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 静岡地方裁判所委員会議事概要(H26.3.19)、横浜地方裁判所委員会(第21回)議事概要(H24.11.21) において、議案として「交通事件」等について説明・意見交換がされている。裁判所としても「脳脊髄液減少症」の診断基準改定が及ぼす影響や同症に対する知見を深めるためのノウハウの伝達・共有について考え動き出してきたように見える。

 また、「むち打ち症の場合であれば,治療においてレントゲンは撮っているがMRIは撮っていない。MRIを撮っていなければ後遺障害が認められないのが現状である。」という意見交換での弁護士の私見は、交通事故被害者にとって何が裁判上重要な認定資料であるかを示している。
 なお、原文については、末文のリンク先の裁判所Website内の議事録を参考にされたい。
脳脊髄液減少症については、[http://www.id.yamagata-u.ac.jp/NeuroSurge/nosekizui/index.html 脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に関する調査研究(山形大学医学部)]が参考となります。

1)静岡地裁委員会(発言 ○:委員△:説明者))抜粋
△ 最後に交通事件訴訟の最近の問題について説明する。医学の進歩に伴って複雑な症状を呈する後遺症について研究が進み,診断基準の当てはめにおいて専門家でも意見の分かれるもの,診断基準自体が確立していないものなど,後遺障害の認定・評価が難しい事案が増加している。脳脊髄液減少症,高次脳機能障害,複合性局所疼痛症候群などである。これらは,

1.画像所見から必ずしも病変が明らかでない,

2.特徴的な症状が事故直後から発生しないこともある,

3.事故態様の程度と必ずしも比例しない重い症状が出る可能性がある点が特徴的である。

 このうち脳脊髄液減少症は,脳脊髄液が脊髄から漏出して脳が沈下することによって生ずるとされる諸症状であり,起立時に頭痛,吐き気,めまい,耳鳴り等が生ずるとされ,事故から長期間経過した後に診断されることが多く,その存在自体が争われることが大半である。複数の診断基準が公表されていて,診断基準が確立されていないことが争いの原因となっている。裁判例では国際頭痛分類基準等において判断しているものが多かったが,従前の診断基準よりも広く発症を認める基準を用いるべきであるとの医師のグループからの主張がある。

 その医師を受診している被害者が原告となった事件で争点となることが多い。
脳脊髄液減少症は,起立性頭痛の存在やブラッドパッチ治療が効果を示すことが基準として挙げられていたが,診断基準改定によって除外された。除外された基準は裁判例でも判断要素として取り上げられることが多かったため,診断基準改定が裁判所の判断にどのように影響するか注目しなければならない。

 自転車を加害者とする交通事故は社会的な関心が高まっているテーマである。
民事訴訟事件における課題は,自動車の交通事故では確立している損害賠償基準が自
転車事故については存在しないことである。損害賠償基準が確立していないため,事件が増加していった場合の対応,事件動向について注目していかなければならない。

*交通事件に関する民事訴訟(抜粋)
△ これからの説明は飽くまでも私の考えに基づくものであり,弁護士会全体の意見ではないことを注意していただきたい。
 「交通事故証明は過失を証明するものではないと記載してあるが,実際には甲「第一当事者」として記載された者の方が過失が重いということになっていて,その点に争いがあるのであれば弁護士に相談するべきである。そうすれば証拠の保存というアドバイスができる。むち打ち症の場合であれば,治療においてレントゲンは撮っているがMRIは撮っていない。MRIを撮っていなければ後遺障害が認められないのが現状である。最初にMRIを撮っておかないと首や腰の状態がわからないので,まずMRIを撮るようにアドバイスをすることができる。画像資料がどうなっていたかが裁判上重要な認定資料となっている。」

2)横浜地裁委員会(発言: ■委員長 ○委員 □オブザーバー)抜粋
○  専門性がすぐに習得できるものであれば,専門訴訟はどこでも行えると思うが,交通事故といっても医療がかかわってくるように,育成も含めて,やはりそれなりに年期が必要ということになると,なかなかやはり難しいんだろうかと感じる。

■ 確かに、交通事故による症状として新たに脳脊髄液減少症という問題がでてきた。

○ 脳脊髄液減少症は,労働事件でも同じような問題が起きていて,どこかに転落された方が傷害を負ったときに,なかなか治らない,それをどう判断していくかというのは,ノウハウの伝達という意味でいくと,東京地裁とか大阪地裁,横浜地裁もそうだが,大きなところは,そういうノウハウを蓄積した裁判官が,それなりのノウハウを外に発表している。

 例えば,東京地裁の保全部は,東京地裁保全研究会との名で,民事保全の実務という本などを公刊して,それが地方で余り件数を処理していない人たちに情報として提供され,それをみんなが読むというようにノウハウを広めている。

(出所)
・静岡地方裁判所委員会議事概要
http://www.courts.go.jp/shizuoka/vcms_lf/chisai-iinkai26.pdf
出席した委員
青島伸雄,池田宏行,大石晴久,五條堀孝,小長谷洋,中山祥乃,林道晴,村山浩昭,安岡元彦,渡邉良子(五十音順,敬称略)

委員会

静岡地方裁判所・家庭裁判所には,次の委員会が設置されています。
静岡地方裁判所委員会

    委員会の設置
    地方裁判所の運営に広く国民の意見を反映させるため,全国の地方裁判所に「地方裁判所委員会」を設置することとなり,静岡地方裁判所においても,平成15年8月1日に「静岡地方裁判所委員会」を設置しました。

    この委員会は,委員の方々に,率直に意見を述べていただき,委員の方々から出された多様な意見を裁判所の運営に生かしていくことを目的としています。

    委員の構成
    裁判官,検察官及び弁護士だけでなく,多様な経歴をお持ちの学識経験者の方々に委員になっていただいています。
(URL)
http://www.courts.go.jp/shizuoka/about/iinkai/index.html


・横浜地方裁判所委員会(第21回)議事概要
http://www.courts.go.jp/yokohama/vcms_lf/20121121-1.pdf
出席者
(委員)朝山芳史,内田邦彦,海野信也,倉吉敬,相馬宏治,竹内真一,竹澤秀樹,中嶌弘孝,深見敏正,福田護,二見尚子,堀嗣亜貴,山岸紀美江,渡邉正義(五十音順,敬称略)
(事務担当者)横浜地方裁判所民事首席書記官,同刑事首席書記官,同総務課長,同総務課課長補佐,同課庶務第一係長

横浜地方裁判所委員会の設置について

平成15年8月1日,横浜地方裁判所に「横浜地方裁判所委員会」が設置されました。
1. 設置の趣旨

 現在,我が国では,あらゆる分野において,既存の制度の見直しが図られていますが,紛争を公正なルールで法的に解決することを使命とする司法制度についても,その機能を充実,強化し,より一層国民が利用しやすい制度を確立することが求められており,さまざまな見直しがされているところです。

 その取組の一環として,平成13年6月に司法制度改革審議会から出された「裁判所の運営について,広く国民の意見等を反映することが可能となるような仕組みを導入すべきである」との意見書の趣旨に則り,最高裁判所では,地方裁判所の運営に広く国民の意見を反映させるため,「地方裁判所委員会規則」を制定しました。当裁判所においては,同規則を受けて,8月1日,横浜地方裁判所委員会を設置しました。
2. 地方裁判所委員会の役割

 本委員会は,地方裁判所の運営について広く国民の意見を反映させるために設置されたもので,地方裁判所の諮問に応ずるとともに,地方裁判所に対して意見を述べることができます。意見を述べる対象は,当該委員会を置く地方裁判所の運営一般(その管轄区域内の簡易裁判所の運営も含みます。)に及ぶものですが,もとより個々の具体的な事件の処理については除外されます。
(出所)
http://www.courts.go.jp/yokohama/about/iinkai/setti/index.html

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    たんたんさん
    こんにちは。

    転載をさせて頂きます、ありがとうございます。

    そして、
    貴重なこの「交通事故訴訟の最近の問題(脳脊髄液減少症等)」ブロク記事を拝見しました。

    非常に大事な記事となります。
    御転載をさせて頂き、その後に「脳脊髄液減少症」との関係をブログ記事としたいと思っています。

    本当に、ありがとうございます。

    [ KIKITATA ]

    2015/12/31(木) 午後 0:58

  • KIKITATAさん
    ご無沙汰しております。

    交通事故、労災事故等で「脳脊髄液減少症」に苦しむ方やご家族のために少しでもお役に立つことができましたら幸いです。

    [ たんたん ]

    2015/12/31(木) 午後 2:39

  • 顔アイコン

    たんたんさん
    ありがとうございます。

    さっそく、患者の皆様にブログ掲載しましたので見て頂きます。
    新たな希望の光を持てます。

    上記の記事は、相当の時間も要したでしょうね。
    本当に、ありがとうございます。

    [ KIKITATA ]

    2015/12/31(木) 午後 3:46

  • KIKITATAさん

    転載記事拝見しました。
    こちらこそありがとうございます。

    患者の方、ご家族の方のお役に立てる情報であったようで良かったです。

    [ たんたん ]

    2015/12/31(木) 午後 3:52

  • 顔アイコン

    > たんたんさん
    こんにちは。

    これほど、嬉しいプレゼントは他に有りません。

    ありがとうございます。

    [ KIKITATA ]

    2015/12/31(木) 午後 4:07

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