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ダイビング仲間のHさんはガテン系の職人でアメフトの選手を連想させる体躯の
持ち主だったので、最悪肉弾戦になっても私の出番はないと思っていた。
竹芝に着いた後、器材はショップにあずけて品川区にあるマンションに向かう。
たしか私の車だったと思う・・・常連ツアー客の女性をMさんとするが、彼女の部屋は
見晴らしのいい5階だった。鍵を開けて中にはいるが特に異常はなかった。
しかし、私は先ほどの話で一つ腑に落ちない点があり、Mさんに留守電の履歴を確認していいか許可をもらいました。
社交的なMさんの女友達が電話一本かけてこないのはおかしいと思ったからです。
テープを巻き戻し再生すると「○月○日午後○時○分 もしも〜し かえったら・・・」
これはダイビングツアー中の日付だった。やっぱり誰かが新着を聞いている。
私の行動の意味がわかったらしくMさんは顔色がすぐれなくなっていった。
寝室のベッドも使用した形跡があった。「こりゃここで寝泊まりしているかもな・・・」とHが掛け布団をつまみあげた。
「これは実家から送られてきたの?」私は台所にあった段ボール箱が気になったので聞いてみた。
「うん・・・お米とか果物とか、お母さんが送ってくれるの・・・たまにだけど」
「これみて・・・差出人欄に・・・これを控えれば実家がどこかわかるよね」
「あとはなんで帰る日がわかったかだな・・・」とHは頭をかいた。
その後、何時間くらいだろうか。深夜まで一緒にいたが特に何も起こらなかった。
「どおする?帰るか?」とHに言うと「Mちゃん!俺ら帰るけど大丈夫?」
「え?泊まらないの?」「だって、明日は仕事でしょ?」
「そっか・・・2人も朝早いんでしょ?ごめんねぇ来てもらって」ということになり、
「いいですか?なにかあったら必ず110番ですよ。。。。それからチェーンロックも忘れないでね」
「はい、大丈夫です。」「Mちゃん、またな〜!」
私たちはエレベーターで下に降り駐車場に向かった・・・
あれ?車のキー?私は今でもよくキーを置き忘れます。失くした事はありませんが、
レストランとか人の家にお邪魔した時、忘れて取りに行くという可能性大です。
その時も例外ではありませんでした。「ごめん!ちっと取ってくる」
なにげなく5階のMさんの部屋を見上げた。人影が二つ・・・争っている。
バルコニーにMさんが身を乗り出し
「だれか・・・んんんn」すぐ男に口を塞がれ室内に引っ張り込まれたようだ。
はじかれたように私とHは走った。
「110番しとくぞ」
「そんな暇はねぇ」
「頼むぞ!」バックアップは絶対に必要だとマイアミバイスで観ていたので、
マンション1階のホールにあった公衆電話で通報した。
「警察官を向けますので合流してください」と言われたが
「今あぶないんだ。行きます」と電話を切り、階段に向かおうとしたらエレベーターの扉が開いた。
すぐエレベーターに乗り込んだら降りようとしていた男性と肩がぶつかった。
「失礼しました」と言って向き直り、閉まるボタンを連打して降りた男を見ると、
その男もこちらに向き直り直立不動でまっすぐこちらをみている。
能面のように無表情、目は笑っていないが、口元だけニヤリとした。
「おい!おまえ!」
つづく
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