500『新視点の仏教史』から

[ リスト ]

31-01 諸仏の登場の概略


一.仏身論

1.権化の思想

 古くからヒンズー教には「権化」(アヴァターラ)の思想があった。唯一の絶対者である神(シヴア、またはヴィシュヌ)がさまざまな姿をとって、人びとを救済するために、この世に現れ出るというのである。これは本体と現象、絶対と相対との関係を宗教的な人格関係によってとらえようとするインド人に特有の考え方である。

 こうした権化すなわちincarnatin (化身)は全一の絶対者が自分の身体をそのまま雑多な現象界の事象として顕現させている。したがって、キリスト教における創造者としての神と被造物としての天地万物との関係におけるように、創造者はどこまでも超越的な存在者だというのではなく、現象している姿の雑多な差別相さながらに、みずからの絶対の相をそこに現している。

 こうした権化思想が大乗仏教の法身思想に大き影響をおよぼしたのであった。法身思想を中心とする仏身観はインドの仏教史を通じて、さまざまな発展を遂げたのであるが、密教の大日如来にいたって最高段階に達した。

2.三種の仏身  法身・報身・応身

(1)法身(ほっしん) 永遠不滅の真理で、仏陀の本心である。
(2)報身(ほうじん) 仏陀の現身
(3)応身(おうじん) 法を悟った功徳を有する普遍的な身


二.諸仏の登場

1.小乗仏教とほとけ

 阿含経典のみを奉ずる初期仏教、そしてそれから部派仏教、さらにその流れを汲む南伝仏教、即ち、現在の東南アジアの伝統保守の上座部仏教が、すべて「仏は釈迦ただひとり」とし、その一仏を固守する。

2.過去仏・未来仏、諸仏の出現

 仏陀が悟った永遠の理法は、彼がいるにせよいないにせよ、永遠の過去から永劫の未来まで存続していると考えると、仏陀以前の過去の世にも、善行を積んでその永遠の理法を体得して「悟り」を実現した人が無数にあったにちがいない。このような考えのもとに成立したのが「過去仏」である。

 歴史が過去にさかのぼるならば、それをいわば反転して、未来に仏が再来することも構想される。伝承によると弥勒は釈迦の弟子であったが、未来の人の寿命が八万歳のときに出生して衆生を救うことを誓い、そこで現在は菩薩として兜率天(とそつてん)に住んでいて、すなわち五六億七千万年後に弥勒如来としてこの世に生じるとされる。

 こうして、現在仏から、過去仏、未来仏という三世(さんぜ)に拡大された仏は、引き続き、いわば時間を横に倒して、空間的に投影されるようになり、四方・八方・十方に現在仏が立てられ、総称すれば「現在多方仏」の思想に発展する。

3.菩薩の出現

 菩薩は、自分が成仏するために修行(上求菩薩提、自利行)するとともに、衆生済度の大願(下化衆生、利他行)を発する者をいう。初めは、(1)成道前の釈迦、(2)本生話(ジャータカ)では釈迦の前世時代の呼称として使われた。

 大乗仏教興起後は、出家・在家共に発心して仏道に入り菩薩行を実践する者を称し、観世音、普賢、文殊等の諸菩薩の思想が表れた。


.
uma*a*o0409
uma*a*o0409
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

過去の記事一覧

検索 検索

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事