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『再帰的近代化』とは

■はじめに

 現代は、フランス革命や産業革命以上に大きな革命がおきている。以前の「単純な近代化」の段階においては、近代は近代以前のもの、たとえば伝統的な社会制度や政治制度、あるいは自然を近代化していった。この近代化は市民社会、核家族、階級社会、国民国家を生み出していった。

■再帰的近代化

 ところが、1970年代ごろから、近代は今度は近代化自身が生み出した市民社会、核家族、階級社会、国民国家を近代化していったのである。こうして近代は自分自身を近代化していくことになった。「地域社会の崩壊」とか、「家族の崩壊」、「労働運動の終焉」、「グローバル化」というのは、正しくこの近代化における現象である。

■ゲゼルシャフト化

 近代化を二重の過程として捉えられる。第一がゲゼルシャフト化であるが、それは合理化、分化ー専門化、個人化、馴致化を主な特徴とし、それに伴って意味喪失、動機の不安定性、正統性・統合のメカニズムの欠如、無力ー孤立感、連帯ー共生感の希薄、自然破壊、心的・肉体的自然の人工的環境への従属などの問題が生じる。その意味でゲゼルシャフト化とは「悪夢」にほかならならず、それゆえに、このゲゼルシャフト化に対する抵抗運動やゲマインシャフト探求の運動が近代化過程において必然的に伴うことになる。こうして生み出されたゲマインシャフトを拙著は「近代的なゲマインシャフト」と名づけ、その典型として市民社会、家族、階級、ネイションを取り上げた。

■近代的なゲマインシャフトの生成

 それは、分化・専門化され、相互にしたがうべき道徳と連帯感を喪失(=アノミー)していく部分社会と個人化によってばらばらになった個人を統合し、世界の魔術化によって意味喪失した個人に自明のアイデンティティ――市民や父、母、夫、妻、労働者階級、ドイツ人など――と存在論的意味を付与する機能、すなわち、ゲゼルシャフト化に伴う問題――部分社会と個人の脱統合、アノミー、孤立―無力感、意味喪失――を相殺する機能をもった。それを可能にしたのは、「近代的なゲマインシャフト」が伝統と自然によって正統化された一元的な規範力を行使したからである。

■「近代的なゲマインシャフト」自身がゲゼルシャフト化と新たなゲマインシャフト

 ところが、70年代以降、「近代的なゲマインシャフト」自身がゲゼルシャフト化されることによって、それがもっていた一元的な規範力は失われ、アイデンティティと存在論的意味の創出が自己課題となっていく。他方で、性、地域、エスニシティなどの領域でゲマインシャフトが新たに探求され、新しい社会運動・緑の党や極右運動・政党のような新種の政党と運動が展開されていった。このように、「近代的なゲマインシャフト」自身がゲゼルシャフト化され、新たなゲマインシャフトが探求される近代化の段階を「再帰的近代化」と呼び、この歴史的な段階を、それ以前の近代と区別するために、「現代」と命名した。
 
以上は、同志社大学の高橋秀寿教授の文章を編集したものです。

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