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43-05 夏の甘酒


 トルファンでだったか、中華料理のメニューで甘酒が出てきた。見た目は中華風のスープであった。飲んでみて驚いた。甘酒であった。さっぱりとした甘さで冷たくて仲間の評判もよかった。発酵で自然にできた甘さなのだろう。

 今回の旅の直前に、父が急に体調を崩して入院することになった。出発の二日前である。旅の中止を覚悟した。先生の診断では、とくに心配するようなことはない、猛暑の疲れだろう、ということであった。9月で満88歳になる。夏に入って食欲の衰えが気になっていた。

 思い切って先生に尋ねてみた。大丈夫ですよ、行ってらっしゃい、という返事だった。旅行の間、預かっていただくことにして出かけた。旅行中は毎日家内に電話した。最初の言葉が「親父、変わりないか」であった。大変な親不孝ものである。

 帰ってきたらまだ入院していた。病院食もほとんど食べられず、点滴だけで命をつないでいる様子である。父はお粥のような病院食が嫌いでこんなときは困る。検査の結果、ひどい貧血状態で、当面点滴を続けましょう、ということであった。

 ただ気はしっかりしていて、しきりに退院したがっている。先生に聞いてみたところ、胃カメラの結果も特に問題はない、週に3回、点滴に通うならばいいでしょうということで、退院することなった。

 お粥の嫌いな父に何を食べてもらうか。そこで思い出したのが甘酒である。甘酒は俳句の世界では夏の季語とされている。江戸時代には夏の体力回復に効くということで、土用の時期によく飲まれたという話を思い出した。うなぎの蒲焼が普及する前の話だろうか。それならば、いうことで早速甘酒を買いに行った。

 ところがどのスーパーにいっても見当たらない。季節商品で10月以降にならないと店頭には並ばない、とのこと。夏の季語なんだけど、とつぶやいてみても始まらない。市内や近郊のスーパーに電話をかけてみたが答えは同じである。

 インターネットで、森永製菓の甘酒を見つけた。缶ジュースタイプであるが、内容はしっかりとしている。一箱を送ってもらうこととした。点滴と僅かな食事、それに毎日一本の甘酒が効いたのか、いまではすっかり元気を取り戻し、晩酌もたしなむまでになった。


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