以前、千葉県の柏市に1人で住んでいたことがある。
高速での仕事をしていた時、若かったこともあり、上野〜御徒町界隈をしょっちゅう飲み歩いていた。
アパートは6畳程度のワンルーム狭くても住めば都だった。しかし、難点は最寄りの駅から遠い事。
自転車で10分強、歩くと30分くらいかかった。
バスは最終が早く、22時にはもう無かった。
常磐線の駅からは歩いて行ける距離ではないので、酒飲んで歩いて帰る時は新京成線の駅を利用した。
ある日、だいぶ遅くなってしまい真っ暗な道をとぼとぼ歩いていると、ハイヒールを履いた女性が自分の後ろを
着いてきているのに気付いた。同じ電車に乗っていたのかな?その程度に思い更に寂しい道に曲がった。
ド田舎道で途中、林があるので気味が悪いのだが、そこを避けると、とんでもなく遠回りになる。
酔っぱらっていると怖さは半減するので普通に林の横を歩いていた。先ほどの女性もついてきている・・・
あれ?さっきより近い・・・カツンカツン
やけに耳に残る。
少し早歩きにした。そのうちハイヒールの音が聞こえなくなった。。。
数日後、また遅くなり同じ道を歩いていた。今日は後ろに誰もいない。
しかし、また聞こえる・・・カツンカツン
顔を上げて前をみると、女性が歩いている・・・同じ電車に乗って降りて俺よりこんなに先行している・・・
駅から林までかなり距離がある・・・歩くスピードも遅い・・・追いついちまう・・・
この日は酔いが醒めてしまい・・・頭の中を恐怖が支配する。。。
その季節は今と同じ6月後半の蒸し暑い時期・・・しかし、この女・・・コートを着てやがる。
どんだけ寒がりなんだ・・・
立ち止り靴ひもを結ぶふりをしてしゃがんだ・・・少し間を開けて、もう一度前を見るといない・・・
しかし、もっと怖くなったその付近はどこにも曲がり角は無い・・・もちろん民家もない。消えた!
急ぎ足で林の横を過ぎ去ろうとして、なにげなく林を見ると・・・いた!
暗闇の林の中で木におでこをつけて突っ立っている女の後姿・・・
その光景を見て、茫然としていると女が急にこっちを向いた・・・若くない70〜80歳以上だ
私は顔をはっきりと確認する間もなく、全力疾走して自分の部屋に帰った。
あの老女が何者なのかはわかりませんが、後日、昼にたまたま車で通りかかった時、その林の中にコートと
赤いハイヒールが捨てられていました。ボロボロ過ぎるので最近捨てられたものではないようです。
狭い道路ですのですぐ車に飛び乗り立ち去りました。