
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2008年4月1日から2009年3月31日まで『毎日新聞』にて連載され、2009年9月16日に毎日新聞社より
発売された青春小説。
2010年度の柴田錬三郎賞を受賞し、同年度の第7回本屋大賞3位にも入賞している。 この小説は、高良健吾吉、高由里子という若手人気俳優のコンビで映画化され、2月23日に劇場公開が
予定されている。
<内容>
大学進学のため長崎から上京した横道世之介18歳。愛すべき押しの弱さと隠された芯の強さで、様々な
出会いと笑いを引き寄せる。
友の結婚に出産、学園祭のサンバ行進、お嬢様との恋愛、カメラとの出会い…。 誰の人生にも温かな光を灯す、青春小説の金字塔。
横道世之介という、ほんわかとした憎めない性格が、読んでいて気持ち良い。
それよりも、与謝野祥子という、世間離れした〝お嬢様〟のハズレっぷりが秀逸だ。 与之介がたくさんの人に愛された人物である、というその一端は垣間見られたように思う…。
書いてある分を読むだけなら、とても読み易くて面白く、文句の付けようがない小説だ。
だが「一年」という新聞の定期連載での制約なのか、これからというところで物語は終わってしまう。
与之介という人の性格を考えたら、幾ら大学を卒業したからといって、その時代に深く交流した 人々と全て「没交渉」になってしまう、というのは解せない。 なぜあれほど好きだった祥子と別れてしまったのかが、全然描かれていないし、それからわずか2、3年後に
祥子がいきなり見合いで結婚してしまう、というのも不可解。
この物語から十数年後、40歳になった与之介が不慮の事故で命を落とすまで、
どのように生きて、どんな人を愛し、どのように愛されたのか? とにかく、この後の物語が気になって仕方ないのだ。
作者はいずれ、我々のその問いに答えてくれるつもりなのだろうか…? そうでなければ、ただ「もやもや」とした気分で終わってしまうだけなのだが。
【出版社】 : 文藝春秋
【 発行 】 : 2012/11/9
【 頁 】 : 432
【 価格 】 : 1,700円 【 星 】 : ★★★★★☆☆☆☆☆ |
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女子が男子に読んで欲しい恋愛小説No.1
店頭ににはそんなPOPが躍っていた、この小説。
ようやく図書館で借りられたのだが、なんでも2013年10月には嵐の松本潤と上野樹里のコンビで
映画化も決まっているのだとか…。
<内容>
幼馴染みと十年ぶりに再会した俺。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。
でも彼女、俺には計り知れない過去を抱えているようで―その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさもすべてつまった完全無欠の恋愛小説。 もう完全なるネタばれになりますので、これから読もうと思っている人は、ここでお引取りを!(笑)
◇
なるほどね!
いやぁ、一本取られましたな、こりゃ!!
途中までは、読んでいるこちらが気恥ずかしくなるほどの、甘い甘い恋愛小説なんですよ。
しかし結婚を意識した辺りから、次第に「おやおや…?」という展開に。
やがて、ラストが近づくにつれ、あぁ、そういうことだったのか!! と、ハタと
序盤から巧みに張り巡らされた伏線に気付かされるハメに。
だいたい、タイトルからして伏線だったとはね(笑)
もうね、これ、猫好き の人にはたまらん内容ですな。
わたしも実家ではずっと猫を飼っていた〝猫派〟なので、その気持ちは痛いほど判る(笑)
ただね、小説自体はまるでハッピーエンドのように言われているけど、男としてこの立場になったら、
もう二度と立ち直れないようなショックを受けそうですな(苦笑)
文体はライトノベルのようでサクサクと読めますが、最後まで読むと、
もう一度その伏線を確かめるために読み直したくなる…、そんな小説です。
オススメです。
【出版社】 : 新潮社
【 発行 】 : 2011/5/28
【 頁 】 : 342
【 価格 】 : 540円 【 星 】 : ★★★★★★★☆☆☆ |





